沖縄・台湾友の会

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鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2022年8月25日号) *岸田内閣の致命的失敗

2022-08-25 23:09:45 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2022年8月25日号)
*岸田内閣の致命的失敗
 岸田内閣の支持率が急落した。安倍政権は岩盤保守層に支えられて長期政権を実現したのだが、岸田内閣の対中姿勢に失望した岩盤保守層はとうに岸田内閣を見限っている。岸田内閣の今までの高支持率はリベラル層によるものだが、そのリベラル層に見放されては、岸田内閣に未来はない。

 もちろん、2025年までは国政選挙はないだろうから、それまでは政権を維持できる。しかし、「モリ・カケ・桜」で3年以上、安倍政権を叩き続けた野党は、今後、「旧統一教会」で岸田内閣を3年叩き続けるだろう。岩盤保守層の支持なき岸田内閣が支持率を回復できる見込みはない。
 この状況は1990年代前半の宮沢内閣を彷彿させる。当時の宮沢喜一首相は宏池会であり、岸田総理の先輩に当たる。宮沢政権は対韓姿勢で岩盤保守層の支持を失い、政治改革の失敗でリベラル層の支持を失い崩壊した。30年以上続いた自民党単独政権はここで終わった。
代わって成立したのは野党であった8党が連立した細川政権である。だが1994年、第1次北朝鮮危機に対応できず8ヶ月で政権は崩壊した。当時の米クリントン政権は核開発を開始した北朝鮮を空爆しようとして日本に協力を求めたのだが、細川首相つづく羽田首相は怖気づいて二人とも敵前逃亡したのである。

 おかげで米国は空爆を諦め、事実上、北朝鮮の核開発を容認せざるを得なくなった。これが第1次米朝合意だが、もし、このとき日本が米国に協力して空爆が実現していれば、東アジアの情勢は現在とは、まったく違っていただろう。
 岸田内閣は2025年の参議院選挙つづく衆議院選挙で大敗する公算が高く、そうなれば野党が連立して政権を担うことになろう。だが2026年に中国は台湾に武力侵攻するだろうと私を含めて軍事専門家は分析している。

 1994年当時と同様に米国は日本に協力を求めるだろうが、やはり当時と同様に連立政権は崩壊してしまう公算が極めて高い。そうなれば米国は中国の武力侵攻を容認せざるを得なくなり、最終的には在日・在韓米軍の撤退に追い込まれるだろう。東アジアは日本を含めて動乱の巷(ちまた)となろう。
 27日土曜日21時から、「鍛冶俊樹の軍事トークライヴ」を伽藍みーTUBEでライヴ配信する。本号のテーマを含めて昨今の国際・国内情勢について気楽な形で質問にお答えする。下記をクリック
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ソロモン諸島にふたたび「反中暴動」の兆し   ソガバレ親中政権のチャイナ利権に民衆は退陣要求

2022-08-25 23:07:21 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和四年(2022)8月25日(木曜日)
       通巻第7439号  
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 ソロモン諸島にふたたび「反中暴動」の兆し
  ソガバレ親中政権のチャイナ利権に民衆は退陣要求
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 ソロモン諸島にまた剣呑な空気が漂ってきた。
住民の中国への反感、その利権と繋がる政権の腐敗は、モルディブで、スリランカで、大統領を退陣に追い込んだ。
ソロモンでは2021年11月にソガバレ首相の退陣をもとめたデモが暴動に発展し、チャイナタウンが放火され、三人が犠牲となった。

 治安回復のため豪が緊急部隊を派遣した。
直後から米国が異常な関心を示し、22年四月にカート・キャンベル(元国務次官補、バイデン政権で印度太平洋調整官)を急派、また豪も代表団を送り込んで経済開発に協力を約束した。米国はハリス副大統領をオンライン会議に登壇させて、「ソロモンの首都に米国大使館を復活する」と発言させた。

