先日に長時間使用すると時々片チャンネルの音が出なくなる約30年位前のA級動作のステレオアンプのトラブルは出力段のプリント基板内の機械半田付け部分のピンポールが原因で復旧したが其の後に今度は極稀だが両チャンネル共に音が出無く成る症状が出て矢張り30年も前のアンプ、一筋縄では行かない様子、兎に角症状が発生した時しか故障原因が掴めないので其の故障の再現に苦労した。
此のアンプは左右のアンプの直流電源が其々に独立したタイプなので両チャンネル共に音が出ないと云う事は電源周りのAC回路(整流回路以前)に問題が有るのでは?と予想はして居たがプリント・パターンやピンホールの可能性が有る半田付け箇所は全て手半田で修正したが其れでも1~2日に一回程度の症状は出て居たのでアンプの天板を外し症状が出れば直ぐに点検出来る状態にして酷使テストを続けていた。
偶々症状が出た時にアンプ出力段のTRのコレクタ直流電圧を測定するとOV、矢張りアンプ回路の段間の故障では無く電源回路のトラブルで有る可能性は極めて高い。一応パワーSW ONで電源が入った表示ランプは点灯するので其れ以後のAC回路のON-OFF部品と成るとリレーしか無く(リレーON時の音は聞えて居た)リレー自体の問題か?回路のトラブル問題で保護回路が作動し強制的にリレーをOFFさせて居るのかの何れかだが?配線図などは無いので保護回路の作動だと万事窮す状態に・・・・・
兎に角一度リレーを本体から外し確認してみる事にした。透明のケースに入ったリレーなら接点の接触不良や自己保持状態不良は目視する事が出来るのだが使用されて居たリレーは残念ながら写真の様な黒いケースに覆われて居て内部はケースを外さなくては確認出来ない構造、仕事柄此の様な事は結構有るので小さい精密-ドライバーでケースの勘合部分を抉じ開け様としたら手元が滑ってドライバーの先が可也奥に入って仕舞ったが其の結果上部ケースは本体から分離する事が出来た。其処で肝心なリレー接点を確認すると可也荒れている感じがしたので取敢えず接点を磨きプリント基板に取付けてテストをしてみたら今度は全く電源が入らない状態に???
確認してみるとリレーの可也細い投入コイルを何ターンかドライバーの先端で切断して仕舞った様でリレーはアウト状態に!困った老眼の爺さん必死で目薬を点しながら巻線の接続を試みたが腐った目では幾等頑張っても接続出来ずに最後にリレーを放り投げてギブアップと成った。リレー駆動電圧を調べたら何と24Vリレーで中途半端な電圧・・・・12Vのリレーなら使えそうな物も有る筈なのだが24Vリレーと成ると果たして有るか如何か???然し其の気に成って色んな場所を探したら接点電流容量は少し少ないが何とか流用出来そうなリレーが見付かり取り替える事にしたがリレーの大きさが可也違うのでプリント基板内に収める事が出来ずに仕方無くスピーカー出力端子を固定して居るプラスチック部品上部にリレーを固定しプリント基板からは一寸不細工にはなったがリード線で引き回し配線で何とか対応をした。今回のトラブルは最終的にリレー接点荒れか?経年変化に寄るリレーの動作不良か原因は良く解からないが??(多分接点荒れと思われる)トラブルが解消出来れば原因は如何でも良い事で長らく床に置いていたステレオアンプも漸くラックの定位置に鎮座し問題無く元気に働く様に成った。