付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「水の迷宮」 高千穂遙

2013-05-19 | 水の世界・海洋冒険SF
「種の保存を最優先としている以上、すべての生物は必ず戦争を起こす。戦争のできない種は滅びていく」
 ネレイスの言葉。

 今回の仕事は水の惑星マルガラスでの先史文明調査。だがマルガラスは内戦のただ中で、チームの責任者ディーラーを護衛するため海底遺跡調査船に乗り組んでいたジョウとアルフィンの目前で戦闘が始まる。
 そして、被弾して調査船に飛び込んできたのは、水中行動に特化した能力を持つ傭兵アプサラの機体だった……。

 久々のクラジョウです。
 これ以前には宇宙を舞台にしたジュブナイルSFはあったし、翻訳のスペオペもありました。けれど、スペースオペラといえる日本の作品はなく、これがアニメ『宇宙戦艦ヤマト』に燃えた本好きの少年が真っ先にたどり着く作品となり、その後、『銀河乞食軍団』『ハイスピード・ジェシー』などと続くことになります。
 今回は水の惑星での遺跡探査の護衛任務。もちろんドンパチはありますが、ミリタリーSFではなく冒険アクション。欲を言えば、メロドラマというかラブコメというか艶っぽい笑いの一つも欲しいところですが、最近はアルフィンがおとなしいので残念。物わかり良すぎ、手際よすぎで、すっかりベテランっぽくなっていて、「おてんば娘」はもう死語の世界。
 話は壮大で血生臭いだけに、もう少し潤いが欲しいなあ。いや、クラッシャー・ジョウは1作目から話が壮大で血生臭い作品だったのですけどね。

【水の迷宮】【クラッシャージョウ】【高千穂遙】【安彦良和】【ハヤカワ文庫SF】【日本アクション・スペースオペラの祖】【スペース・オペラ】【ファースト・コンタクト】【海底遺跡】【遺伝子改良】【宗教国家】

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