
かくして、ひたすら真面目に誠実に新たな人生を歩もうとするのだが、気がつけば出会うヒロインがことごとく郷田に抱かれようと迫ってくるのだ……。
『前世でおじさんを経験していると、若者には後悔のない青春ってやつを送ってほしい思わずにはいられないもんだよ』
2010年の『Knight's & Magic』あたりを境目に異世界転生ものがウェブ小説を中心に増え始め、その派生としてゲームや小説の脇役に転生していたというパターンが登場するようになります。初期代表作としては2014年の『嫌われ者始めました』でしょうか。
異世界召喚・転移と異世界転生の大きな違いは、主人公の設定にあるような気がします。「召喚・転移」ものは若い少年少女が異世界に送り込まれ、その際に超常のスキルを与えられて元の世界では考えられなかった大活躍をするという傾向が見受けられます。1983年のアニメ『聖戦士ダンバイン』とか1994年の『魔法騎士レイアース』などが顕著な代表作ですが、以降のライトノベルでもロボットを操るようなものは多くありませんが、神さまやら超存在からさまざまなチートなスキルを手に入れるのが定番です。一方、「転生」ものはチートなスキルを得られることも少なくありませんが、なにより転生前の人生で身につけた技能や知識、経験が活きる展開が目立ちます。さまざまな無理難題を押しつけられたブラック企業での社会人経験とか、趣味で身につけていたけど前世ではほとんど役に立たなかった知識や技能が新しい人生に花を添えるというものです。
この作品は、やはりある程度の社会人経験を積んだ人間が、なぜかマンガの悪役に転生するという話です。周囲の人間環境は最悪なスタートですが、健康で屈強な身体、立派な逸物が与えられました。そのままでは悪役人生待ったなしですが、ハッピーエンド至上主義の性格と社会人ならではの経験で(ちょっとだけ)落ち着いた言動がドミノ倒しで主客転倒の展開にもちこんでいきます。
「基礎スペックは高いのに慢心して弱体化することで主人公に負ける」悪役が真面目に努力して主客逆転する、それってただの主人公ですよね?というのが通常の悪役転生ですが、この話も基礎スペックが高い主人公が真面目に生きようとすることで無理矢理だった原作とは違って合意の上でハーレム生活に突入していきます。それって本宮ひろ志の『俺の空』と同じようなもんじゃないですか?! そりゃあ、面白いってば。
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