沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

AC 論説 No.905 マーララーゴ別荘の家宅捜査

2022-08-14 21:08:06 | 日記
AC通信 No.905 (2022/08/12)
AC 論説 No.905 マーララーゴ別荘の家宅捜査

月曜日8日に起きた、FBIのトランプのフロリダにあるマーララーゴ別荘の家宅捜査事件は共和党議員
けでなく、一部の民主党員や大半の国民の大きな反感を買って、捜査令状にサインしたガーランド司法
長官とレイFBI 長官が厳しい批判に晒されている。

マーララーゴ捜査の目的はガーランドが署名した捜査令状の内容が公開されていないので、FBIはどんな
資料を探しているのかが不明だった。今日までにわかったことは司法部、FBIはトランプがホワイトハウ
スから持ち出した機密資料を保持していた疑いであると言う。
後述するがこの疑いは左翼メディアの報道でその後少しづつ変わっていく。

機密資料を押収するだけならFBIが30人の武装人員を使ってマーララーゴに入る必要はない。しかもFBI
は別荘の人々や、トランプの法律顧問をみんな屋外に追い出して捜査した上に監視カメラをストップす
るように要求した。そのようにして9時間も密室捜査を続け、メラニア夫人の衣裳室や金庫をこじ開け
て捜査したのは、明らかな越権行為である。つまり今回の捜査は2024年のトランプ再選を阻止するため
「中立であるべき司法部とFBIが」Deep State民主党を助ける「法を政治闘争の武器にした違法」である。

30人もの装警察を動員した家宅捜査でFBIは何を探していたのか?捜査令状をみればFBIが何を探して
いるのかわかるはずである。捜査令状を公開しなかったので批判が相次いだ挙句、木曜日の記者会見で
ガーランド司法長官は彼が令状にサインしたことを認め、マーララーゴの捜査にサインしたフロリダ法
院のラインハルト裁判官に捜査令状の内容公開を求めた。ガーランド氏が令状にサインしたなら彼が公
開すべきなのにラインハルト氏に公開を求めたのは明らかな責任回避であると言える。

ラインハルト氏は令状の公開はトランプ氏の同意が必要であると答えた。トランプは「私は捜査に全面
的に協力してきた。令状の公開にも協力する」と述べた。明らかに司法部長は責任を回避したがってい
る、ラインハルト氏も責任の蹴り回しをしている。

FBIの大規模捜査の理由はなにか、何を探しているのか、捜査令状を書くための証拠は何だったのか。こ
の記事を書いている金曜日までに分かったことをできるだけわかりやすく書いてみる。
トランプがホワイトハウスを去った時に多くの資料をマーララーゴに移送した。それで国家資料保全局
(National Archives Record Administration)のDavid Ferriero局長(今年4月に引退)がトランプに資料の
返還を求めたので、トランプは今年2月に15箱の資料をアーカイブに返還したが一部の資料はまだ返し
ていなかった。するとFerriero氏はトランプが返還していない資料があると国会監察委員会(House
Oversight Committee)に報告したのである。

明らかにFerriero氏は反トランプだから機密資料を隠している疑いを報告したのである。過去にヒラリー
が大量に機密資料を保存してしかも中国のハッカーに盗まれた時は報告していないし、ハンターバイデ
ンがのパソコンにも機密資料があったのは誰でも知っていることだがFerrerio氏は報告していない。それ
はともかくガーランド司法部長はこの報告を理由にトランプの別荘を捜査する令状にサインしたのであ
るとされる。

それでは今回のマーララーゴ別荘の家宅捜査でどんな機密を捜査し押収したかが問題になる。
トランプはNARAの返還要求を受けたあと、今年2月に15箱の資料を返還したが、一部はまだ別荘に
残っていた。NARAの人員はトランプの別荘に資料を保存するのは安全に疑問があると言ったので、トラ
ンプ側は別荘の資料庫に新たに二つの鍵をつけたと言う。

今回の家宅捜査では資料庫の新しくつけた二つの鍵を壊して12箱の資料を押収したと言う。しかし令状
に書いていった捜査の目的が機密資料を探すことならどうしてメラニア夫人の衣裳室やトランプの金庫
(中は空だったそうである)までこじ開けて捜査したのは明らかに行き過ぎである。しかもFBIの人員は
別荘の人々を外に追い出して延々9時間も密室捜査を続けたのである。

トランプは捜査令状をもらっているので司法部が何を探していたか分かっている。しかし家宅捜査で司
法部が押収した資料は令状に明記した資料の他、例えば噂に上がっているJan6事件の資料をトランプ降
ろしに使うことはできないと言われている。トランプが核機密に関する資料を隠し持っていたと言う報
道もあったが、トランプはこれを一笑に付した。

今朝のワシントンタイムス最新情報によるとFBIは11セットの機密資料を押収したそうである。この事件
はこれからも新しいニュースが出るに違いないが、要するに民主党と司法部、FBIが違法に結託してトラ
ンプの再選を阻もうとしているのである。

