私が通って居た工業高校にはコールサインがJA5YCHのクラブ局が有りました。此のクラブ局は新設の電気科の1期生が作ったクラブ局で私は其の2期生で1年生の2学期頃から友人の樫福君(JA5BRN)の紹介で入部しました。当時のクラブ局の無線設備は送信機がTX-88Aで受信機はアルミシャーシにパネルを付けた高1中2の自作のシングル・スーパーでアンテナは300Ωのリボンフィーダーを利用したフォールデット・ダイポールを校舎の2階にコンジットパイプの2本継ぎ2本をテレビの屋根馬に乗せて其々に四方にステー線を張った物で本格的な物でした。基本的には7MHz帯のアンテナでしたが送信機に接続するフィーダーの両線をショートしてT型アンテナとして3.5Mhz帯も運用して居ました。
当時は何故か?今でも不思議に思うのですが7Mhz帯等で遠くとQSOした覚えが余り無く殆どが3.5Mhz帯の運用で大阪府や和歌山県の高校のクラブ局とばかり交信して居た様に思います。無線部の上級生の四人は既に個人局を開局して居り放課後のクラブの集まりに参加して居たのは此のブログに良く登場する偉大なる先輩の島さん(JA5BIF)位で後の先輩は重要な時だけ顔を出す程度でした。島さんを含む上級生は学校に有る無線設備より遥かに良い無線設備で自宅で開局して居たので学校の設備では多分物足らなかったのでしょう。しかし島さんは連日出席で無線局の運用方法やアマチュア無線に必要な実務的な部分を丁寧に教えてくれました。(学校の勉強は基礎的な物でアマチュア無線の実務の無線機を組立てる事には役立ちませんでした)学校を卒業して50年以上成りますが県内に残った卒業生が少なく現在でも先輩とは行き来が有って学生時代からの思い「三歩下がって師の影を踏まず」の精神で教えを請う状態ですHi
話が脱線しましたが上級生が卒業した段階で学校のクラブ局で当時一番欲しかったのは確りした受信機で多分私達の学年のクラブ予算で購入したのだろう?(此の辺りの記憶は全く無い)上の写真のトリオの受信機JR-60でした。此れも不思議な事なのですが此の受信機を徳島市内の販売店へ受け取りに行ったのは私で兄の車でホクホク顔で持ち帰り翌日学校に持ち込み梱包を解いたのまでは確り覚えて居るのですが此の受信機で運用した覚えが全く無いのです。そう成ると時期的には三年生の卒業間際と成るのですが「学校の予算が余って兼ねてより要望の有った無線機でも買って遣ろうか?」の学校側の温情だったのかも知れません。
此の受信機は当時の最新式で6m用のクリスタル・コンバーターが内蔵された高級機で私は学校へ届ける運送屋の役目は果たしながらも反面一度も其の受信音を聞く事が無かったので多分直ぐに卒業を迎えたのだと思うし其の不思議な経緯が未だに解らず此のJR-60の記事や写真を見る度にその事を思い出し私の中では幻の受信機と成って居ます。



先日にブログに書いた開局前に使用して居たトリオの9R-4(受信機)は3.5Mhzや7Mhzでの受信には余り問題は無かったが21Mhz帯の受信には安定度で少し問題が有りました。誰かの言った「もう相当古い受信機だから寿命だったのと違うか」では無いけれどGT管を使ったステージも有ったので真空管のヘタリが有ったのかも解りません。
その様な時期に或る日、後藤さん(JA5BYT)と無線で交信する機会が有り色々お話をして居たら後藤さんは隣町から運用していて仕事の関係で3エリアから単身赴任で来られて居るらしくJA3A・・のコールサインも持って居られたが長く滞在するので5エリアのコールを取得されたとの事で何回かの交信後に「暇だったら遊びにおいで」と誘われたので早速お宅に御邪魔した。無線をする部屋にはカタログでは見て居ても現物は見た事の無いFL-100BとFR-100Bラインが並んで居た。此の時に14Mhz帯で海外局の信号を聞かせて貰ったが其のSN比の良さに驚いた。其の時に私の受信機のハイバンドでの受信に問題がある事等を話したら「それならプラグイン式のコンバーターが有るので今の受信機を親機にしてダブルスーパーにして聞いてみたら今は使って居ないから良かったら持って帰って使ったら」と写真のデリカのコンバーターを貸して下さった。
此のコンバーターは運用する周波数別のプラグインコイルを本体のボックスを差し替えてコンバーターの変換出力(1.5Mhz)を親受信機で受信してダブルスパーとして聞く事に成り親受信機は周波数固定で動作しコンバーター側で受信周波数を可変して受信する事に成る。従って親機は低い周波数帯を受信する為に親機の周波数ドリフトが少なく成り21Mhz帯を直接に9R-4で聞く寄りは動作が安定化する事に成った。私も自励式の同タイプのコンバーターを自作して居たがアルミ・シャーシが剥き出して周波数がハッキリと読み切れないので(自分でメモリを入れていた為にアバウトな読取であった)此のコンバーターはある程度正確に読み取る事が出来たので一時期に21Mhz帯の運用で重宝し私としては初めてのダブルスーパー方式の受信機を体験した。今ではトリプルスーパーが当り前の時代だがしかし此の当時のアマチュア局の受信機は高1中2のシングルスーパータイプの受信機が大半であった。ダブルスーパー方式が本格的にアマチュア無線に取り入れられたのはSSBの電波形式が主流に成ってからであった。
今朝は久し振りに家内の「朝御飯ですよ」の声に眼が覚めた。何時もだと家内が起きて来る5時半頃には眼がシャッキンで無線を聞いて居るのだが?時計を見ると6時少し前「此の時間帯だと3.5Mhzには遅過ぎて駄目だな」と思いパソコンと無線機の電源は入れたが先に朝食を済ませる事にした。朝食を終えたら直ぐに7Mhz帯を聞き始めたら軍事レーダーの信号か?Sメーターの針は59プラス10dbから下がらず振れっ放しの状態で本当に参った参ったの状態、DXクラスターにVU7MSが7,155Mhzで運用中の情報がアップされて居たので駄目元で受信を始めたが御本尊の信号は完全にマスクされて全く聞こえなかった。
矢張り此の時間帯は14Mhz帯しか無いか?の思いで14Mhz帯に上がったらKP4JRSとPJ4/K4BAIの信号しか聞こえずJAの呼掛けも可成り有ったが呼掛けたら二局とも直ぐに応答が有り交信する事が出来た。DXペディション局の呼びかけ段階では中々ピックアップして貰えず1~2時間の呼掛けは諸中の事だが平日の呼び合いだと此れだけ簡単に交信出来るので其のギャップに驚かされる。多分DXペディション局側では此方が想像出来ない程の多数の局からコールされて居るのだろうが一度経験してみたいものである。交信後は10、18、21Mhz帯を聞いてみたがDX局の信号は確認出来ても呼掛けるが出来る程の信号強度の局は無かった。
今朝の交信
KP4JRS(14,CW) PJ4/K4BAI(14、CW)