「多次元交差点でお茶づけを」 本保智

「補助金！　損失補填！　自助努力もしないで天からのお金に頼るなんて言語道断！　そのお金だって税金とかそーゆー公的資金から出るんでしょ!?　みんなから集めたお金を無駄遣いする能なしは死！　即殺!!」
　計算機を握りしめて吼えるまひる。

　修学旅行積立金を滞納している夜野原ミサキを追いかけて、夜の学園に忍び込んだ「時狭間の勘定奉行」宇田川まひるが紛れ込んだのは、多次元空間が交差する中継ポイント。そしてミサキはそこに建設された異次元生物専用ホテルの支配人だった。
　学園の秘密を知ったまひるは私立時狭間学園の理事長から学費免除と成績オール５を保証され、多忙を極めるホテル業務の助っ人として乗り込むのだった……。

　次元を問わず節約術を通用させてしまうヒロインが主人公なのに、結局、支配人の無駄遣いに助けられる展開が悔しい。ここは節約がホテル経営だけでなく、ストーリーにも効果があるところを見せて欲しかった。

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「ＮＡＶＩ」 新谷かおる

「考えてもみたまえ。男が命がけで取り合うものは女しかないだろう。金や名誉や記録は努力で勝ち取るものさ」
　男が女を取り合うことこそ決闘の本旨と語るアンソニー・スレーブ卿。

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