ここまで書いていたら新しいニュースが入って来た
The Hillの報道によると、トランプのマーララーゴ別荘の家宅捜査令状には「スパイ活動法違反の可能性
及びその他(Possible violations of the Espionage Act and other laws)」が捜査の目的だと書いてあった。
2時間前の最新情報だが、この令状には証人や証拠の陳述が欠けているように思われるので、今日から
新争論の大発展になるのは間違いないだろう。



「台湾の声」【浅野和生】李登輝元総統ご逝去満2年に想う 日台関係100年を賀す台湾 叶わなかった安倍元首相の墓参

2022-08-14 21:05:54 | 日記
【浅野和生】李登輝元総統ご逝去満2年に想う

日台関係100年を賀す台湾
叶わなかった安倍元首相の墓参

              平成国際大学副学長 浅野 和生

 来る9月29日、日中国交正常化の半面として日本が台湾との公式の国交を失ってから50年の節目を迎える。

 去る7月24日、日本李登輝友の会が「日台関係の50年―何を失い何を得たのか―」と題する講演会を開催したが、開会冒頭の祝辞において台湾の謝長廷駐日代表は、今年はいわゆる「日中国交正常化50年」だが、台湾においては、日台関係「百周年」の祝賀式典が開催されていると紹介した。

例えば、昨年5月8日には八田與一の烏山頭ダムと嘉南《かなん》大圳《たいしゅう》完成100年の、そして今年7月23日には、台湾最南端の屏東に鳥居信平が建設した二峰圳《にほうしゅう》の竣工100年の記念式典が行われた。さらに10月には台南の水道開業100年、成功高校(元・台北州立第二中学校)や新竹高校(元・新竹州立新竹中学校)の開校100周年行事が予定されている。

<<「まさかの友は真の友」>>

つまり台湾は、日本が50年にわたる台湾統治の間に残した各種の施設について、植民地支配の忌むべき遺物として抹消するのではなく、台湾100年の歴史の賀すべき成果としているのである。

 ところで、1999年9月21日の台湾・集集大地震、2011年3月11日の東日本大震災、そして16年2月の台南地震とそのすぐ後、4月の熊本大地震に際して、日本から台湾へ、あるいは台湾から日本へ、即座に救援・支援の人々と支援物資、支援金が送られた。さらに20年、新型コロナウイルス感染拡大の最中、医療・衛生機器等が不足した日本に、台湾はマスクばかりでなく酸素濃縮器1000台とパルスオキシメーター1万台などを提供した。すると21年、ワクチンの入手に困難を来した台湾に、日本は、計340万回分を超えるワクチンを供与した。このように、「まさかの友は真の友」を自然のうちに演じているのが今日の日台関係である。

 そこには確かに、1895年から1945年まで50年間の歴史を共有した事実、100年を超えて行き交う人と人の縁、そして恩義と報恩の連鎖という、日台ならではの温かい繋《つな》がりがある。

 しかし、45年以後、蒋介石と蒋経国時代の台湾は、今日と同じ台湾ではなかった。当時の台湾は、中国から台湾に移転した国民党による一党支配、中華民国権威主義体制下にあった。

 蒋介石の国民党政府は、外交上は日本との友好関係を尊重して、岸信介首相が57年3月に訪台した際には、岸・蒋介石会談で良好な関係を演出した。しかし、台湾の内部では、日本映画の上映が禁じられ、学校では反日教育が行われていた。これは中華民国=中国を自任していた国民党一党支配下で、自国の歴史として5000年の中国史を、自国の地理として中国地理を教育して、台湾の歴史や地理が軽視されていたことと軌を一にしている。

 しかし88年1月に李登輝政権がスタートして、90年代になると中華民国は中国であることを辞め、台湾であることを受け容《い》れるようになった。92年末には、立法院(国会に相当)に蟠踞《ばんきょ》していた、48年に中国各地で選出され改選されずに老齢化した立法委員が一掃され、台湾での総選挙で選出された議員に置き換えられた。さらに96年以後、総統も台湾住民のみによる直接選挙で選出されるようになった。また、その選挙には国民党以外の多くの政党が参入して、賑《にぎ》やかな選挙戦が展開されたが、これ以後、定期的に改選されている。さらに90年代半ばから、台湾の学校教育は「台湾化」され、反日教育もなくなった。

 <<台湾を取り戻した総統>>

 つまり今日、日台100年の関係を寿《ことほ》ぐことができるのは、李登輝総統が、「中華民国=中国」という虚構を取り去って、「台湾を取り戻す」ことに成功したからである。先に列挙した日台相互の支援関係は、これ以後のことである。

 本欄4月12日に記したごとく、本来なら7月30日の李登輝総統の3回目の命日に、安部元首相に訪台、墓参していただき、日本が台湾と手を携えて東アジアの平和と安定の礎になることを誓っていただきたかった。しかし、今は叶《かな》わぬ夢となり果てた。二人の冥福を祈るとともに、日台双方において、二人の卓越した指導者の遺志を継ぐ政治家が簇生《そうせい》せんことを願う。<<(あさの・かずお)>>



--
台湾の声