Avatarの撮影で有名な世界遺産です。この時は国際共同研究の会合がここにセットされました。
初日
午後4時、雨の上海へ到着。中国の手机に次々とメッセージが入る。
国内線で団体旅行の韓国おばさんたちと乗り合わせた。機内での振る舞いを見ていると、まるで資質の低い中国人団体観光客みたいだ。天候のせいでのきなみ飛行機が遅れていた。夜9時半までに張家界につくはずが、10時半の到着。空港でほかのメンバーと待ち合わせたので、ホテル着は0時になってしまった。
武陵源地区は観光地で、川沿いにホテルが並んでいる。少数民族(土家族)表演場の建築が独創的だ。古代の中原から見て、このあたりは南蛮(化外の地)、つまり中華文明の世界ではなかったわけだ。周囲の山並みは確かにAvatarの世界だ。
欧米からの参加者が、小生を日本で仕事している中国人と思い込んでいた。「日本にどのくらいいるのか。」という質問。彼らだけではない。中国人すら同じ質問をしてきた。こんなに適当にしゃべっているというのに。タンザニアから来たインド系のV先生は、スワヒリ語、アラビア語に加え、ドイツ語とスウェーデン語にも堪能だ。
4日目
会議の翌日はエクスカーション。天気は最高だ。ガイドの女性2名は長沙の大学を出てからガイドの資格を取ったという。ホテルから歩いて5分で張家界のゲートに到着した。チケットは3日間有効であるが、指紋認証式なので貸し借りはできない。250元。ここからバス、スイス製のケーブルカー(5分で400m上昇)、バスと乗り継いで目的地に向かう。ケーブルカーは90分待ち。長蛇の列。
ケーブルカーの終点では、少数民族のおばさんたちが焼いた栗を一山10元で売っていた。
農家のレストランで、燻製肉の炒め物、小魚のから揚げ、モロヘイヤの炒め物がおいしかった。昼食時に出会ったアルゼンチン人の青年はとても中国語が上手であった。地元の中学1年生がおそろいのジャージ姿で春の遠足に来ていた。袁家界の頂上でも1200mと黄山ほどは高くない。黄山と同様、歩きながらあちこちの景観ポイントを見て回る。韓国人の中高年団体のほか、華僑系アメリカ人の団体も多い。売り子たちも韓国語が実に堪能だ。翌日は雨だったので、我々はとてもラッキーであった。目の前で、韓国人がカメラを崖の途中に落としていた。3mほど下だ。地元のおじさんがきて、ピックアップに成功。命綱は使わなかった。二つの岩が頂上だけくっついた天下第一橋は圧巻だ。真下は空洞である。谷底までは500m以上あろうか。持参したレーザー測距器が反応しない。石英砂岩と石灰岩からなる温帯カルスト地帯ゆえ、主たる植生は松の類である。Avatarでは下層植生がまるで亜熱帯であり、張家界の現実とは異なっている。5億年前は海の底であったという。水蒸気が多く、逆光なので、Avatarと同様霞がかかったイメージの写真が多く取れた。真下が見えるくらいの急な崖の上での撮影は実に怖い。魚眼をつけた時は、しっかりレンズのわきを握りしめた。Avatarにおけるパンドラの画像との合成画像があちこちに掲示されている。著作権は大丈夫なのか?
The entrance of the planet Pandra was crowded.
この場所からパンドラまで60分(待ち)。
この看板もそのうち陳腐になるのでしょう。
I completed my mission at the planet Pandora. However I did not need eight years round trip in sleeping. Only one week.
惑星パンドラに赴いた。往復8年の冬眠が必要と聞いていたが、丸1日で到達できた。大気組成が地球と異なるため、特殊なマスク(エグゾパック)装着が必要と思っていたが、それも不要。身長2.5mの青肌有尾人や翼竜にもお目にかかることはなかった。
比高で400m程度です。浸食前の元の地表面が残っている感じです。
On the planet Pandora, leaf of plants are shining in the night, but they need electricity.
変な枯れ方の松の木と思いきや、夜は怪しい光を放ちます。まさに惑星パンドラの植物そのもの。ここまでハリウッドに迎合するか。。。
12月に蘇州で出会った若手の都市計画学者Y氏も、小生と同じく、コンパス、高度計、温度計付の腕時計をしている。彼は小生の口癖をまねていた。「地理学者必須的工具。」 小生の波及効果が徐々に中国にも表れ始めたようだ。彼のみならず、少なからぬ中国の教養人は知中派としての山本五十六を尊敬しているという。
インド系タンザニア人V先生のリクエストで、夜はフットマッサージへ2日続けて通う。マッサージの女性たちは高卒(もしくは医療系の中専卒)で、体やツボのことをよく知っている。テレビからは中高年専門のお見合い番組が流れている。男女ともさえない感じのバツイチのみなさんだ。お店のオーナーが「380元で土家族の未婚女性(17歳)を呼んであげる。」と勧めてくる。国際ルールを知らないようだ。このような行為も少数民族社会では古来より綿々と続いてきた、けっしてやましい習慣ではないのかもしれない。ホテルのまわりにはあちこちに屋台(大排当)が並んでいて、カゴに入った生きたままのヤマドリやバンブーラット(竹鼠:猫くらいの大きさ)が食われるのを待っている。そのほか、蛇や青蛙も多い。運転手によると、市内の不動産価格は平米3000元ほど。かなり安い。
「우리들은 하나의 단체입니다. 앞에 가게 해 주십시오. 」
ソウルでのフィールドワークの蓄積がこんな形で活用されようとは。張家界の空港のアナウンスは英語のあとに韓国語があります。日本語はありません。