
宝暦2年(1752年)、江戸の町では若い娘を鬼がさらう事件が頻発。ついには厳重な警戒をものともせず、若年寄の姫までがさらわれてしまう。
そこで白羽の矢が刺さったのが、広島藩の下屋敷でのんびり暮らしていた京嵐寺平太郎である。
実はこの若者、幼い頃にもののけの群と遭遇し、これを見事に退けたという逸話の持ち主であったのだが……。
妖怪を友にもつ平太郎が、三ツ目入道や白狐、妖刀らを仲間に、幕府転覆を企み次々に怪異を仕掛けてくる謎の一党と戦う様を描いた連作短編。架空戦記でデビューし、その後時代小説に手を広げたという著者なのだそうですが、軽く読めて面白い妖怪退治集。
しかし、この怪事件の黒幕を見ていると、まるで戦隊ヒーロー物の敵役を見ているかのよう。戦力の逐次投入は愚策だってば!
【もののけ侍伝々】【京嵐寺平太郎】【佐々木裕一】【静山社文庫】【稲生物怪録】【結界】【鬼退治】【式鬼神】【飛緑魔】