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しかし、エリーに乗り移った絵里は気がついた。ここは単なる19世紀のアメリカではなく、自分が愛してやまない『小公子』の世界であり、もうすぐ自分が友だちづきあいしているセドリックに、イギリスの伯爵家から跡継ぎに迎えるための使いが来るであろうということを……。
現代の知識を武器に、推しのバックアップに専念する転生モブキャラの物語。セディのために資金稼ぎから人間関係の調整まであれこれ奔走するエリーこと絵里。メアリー・スーものとも言えるかもしれません。
ハルキ文庫の名作転生シリーズ、わざわざ専門のサブレーベルまで創って3カ月連続刊行したのも、ここで一区切り。このまま続くか徒花で終わるか、可能性はたっぷりあると思うので是非とも続いて欲しいですね。転生もののパターンはかなり出ましたけれど、まだ悪役令嬢転生ものが出てないかな?……いや、それは「マクベス」か……。
(小説とかゲームとか)原作ありきという設定の転生ものは、転生者である主人公が「現代知識」や「原作知識」で破滅するはずの者(自他問わず)を救うのが醍醐味なので、もともと「いろいろ苦労はあったけれど最後はめでたしめでたし」になる展開の話の主人公とは相性が悪い気がしています。それはただの新ルートBに過ぎないので。たとえるなら『魔法のプリンセス・ミンキーモモ』の30話「ふるさと行きの宇宙船」でのマッチ売りの少女のくだりとか、そういう「原作の悲しい結末を強引にハッピーエンドにねじ込む」のが読みたいのです。
あるいは、ミレディ転生で英仏謀略戦の真っ只中に飛び込む『ダルタニャン物語』とか、グレゴール・ザムザがサナギマンからイナズマンに変身してアベンジャーズに加わる『変身』とかもありかなー。
『高慢と偏見とゾンビ』が許されてるんで、このジャンルもまだまだ冒険できると思います。
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