付け焼き刃の覚え書き

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「東征の艦隊~戦艦「大和」西海岸強襲」 内田弘樹

2009-05-29 | 架空戦記・仮想戦史
 『東征の艦隊~戦艦「大和」ハワイ侵攻』の続編。

 ハワイ攻略に成功した聯合艦隊だったが、日本の国力にさほど余裕がないことも、アメリカの国力が強大で余力が充分に残っていることも解っていた。しかし、日本はハワイで勝ってしまった。もはや、戦争が終わるまで勝ち続けない限り、復讐に燃えるアメリカ軍によって日本の国土すべてが焦土と化すことは明白だった。
 ならば、アメリカが反撃に出る前に決着をつけねばならない。
 聯合艦隊はすべての艦艇、すべての部隊、すべての弾薬燃料を使い果たす覚悟で神武作戦を開始した……。

「俺たちにも守るべき祖国がある。帰るべき故郷がある。戻るべき場所がある。愛する人々がいる。
「それを守るためならば、誰にでも悪意のない正義はあるはずだ」

 第1001降下猟兵大隊、檜山達也大尉の言葉。

 単に「戦艦大和でアメリカ本土を艦砲射撃したい」という妄想実現だけに終わらないところがポイント。日本が始めた戦いは愚かで、正しくもなく、それでも勝たなくてはいけないし……という状況で激突する日米の益荒男たちの物語。戦艦同士の遠慮会釈ない殴り合いに、日本潜水艦隊による通商破壊戦、日系部隊と海軍特殊部隊のアメリカ本土での攻防戦、おまけに航空部隊による雷撃戦と、やりたいことを全部やりつくしたような1冊でした。

【東征の艦隊】【戦艦「大和」西海岸強襲】【内田弘樹】【駆逐艦キーリング】【鷲は舞い降りた】【ナバロンの要塞】

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