「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和五年(2023)2月20日(月曜日)
通巻第7646号
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イスラエルがガス輸出国になっていた! 原油埋蔵も確認、発掘がつづく
「アブラハム合意」に匹敵する「海上国境協定」をレバノンと締結
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イスラエルには資源がないとされた。
2009年ごろから地中海の海底油田の試掘が米国企業を中心に進み、タマル油田、タニン油田、カリシェ油田。そして最大620億バーレルの埋蔵が予測されるリバイアサン油田の稼働が本格化してきた。
イスラエルはエネルギーの自給が可能となった。これにより産油国との関係が劇的に変わった。2020年8月にトランプ大統領の仲介で「アブラハム合意」をUAEと締結、バーレーンも加わった。エジプト、ヨルダンとの和平合意はそれ以前に成立しており、22年10月26日にレバノンとの間で海上国境協定が締結された。
イスラエル沖合の海底油田からは三本のパイプラインが敷設されており、一部はエジプトへ輸出され、さらにヨーロッパへ再輸出される。
近未来に、この欧州への輸出が軌道に乗ると、エネルギー貿易が黒字化する。
ほかにイスラエルに陸揚げされる石油とガスは南のエイラートへ既存のパイプラインを修理すれば運送が可能になり、35万トン級のタンカーで将来的にはスエズ運河を越えて南アジアへのルートも検討されているという。
イスラエル国内ではネゲブ砂漠の北に膨大なシェールガス埋蔵も確認されている。かくしてイスラエルがガス輸出国に。追加の原油埋蔵も確認、発掘がつづく。地中海の海域はEEZが入り組んでおり関与国は、エジプト、レバノン、トルコ、そしてキプロスとの海の鉱区の区割りが政治課題だった。
令和五年(2023)2月20日(月曜日)
通巻第7646号
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イスラエルがガス輸出国になっていた! 原油埋蔵も確認、発掘がつづく
「アブラハム合意」に匹敵する「海上国境協定」をレバノンと締結
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イスラエルには資源がないとされた。
2009年ごろから地中海の海底油田の試掘が米国企業を中心に進み、タマル油田、タニン油田、カリシェ油田。そして最大620億バーレルの埋蔵が予測されるリバイアサン油田の稼働が本格化してきた。
イスラエルはエネルギーの自給が可能となった。これにより産油国との関係が劇的に変わった。2020年8月にトランプ大統領の仲介で「アブラハム合意」をUAEと締結、バーレーンも加わった。エジプト、ヨルダンとの和平合意はそれ以前に成立しており、22年10月26日にレバノンとの間で海上国境協定が締結された。
イスラエル沖合の海底油田からは三本のパイプラインが敷設されており、一部はエジプトへ輸出され、さらにヨーロッパへ再輸出される。
近未来に、この欧州への輸出が軌道に乗ると、エネルギー貿易が黒字化する。
ほかにイスラエルに陸揚げされる石油とガスは南のエイラートへ既存のパイプラインを修理すれば運送が可能になり、35万トン級のタンカーで将来的にはスエズ運河を越えて南アジアへのルートも検討されているという。
イスラエル国内ではネゲブ砂漠の北に膨大なシェールガス埋蔵も確認されている。かくしてイスラエルがガス輸出国に。追加の原油埋蔵も確認、発掘がつづく。地中海の海域はEEZが入り組んでおり関与国は、エジプト、レバノン、トルコ、そしてキプロスとの海の鉱区の区割りが政治課題だった。