みなさんこんにちは、平野です。
新記録、7日連続更新!と思いきや、時差2時間の罠で8日扱いですね…最近非常にブログに反響をいただいています。といっても私のオリジナルではなく翻訳や他の方の翻訳したものの紹介なのですが、でもいいんです。カンボジアの状況を伝え、そしてみなさんに関心を持って読んでいただけるものであれば、これからもさまざま記事や資料に当たります。
今日は4日付のカンボジアデイリー紙より、深刻化する子どものレイプ被害について、ある一人の少女に起きた出来事を軸に伝える記事の翻訳です。やりきれない内容ですが、これもまたカンボジアの子どもが置かれた現状です。2回に分けてお送りします。
原題:For Child Rape Victims, the Pain Goes On
By Whitney Kvasger and Thet Sambath
翻訳:平野 監訳:甲斐田
見出しは段落の第一文、太字は訳者
<レイプ被害を受けた子どもの苦悩は終わらない>
バンテアイ・ミエンチェイ州
【目を伏せ、額にしわを寄せ、12歳のプン・シークは自宅前の人垣の中心にいた。】
コー・ソウル村の隣人たちは腰をかがめ、2000年のある夜、彼女がわずか8歳だったとき、どのように彼女が男にレイプされ、殴りつけられたのかに耳を傾けた。プーン・シークは縁側に座りひざを抱え、ささやくように話した。長い髪が彼女の顔を隠していた。彼女の母親は座り込んですすり泣き、最も年長の子どもが母親の肩をさすっていた。「彼は私をレイプしました。彼は私が叫ばないよう葉っぱで口をふさぎました」12歳の彼女は言った。「彼は私の足をつかみ、木の根元に押し付けました」
それから犯人の19歳のシエン・モンは、彼女を丸太で殴った。それは明らかに被害者を殺して彼の犯行の唯一の目撃者を永遠に沈黙させようという試みだった。彼女が翌朝ついに発見されたとき、犯人が彼女の両目も無惨にえぐっていたことがわかった。そのため彼女は今片目が見えず、もう一方も常に感染症に悩まされている。カンボジアには、人が死んでも、目は永遠に最後に見たものを焼き付けたままである、という迷信がある。レイプ犯や殺人者にとっては恐ろしい話だ。
彼女がこの事件から生還したのは奇跡といっていいだろう。しかし、今彼女に与えられた人生は、そのような考えにそぐわない。彼女はさまざまな面で見捨てられた存在であり、悪夢や、目の痛みや、狭まっていく視界と闘わなくてはならないだけでなく、“スティグマ”(訳注:社会的に押されてしまう烙印)とも闘っているのだ。
伝統的に、レイプの被害にあった女性は配偶者を見つけるのは困難であり、多くの女性が経済的に夫に頼っているカンボジアの農村部では、彼女の希望はかすかである。このような現実に直面するカンボジア人の少女が増えてきている、と政府役人やNGO関係者は言う。彼らは、全国的にレイプの件数が増えており、そして被害者の年齢が下がっていることに注目している。
小さな女の子たちは、HIV/AIDSや他の性感染症を患っている可能性が低く、そして娘の名誉を守るためならなんでもするであろう両親は、レイプの被害にあった後、脅迫して黙らせることができるからだ、と女性省のイン・クター・パビーは言う。
【「かつて、人々は恥と思ってレイプ被害を警察に届けませんでした」】
イン・クター・パビーは言う。「私たちは、意識啓発キャンペーンをしています。女性や子どもに対するすべての暴力は犯罪であると訴えています。これは彼女たちが助けを求められるよう、法意識を喚起するものです」この12ヶ月で、18歳未満の子どもに対するレイプ被害の報告は増えた、と女性省の役人やアドホック(ADHOC),カンボジア女性クライシスセンター(CWCC)、リカド(LICADHO)といったNGOの関係者は語る。
以上、次回へ続く。
本当におぞましく、激しい怒りを禁じえない事件ですが、第2回では、彼女の母親のコメントを交え、本当にやりきれない現実を突きつけられます。次回も心してご覧になってください。
※写真は本文とは関係ありませんが、ADHOCの報告書より、ギャングレイプの被害者です。
