讃岐うどんやラーメン食べ歩きと、旅のブログ

讃岐うどんの食べ歩きが好きです。また国内・海外問わず旅が好きなので、ぼちぼち書いていこうと思います。

ELEKIT「TU-8200R」のドライバ管(12AU7)を(12BH7A)に交換してみました⇒NGでした。

2023-05-31 20:00:00 | 無線・ラジオ・家電・パソコン

 こないだ、ELEKITの6L6GCシングルアンプの製作記事を書いたのだが、保守用の球をどうしようかと考えていた。基本の6L6GCは、KT88やKT66、6CA7などには挿し替えが可能なのだが、いかんせん高価な球である。真空管は寿命があるので、いつかは交換の時期がくるだろう。予備の球が欲しいところであります。

 ドライバは、JJエレクトロニック社のECC82(12AU7)を2本使っています。なんとか手持ちの球で挿し替えができないかということで、実験してみました。

 ↓オリジナルのECC82(12AU7)


 この12A〇7という球は、12AT7/12AU7/12AX7というファミリーがあり同一ピンアサインなのだが、u(増幅率)やgm(相互コンダクタンス)などが異なるので、基本的にはそのまま挿し替えはできません。(回路によっては動作する場合もあるかとは思いますが)

 【参考】ざっくりですが
 u(ミュー):12AX7>12AT7>12AU7
 gm:12AT7>12AU7>12AX7

 12AU7のところに12AX7を挿すと、増幅率が高すぎるので発振する恐れがあります。逆だとゲイン不足になるかもです。

 いろいろと調べていたら、12BH7Aも同一ピンアサインということが分かりました。12BH7Aという球は、昔の白黒TVの垂直出力・発振回路などに多用されていたので、数本手持ちがあります。ピンアサインは同一ですが、12BH7Aの方が高さがあります。

 高さがあるということは、プレートが物理的に大きいので、プレート損失が12AU7より大きくなります。電気的特性を調べてみたら、uは12AU7より少し大きい程度で12AT7以下です。gmは、ほぼ同一値です。

 Ih(ヒーター電流)を調べます。12BH7A(0.6A)>12AU7(0.3A)で、大きな12BH7Aの方が電気を食います。(但し6.3V点火時の値)
 
 TU-8200Rの電源トランスは、6V・4Aの能力があります。
 6L6GCは、Ih=0.9Aです。合計すると、(0.9x2)+(0.6x2)=3A<4Aなので、12BH7Aに挿し替えが出来そうです。⇒〇
 出力管をKT88に変更したら、Ih=1.6Aなので(1.6x2)+(0.6x2)=4.4A>4Aなので挿し替え不可となります。⇒✖
  〃  6CA7(EL34)に変更したら、Ih=1.5Aなので、(1.5x2)+(0.6x2)=4.2A>4Aなので挿し替え不可となります。⇒✖
  〃  6V6に変更したら、Ih=0.45Aなので、(0.45x2)+(0.6x2)=2.1A<4Aなので挿し替え可能です。⇒〇

【考察】
・ピンアサインは同一なので、12BH7Aを挿したからと言って基板を壊すことはないだろう。
・6L6GCを使う限り、ヒーター電流に余裕がある。
・挿し替えて、異常な音が出た場合(または無音の場合)は、すぐに電源を落とす。
・万一、壊したら自分で修理する。(覚悟が必要)

 挿し替えました。メーカーは、1本は東芝ですが、もう片方は印字が消えていてメーカー不明です。(多少内部構造が異なるので、多分東芝製ではない)


 問題なく音が出ました。12BH7Aはペアチューブではありませんが、左右のバランスは良いです。
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 動作しているかなと思ったら、数分後に音がフェードアウトしていきました。ぶちっと切れる感じではありません。12BH7Aのヒーターが2本とも点灯していません。あー、やっちまったかなと思い、電源SWをOFFにしました。

 ヒーターが切れたかと思いテスターでチェックしました。
・4-5 導通OK
・4-9及び5-9 導通OK (9番はヒーターの中点) ヒーター切れは起こしていません。

 再度セットしてみた所、音は出ますが同様に数分でヒーターが落ちます。他の12BH7Aでも同様の現象です。12AU7に戻したら動作したので、回路は壊していませんでした。

 ヒーター回路を見てみると6L6GCは交流点火で、12AU7はブリッジダイオードを介して直流点火しています。トランスの6V出力は規定値内ですが、別々の回路を通っているのでドライバ段のヒーター電流増加が影響しているのかもしれません。単に合計電流が規定値以下なので大丈夫と踏んだのは間違いだったようです。

【結論】
 継続的に使えません。ダメだったということも重要なので、記事は残しておきます。

 参考資料:誠文堂新光社実用真空管ハンドブック
      CQ出版社 真空管ハンドブック
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 手持ちは、NEC製12AU7と、フィリップス社製のJAN6189W(12AU7の高信頼管)が1本ずつあります。


 せっかくなので交換してみます。国やメーカーによって型番は異なりますが、どれも12AU7と同一規格なので差し替え可能なはずです。やってみましょう。

 左:NECの12AU7  右:フィリップス社のJAN6189W


 メーカーが異なるので電極の構造が若干異なりますが、左右のバランスを含めて違和感はありませんし、音の変化も感じられません。どちらも十分に使えます。

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2 コメント

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Unknown (かいちょうだべさ)
2023-05-31 20:51:15
興味深い記事でした。
私も真空管アンプに手を出したいのですが、やはり球切れしたときのことを考えると躊躇します。

かなり昔は5球スーパーキットとか作りましたが、その時は球切れなんて考えもしませんでした。

今であれば切れた時の探す方法、そしてコストなどが気になってしまいます。

最も私の好きな音はワイドレンジでシンバル等も濁りが無く余韻が空間に抜けていくような音なので、真空管だとちょっと無理なんですね。

でもジジイだからなのかノスタルジアを求めてしまうのです。

それと半導体の話しなのですが、半導体の寿命は様々な意見がありますが、これは!というものはないそうで、多くの専門家、物理学者の意見では高電圧、放射線や高温に晒されない限り、ほぼ半永久的と言って良いそうです。

偶発的な故障は別として、その半導体を使った機器の半導体以外での寿命より遥かに長いそうです。


またほぼ同時に知ったのですが、発電所の発電機(同期発電機、誘導発電機共に)は回転子側にスリップリングという回転する電極が付いていて、それにブラシを擦りつけて電流のやり取りをするのですが、あまりこのブラシ部分も一般の整流子電動機のような保守はしないそうです。

発電を止めなくてはならないという理由もありますが、とんでもなく信頼性が高い設計なので、完全に発電機がぶっ壊れるか、発電所が閉鎖になるまで発電機は「埋め殺し」だそうです。

ENIACなんかは数分に一本真空管が壊れていたなんて話しもありましたね。
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真空管アンプ (ブログ主)
2023-05-31 23:27:21
真空管には寿命があるので、予備の球をどうするかというのは考えないといけませんね。オーディオ用の真空管は値上がりしているので、手持ちのTV球が使えたらいいなと思って実験したものです。

 昔のENIAKは真空管を大量に使っていたので、動作時間よりメンテナンスの時間の方が長かったんじゃないかと思いますよね。発電所の話は知識がありませんが、それだけの高信頼性のものが作れる技術は凄いと思います。

 記事は毎日20時に自動でアップされますが、しばらく旅に出ますのでコメントの返信が遅れる場合がありますがご容赦下さい。

 
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