付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「鹿男あをによし」 万城目学

2009-08-09 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「奈良の人間は、鹿に乗るんです。最近は少なくなったけど、今でも奈良公園や春日大社の近くに住んでいる人は、近くのスーパーに行くときには鹿に乗ります」
 堀田イトはとにかくそう言い張った。

 大学の研修室でのトラブルから期間限定で女子高の常勤講師を依頼され、東の地から奈良県にやってきた主人公が剣道部の顧問となって三校対抗戦に臨むのだが、それは人間世界を救う救うための戦いでもあった……。

 野性的魚顔の美少女ってどんなんかい……? 読んでいて最大の疑問がそれだったので、鹿がなぜしゃべる?とかナマズがどうした?とか他の些末事はたいして気にならずに読破。インスマス美人ってやつ?
 でも、姫巫女との約束を律儀に守り続ける動物たちの姿に、シオネ・アラダと神々の姿を彷彿とさせてしまったりして、なんか本来の読み方ができなかったので再読。
 そうしたら、料亭「狐のは」が他作品にも登場していることに気づいたり、いろいろ発見もあってもう一度愉しめました。

【鹿男あをによし】【万城目学】【奈良県】【ヒメミコ】【剣道】【神経衰弱】【動物語】【六十干支】【サンカク】【狐のは】
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「バルサの食卓」 上橋菜穂子&チーム北海道

2009-08-09 | 食・料理
『突然ですが、私は細身の剣より、両手で振り回すようなぷっとい剣が好きで、さらに、剣より戦斧が好きです』

 『精霊の守人』や『獣の奏者』などで知られる上橋菜穂子の作品に登場する異世界のお料理を再現してしまおうという無謀企画です。
 こういう企画の場合、それがどんな料理なのか、ファンタジー小説の世界の食材や調味料をどうやって実際に手に入る食材で代替できるのかという難問が立ちふさがるわけですが、そこは作者自らが参加すると同時に、南極遠征で隊員のリクエストにあり合わせの食材で応じていった南極料理人こと西村淳らがチーム北海道の一員として参加することでクリアしていきます。

 食べるシーンのある原作の一節が抜き出され、そして上橋菜穂子が旅行や幼少時の思い出あるいは創作の動機などその料理にまつわるエピソードを書き、それに料理の写真とレシピが添えられます。こうして紹介されたのは30品目以上。ノギ屋の弁当風鳥飯とか鶏鍋スチャルあたりは我が家でも是非やってみたいと思います。

【バルサの食卓】【上橋菜穂子】【チーム北海道】【オーストラリア】【大阪万博】【イラン】【イギリス】【トルコ】
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