「ニューヨークの妖精物語」 シャンナ・スウェンドソン

「ぼくは三人兄弟の末っ子です。こういう世界では特殊な意味があるんじゃないんですか？」
　それはフィクションの話ですよ。

　新人女優エミリーが念願かなって舞台で脚光を浴びたその晩に、忽然と姿を消してしまった。警察は行方不明者として処理しようとするが、姉のソフィーには妹が妖精にさらわれたと勘づいた。ソフィーはかつてダンサーとしての才能を手に入れる代償に妖精女王と契約していたのだ。
　しかし、基本的に妖精というものはあまり人間の顔を覚えるのが苦手らしく、しばしば人違いをしてしまうのだ……。

　行方不明の妹を救出すべく、刑事の追求をかわしつつ探索を進める姉と、妖精界からの脱出を企てる妹の、ダブルヒロインの冒険譚。これに姉妹と特徴がよく似た妻が行方不明になっている刑事マレーが絡んで話は二転三転します。
　結局、女王が悪いのよ。

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