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オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史 1-2 付箋メモ

2014年10月03日 | オリバー・ストーン、ピーター・カズニック

『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』 1-2


1-2 序章・1章の付箋メモ

オリバー・ストーン(著)
ピーター・カズニック(著)

大田 直子(訳)
鍛原 多恵子(訳)
梶山 あゆみ(訳)
高橋 璃子(訳)
吉田 三知世(訳) 
 
ISBN:978-4-15-209367-7 刊行日:2013/04/04

 

  ▲ 『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』 1 2013 早川書房 2160円

1巻の詳しい目次は1-1に掲載したので

早川書房さんのサイトにて簡潔な目次内容を以下に再掲

はじめに

 目次

序章 帝国のルーツ―「戦争はあこぎな商売」(「覇権国家」アメリカの光と影
歴史に縛られたくないアメリカ人 ほか)


第1章 第一次世界大戦―ウィルソンvsレーニン(ウィルソン―革命嫌いの人権差別主義者
メキシコ革命とウィルソン ほか)


第2章 ニュー・ディール―「私は彼らの憎しみを喜んで受け入れる」(世界大不況下のアメリカとFDR
「あこぎな両替商」との決別 ほか)


第3章 第二次世界大戦―誰がドイツを打ち破ったのか?(枢軸国の侵略、始まる
スターリンのあせり―独ソ不可侵条約 ほか)


第4章 原子爆弾―凡人の悲劇(歴史の流れを変えた発明
核エネルギーへの危惧―アインシュタインの後悔 ほか)

 

では、付箋メモ開始

 はじめに

「この本は、もとになったドキュメンタリー・シリーズと同様、ほとんどのアメリカ人が教わってきたアメリカ合衆国の基本的な歴史に疑問を投げかけるものです」 『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史』 1 (11p) 

茶色のは、ブログ主が付箋を貼っていた同著からの抜き書き、黒色文はブログ主の要約やコメントです。)

本文開始早々から、この本は、アメリカ人が教わってきたアメリカ合衆国の基本的な歴史に疑問を投げかけるものと宣言している。しかし、「それは今とは大きく違ったより良い世界を想像できなく」しているからだと言う。

アメリカ政府が提供する建国以来の歴史ものがたりは神話に似ていて、多くの国がアメリカをどのように見ているか理解できなくしている。アメリカの歴史認識を問い質そう。

「本書とドキュメンタリー・シリーズを世界中で着実に変革を推し進めている人々に捧げる。より正しく、より人間的で民主的で、より公平な世界を求めて闘ううえで、私たちの提供する情報が役に立つことを願って」 (同12p)

 

早速序章の方へ

序章 帝国のルーツ  「戦争はあこぎな商売」

「覇権国家」 アメリカの光と影

「アメリカは史上例のない強大な力をふるって他を圧倒し、世界の覇権国家となった。その道のりは、誇るべき成果と忌まわしき幻滅の歴史である。これから本書で探っていくのはほかでもないこの幻滅の歴史、つまりアメリカ史の暗部についてである。」

「アメリカ史のすべてを物語るつもりはない。」 (14p)

そんなものは不可能だ、アメリカの数々の正しい行いは、教科書でもよんでくれといっている。それらは図書館などにあふれているから。

「むしろ私たちは、アメリカが犯した過ちに目を向け、アメリカが自らの使命の背いたと思える事例にスポットライトを当てたい」 (14p)

 「21世紀に足を踏み入れてまもない今なら、その誤りを正す時間がまだ残されていると信じるからだ。」(14p)

「近年、アメリカはイスラム国家三カ国を交戦したほか、少なくとも六カ国をのイスラム国家で無人機を使い、狙いを定めた暗殺としかいいようのない攻撃を加えた。アメリカの政策がそうした方向に向かったことを私たちは深く憂えている。」 (14p)

「なぜ私たちの国はその数千カ所以上とも言われる軍事基地を世界各地に築いているのか」(14p)

「なぜアメリカ一国だけでほかの国々をすべて合わせたほどの巨額の軍事費を使っているのか。」(14p)

「なぜアメリカ先進国のなかで最も貧富の差が大きいのか。」(14-15p)

「なぜこれほど少数の人々(現在300人とも500人とも2000人とも言われる)が世界の貧困層30億人を合わせたよりも多くの富を手にしているのか。」(15p)

「大多数のアメリカ人が徐々に実権を奪われ、その生活水準が下がっているなか、アメリカの内政、外交、メディアのあり方を一握りの富める者が左右する状態がどうして許されるのか」(15p)

などなど、あげれば、きりがないが、どうして豊かで、民主主義国家を自認するアメリカが上のような問題を抱えているのだろうか。

「なぜこの国では私利私欲に突き動かされた人間が権力を与えられ、優しさ、寛容、思いやり、分かち合い、共感、共同体作りといった美徳を重んじて、他者を尊ぶ人の上に君臨しているのか、今の社会で通用している価値観や、現在の政策によって、決まるのではない未来、いうなればより良い未来を大多数のアメリカ人がなかなか思い描けなくなってしまったのはどうしてなのか。」 (15p)

「すべての問いに答えを出すのは無理としても、読者がこうしたテーマを、自分で掘り下げていけるように、材料となる歴史的背景を示せればと思う」 (15p)

負の意味としてのアメリカの歴史とともに

「努力を傾けた集団や個人にも光を当てるつもりだ。」 (15p)

「1821年7月4日、ジョン・クインシーアダムズ大統領 は イギリスの植民地主義を厳しく非難し、・・・・アメリカは「退治すべき怪物を探し求めて外国にいくようなことはしない」と宣言」 (15p) さもないと「解放者としての一線を越えて、利権と策謀が絡む戦争や、個人の貪欲や羨望や野心が起こす戦争にことごとく関わることになる。そうした戦争は自由の名を騙り、自由のうわべを装っているにすぎない。アメリカの政策の基本原理がいつのまにか解放から抑圧に変わってしまう」。そうすれば「世界の独裁者となっても、もはや建国の精神に忠実な国家とは言えなくなる」 と 警鐘を鳴らした」 (15-16p)

20世紀から現代までのアメリカ史に焦点をあてていて、アメリカの建国それ以前にある、先住民との戦争や、さらに戦争により獲得・膨張することになっていく、「アメリカ国内」という観念をどうとらえるか、ということは、また別個の著作が必要となるだろう。ここでは、さまざな限界はあるが、アメリカ建国して間もない1821年にアダムズ大統領が「退治すべき怪物を探し求めて外国にいくようなことはしない」 それは利権と策謀がからむ戦争・抑圧であると言っていたことを記憶しておこう。今から約200年も前のことばであることにも。

 

この項続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 



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