▲『オリバー・ストーン 映画を爆弾に変えた男』 2000 小学館 定価4960円+税
『オリバー・ストーン 映画を爆弾に変えた男』 2000年 小学館
混雑の中、立ち見で、数時間映画鑑賞する体力もちょいと心配なので、今日は、ネットで、関連記事を読ませてもらった。
いろいろな、インタビュー記事があったのだが、ニュース23が伝えたものが、納得の番組だったようだ。あと『赤旗日曜版』のインタビュー記事がよかったようである。
いずれ、映画と、記事をゆっくり、観たり、読ませてもらうことにするが、一応このブログ、本を紹介しておかないと趣旨に反するので、随分前の本だが、ストーンに関連する本を紹介。
▲『オリバー・ストーン 映画を爆弾に変えた男』 2000 小学館 4960円+税
著者はジェームズ・リオーダン 遠藤利国 訳
▲▼ 『オリバー・ストーン 映画を爆弾に変えた男』 目次
▲ 『オリバー・ストーン 映画を爆弾に変えた男』 目次
原著は、1995年の本なので、オリバー・ストーンの1995年までの作品、および、彼の半生の破天荒な生活から産み出される、文字通り、「映画を爆弾に変えた男」を活写している。
上下2段組で、本文・索引あわせて堂々の542ページ。
刊行から16年以上も経っているが、未だに彼のアメリカ愛国の作法は、ベトナム戦争の森の硝煙の匂いがする。
「闘わなければ存在しない。人生も、映画も、表現も同じ!」
オリバー・ストーンの『サルバドル』という映画を観て以来、私は、彼の映画を好きになったのだが。
彼の過激なアメリカ批判のえぐり方は並の映画鑑賞態度を、拒否。
映画からはみ出して、いつも観るものになにがしかの態度や行動を迫る!
昨年末、一足先にアメリカでは公開されて、トランプ報道でわかるように既に死んでいるマス・メディアは、ニューヨーク・タイムズを始め、この映画を総攻撃しているようだ。彼の映画を支援する・商業映画を作る環境がアメリカには失せて、これが最後の長編劇場映画になるかもしれないと言っていた。
オリバー・ストーンは1946年生まれだから、先の戦争が終わった後に生まれた、「ベビー・ブーマー」の世代。日本では、「団塊の世代」と同じ世代だ。
彼はすでに70歳を越えている。
しかし、彼は執拗に世界の問題の根源にこだわり、映画娯楽の要件を満たしながら、うっかり映画館に入った観賞者を、そのままでは帰さない。
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1月27日に、インターネットで見たインタビュー記事でのことば
以下に、TBSニュース23での雨宮キャスターの質問に答えたオリバー・ストーンの、ニューステロップの一部採録。
「僕が(スノーデンの)題材を選んだのではなくて、題材が僕を選んだのです。」
・・・・・・・・
「モスクワでスノーデンと会うようにとの連絡を受けました。9回会う中、貴重な情報を得ることができました。
それはニュース以上に価値のある情報でした。
「彼は2年間、日本に駐在していた。将来的に日本がアメリカの同盟国でなくなったときのために
スパイプログラムをダム、駅、発電所、銀行などに組み込んでいた。いざとなれば機能停止に追い込めます。
非常に恐ろしいことです。これは僕の視点ではなく、スノーデンの視点から描いた物語なのです。」
・・・・・・・・・・
「 スノーデンは映画のようにテロに限らず全ての情報を標的にしていた。
全ての情報を把握し権力を得ようとしている。テロに限ったことではないのです。
アメリカは全ての情報を把握することで権力を得ようとしているのです。人々は分かっていないのです。
テロを見つけるためだと思い込んでいますが違います。もっと危険なことになるでしょう。
・・・・・・・・・・」
インタビュー冒頭でのニュース23、雨宮キャスターの、日本についてはどういう考えでしょうかという質問に答えて、最後に言ったことば。▼
「「日本の問題」 もう、忘れたと思っていたよ。日本は素晴らしい国だ。文化だって。
ただ、ひとつだけ問題がある。
日本は昔、持っていた主権がない。アメリカの衛星国であり、人質なのです。
こう言いたかった。
最初に言わなかったのは わかってもらえるとは思わなかったからで今までの話を聞いたうえでなら理解してもらえると思いました。
ありがとう。」
以上の記事は、ニュース23からのインタビューのテロップの一部。
すでに、2014年の、『ガーデアン』 紙記事のスノーデンインタビューはグレン・グリーンウォルドによって、スノーデンがリークした膨大な、情報とともに、翻訳されて、世界同時出版されている。2014年5月13日
▼『暴露』 2014年 5月13日 新潮社
▲『暴露』 2014年 5月 新潮社 定価1700円+税
▲『暴露』 2014年 5月 新潮社 目次
▲『暴露』 2014年 5月 帯裏のことば
オリバー・ストーンは、『スノーデン』の映画を作るにあたって、モスクワに飛び、9回もスノーデンと会談を行っている。
この会話の内容は、日本でのインタビューの中にも現れている。
上記の本のグレン・グリーンウォルドの記述以上に、オリバー・ストーンのもたらしたものは衝撃的な内容だった。