新記録、7日連続更新!と思いきや、時差2時間の罠で8日扱いですね…最近非常にブログに反響をいただいています。といっても私のオリジナルではなく翻訳や他の方の翻訳したものの紹介なのですが、でもいいんです。カンボジアの状況を伝え、そしてみなさんに関心を持って読んでいただけるものであれば、これからもさまざま記事や資料に当たります。
今日は4日付のカンボジアデイリー紙より、深刻化する子どものレイプ被害について、ある一人の少女に起きた出来事を軸に伝える記事の翻訳です。やりきれない内容ですが、これもまたカンボジアの子どもが置かれた現状です。2回に分けてお送りします。
原題:For Child Rape Victims, the Pain Goes On
By Whitney Kvasger and Thet Sambath
翻訳:平野 監訳:甲斐田
見出しは段落の第一文、太字は訳者
<レイプ被害を受けた子どもの苦悩は終わらない>
バンテアイ・ミエンチェイ州
【目を伏せ、額にしわを寄せ、12歳のプン・シークは自宅前の人垣の中心にいた。】
コー・ソウル村の隣人たちは腰をかがめ、2000年のある夜、彼女がわずか8歳だったとき、どのように彼女が男にレイプされ、殴りつけられたのかに耳を傾けた。プーン・シークは縁側に座りひざを抱え、ささやくように話した。長い髪が彼女の顔を隠していた。彼女の母親は座り込んですすり泣き、最も年長の子どもが母親の肩をさすっていた。「彼は私をレイプしました。彼は私が叫ばないよう葉っぱで口をふさぎました」12歳の彼女は言った。「彼は私の足をつかみ、木の根元に押し付けました」
それから犯人の19歳のシエン・モンは、彼女を丸太で殴った。それは明らかに被害者を殺して彼の犯行の唯一の目撃者を永遠に沈黙させようという試みだった。彼女が翌朝ついに発見されたとき、犯人が彼女の両目も無惨にえぐっていたことがわかった。そのため彼女は今片目が見えず、もう一方も常に感染症に悩まされている。カンボジアには、人が死んでも、目は永遠に最後に見たものを焼き付けたままである、という迷信がある。レイプ犯や殺人者にとっては恐ろしい話だ。
彼女がこの事件から生還したのは奇跡といっていいだろう。しかし、今彼女に与えられた人生は、そのような考えにそぐわない。彼女はさまざまな面で見捨てられた存在であり、悪夢や、目の痛みや、狭まっていく視界と闘わなくてはならないだけでなく、“スティグマ”(訳注:社会的に押されてしまう烙印)とも闘っているのだ。
伝統的に、レイプの被害にあった女性は配偶者を見つけるのは困難であり、多くの女性が経済的に夫に頼っているカンボジアの農村部では、彼女の希望はかすかである。このような現実に直面するカンボジア人の少女が増えてきている、と政府役人やNGO関係者は言う。彼らは、全国的にレイプの件数が増えており、そして被害者の年齢が下がっていることに注目している。
小さな女の子たちは、HIV/AIDSや他の性感染症を患っている可能性が低く、そして娘の名誉を守るためならなんでもするであろう両親は、レイプの被害にあった後、脅迫して黙らせることができるからだ、と女性省のイン・クター・パビーは言う。
【「かつて、人々は恥と思ってレイプ被害を警察に届けませんでした」】
イン・クター・パビーは言う。「私たちは、意識啓発キャンペーンをしています。女性や子どもに対するすべての暴力は犯罪であると訴えています。これは彼女たちが助けを求められるよう、法意識を喚起するものです」この12ヶ月で、18歳未満の子どもに対するレイプ被害の報告は増えた、と女性省の役人やアドホック(ADHOC),カンボジア女性クライシスセンター(CWCC)、リカド(LICADHO)といったNGOの関係者は語る。
以上、次回へ続く。
本当におぞましく、激しい怒りを禁じえない事件ですが、第2回では、彼女の母親のコメントを交え、本当にやりきれない現実を突きつけられます。次回も心してご覧になってください。
※写真は本文とは関係ありませんが、ADHOCの報告書より、ギャングレイプの被害者です。