スノーデンは『暴露』 の中で、日本にいたことをグレン・グリーンウォルドに語っているのだが、そして、リークしなければならない、倫理的な人間としての判断を、日本での仕事から、決意したと言っていた。
グレン・グリーンウォルドが書いた本の中には、書いてなかったのだが、オリバー・ストーンは、9回にわたる会話の末に強烈かつ重大な情報を語ってくれた。
「モスクワでスノーデンと会うようにとの 連絡を受けました。
9回会う中、貴重な情報を得ることができました。それはニュース以上に価値のある情報でした。
彼は2年間、日本に駐在していた。
将来的に日本がアメリカの同盟国でなくなったときのために
スパイプログラムをダム、駅、発電所、銀行などに組み込んでいた。
いざとなれば機能停止に追い込めます。非常に恐ろしいことです。
これは僕の視点ではなく、スノーデンの視点から描いた物語なのです。」
このことばを、オリバー・ストーンの口から漏れ出すのを聞いたとき、私は咄嗟に2011年3月11日の東日本大震災の出来事を思い出したのだ。
「福島の原発事故は地震・津波による電源停止がほんとうの原因だったのだろうか?」
という疑問である。
311に始まる重大な原発事故は、事件探求者の人々からは、アメリカ・イスラエルが共同開発した、「スタックスネット」による、「スパイ・プログラム」により、事故が起きたのだということが事故当時から密かに囁かれていたのである。
2016年の6月には、日本政府の発表があった。
「国内の電力インフラなどのサイバーセキュリティーを強化するため、年内にもイスラエル政府と技術協力の覚書を交わす方針を決めた。米国と並ぶサイ バーセキュリティー先進国の知見を生かしたい日本と、ビジネスとしての展開を狙うイスラエルの思惑が一致した。日本国内の研究施設でイスラエル製防御機器 の導入試験を行うほか、専門家を招き、サイバー攻撃への防御演習も行う。インフラのサイバーセキュリティーの分野で、日本が本格的な協力関係を結ぶのはイスラエルが初めて。」
という内容の発表もあった。
オリバー・ストーンがモスクワで聞いた9回のスノーデンとの対話の内容は、日本ではすでに、アメリカとの同盟からの将来の脱退を阻止するために、属国にすぎない同盟国には 属国のままに置き続けるために、「スパイ・プログラム」をすでに組み込んでいるという意味にとらえるのが自然ではないだろうか?
もしそうだとしたら、オリバー・ストーンの言うように、「非常に恐ろしいことです」というほかはない。
なお、「スタックスネット」についての記事は、インターネットで多くの内容が読める。
さしあたり、以下の記事が目にとまった。すでにイランでは「スタックスネット」に原子力施設が狙われていたのであるから。
http://www.sophia-it.com/content/Stuxnet
[日本は昔、持っていた主権がない。アメリカの衛星国であり、人質なのです。
こう言いたかった。」 オリバー・ストーン
オリバー・ストーンが9回にもわたる会話でもたらしたものは 2011年、3.11の「東日本大震災」の原因を究明する上で、極めて重大な情報ではないだろうか。地震・津波が発生したことで、原子力発電所の電源・制御システムが破壊・喪失したのだろうか。?安全監視・制御システムの表示機能が破壊されていたということが、結果的に発電所の暴走を認識できずに最悪の結果をもたらした可能性はないのだろうか。
すでになぜか、日本の原発施設のセキュリティ管理はイスラエルが受注していて、東京電力の福島第一原子力発電所も、事故当時請け負っていたと報じているイスラエルのメディアもあった。日本の原発の安全管理に関わる労働者もイスラエルでシステム管理の研修を受けているのである。
もう一度、オリバー・ストーンのことばを繰り返す。
「彼(スノーデン)は2年間、日本に駐在していた。将来的に日本がアメリカの同盟国でなくなったときのために
スパイプログラムをダム、駅、発電所、銀行などに組み込んでいた。いざとなれば機能停止に追い込めます。
非常に恐ろしいことです。これは僕の視点ではなく、スノーデンの視点から描いた物語なのです。」
いまでも、このシステムは、生きているのだろうか、誰が日本の「駅・発電所・銀行」のセキュリティ・システムを受注しているのか。また受注企業の情報公開はされているのだろうか。
そもそも外国の企業に、日本の重要な施設の安全管理を託すということ自体、オリバー・ストーンの言うように、「アメリカの衛星国であり、人質」 なのではないだろうか?!
鵞鳥(ガチョウ)小屋の安全を、狐に入り口の鍵を渡し依頼するようなものではないのか?という不安は、さらに増大しているのではないだろうか?
スノーデンは、アメリカによる世界の徹底した監視と属国化の有様を、仕事と身体を通して2年間を日本で過ごした。スノーデンが告発を決意したのは、ほかならぬ日本の悲惨な属国状況をつぶさに目撃していたからなのだ。
オリバー・ストーンが、日々争闘しているように、「過激にしてユーモアのセンスを失わない精神」こそが、この世界を闘い、生き抜く力なのではないだろうか。
日本には宮武外骨のような「過激にして愛嬌のある」表現者先輩もいたのだが・・・・・・・・
さて、岩上安身のオリバー・ストーンへの質問は、彼を感激させたようだ。アメリカでは、まともな質問をするジャーナリストは消滅していると言っていた。
つづく