この一連の米豪の動き、中国の南太平洋攪乱外交に対抗策を講ずるための政治工作に急傾斜していた。
米国と豪にとってソロモン諸島のツラギ島が深刻な問題である。
この港湾、空港は戦争中に日本が建設し、後日、米軍が大規模に拡充した。付近の海域では大東亜戦争で激戦となって多くの軍艦、浅薄が沈んだままとなっている。そのツバル島の土地をソガバレ政権は中国企業に77年の租借権を与えた。
こうした一連のソガバレ政権は南太平洋海域における安全保障にとって深刻な脅威になり得る。

ところが、鉄面皮の中国は反中暴動に関してソガバレに抗議し、治安維持のため警察の装備品や警官を訓練する部隊を送り込んだ。米豪の神経を逆撫でした。


 ▲ソロモン諸島随所にファーウェイの中継基地局を設置へ

8月22日には、中国輸出入銀行があらたに6600万ドルのローンを供与するとした。これはソロモン諸島全域をつなぐ携帯電話網構築のため、華為技術(ファーウェイ)が161ヶ所に中継基地を建設する費用だ。
何のことはない、ソロモンの通信網をファーウェイが独占するための融資ではないか。契約内容は20年のローンで、半分の80基地は2023年の太平洋協議会開催に間に合わせるというもの。

 五月にクアッド会議が東京で開催され、バイデン米大統領も来日した。同じ日に王毅外相は南太平洋諸国8ヶ国の歴訪に出かけた。重点としたのが、このソロモン群島とパプアニューギニア、そしてフィジーだった。王毅はフィジーでサモアなど、訪問できない遠方の島嶼国首脳ともオンライン会議を開き、前向きの経済開発発展への寄与を述べた。中国の南太平洋への援助額は当該の島嶼国家群すべてのGDPを凌駕するほどの規模である。

 米豪の裏庭である南太平洋へ中国の取り組みは2006年に温家宝首相訪問から開始され、2018年のAPECはパブアニューギニアで開催された。南太平洋でパプアニューギニアは唯一のAPEC加盟国。またASEANのオブザーバーである。
APECには習近平が訪問することとなり、国際会議場は中国が「友好」のために建設し、寄付した。

 日本とは大東亜戦争の戦略上の要衝だった関係から特別の関係があり、安倍首相も現職時代の2014年と2018年APEC会議で訪問している。
 山本五十六元帥搭乗の飛行機が撃墜されたのはラバウルに近いブーゲンビル。椰子の実が主食の現地人は、いまやスマホを持っている。精霊信仰が強く、草むらの一部には零戦の残骸がいまも残っている。

 筆者もパプアニューギニアを取材する機会があった。中国の鳴り物入りで寄付した国際会議場は中国語で書かれており、また習近平が宿泊した豪華ホテルの入り口には中華門がそのまま残っていた。
ホテル側に聞くと「APEC会議中、全館を中国に貸し切った。このため中華門建設を会議終了後撤去という条件で認めたが、そのまま。何回言っても知らん顔で、「これじゃ中国資本のホテルと誤解される」と不満を口にした。

 習近平パプアニューギニア訪問に前後して、ソロモンの台湾との断交がなされ、いまでは南太平洋14ケ国のうち、台湾と外交関係があるのはパラオ、ナウル、ツバル、マーシャル群島の四ヶ国となった。

しかし中国利権にからんで政権が腐敗するのはスリランカ、ネパール、パキスタン、カンボジア、ラオス、モルディブほかで、おなじみである。やがてソロモンでも民衆の怒りを買って暴動に発展するだろう。


 ▲熱波、干ばつ、山火事、電力供給中断、各地で悲鳴

 中国は熱波、摂氏45度。干ばつ、山火事。上海につづき四川省でも電力供給が中断した。
何しろ長江が干上がり、四川省は電力の八割が水力発電だから、悲鳴。工場がとまっている。テスラも日本の自動車工場も操業停止だ。

とくに重慶には台湾のパソコン工場が集中し、本多やいすゞの組み立て工場もある。重慶は計画停電の無期延期を発表している。

こうした状況を適格にとらえて、中国経済の先行きがくらいと予測するのは誰あろう、華為技術(ファーウェイの創始者)である。
 ファーウェイ創業者の任正非は「内部メモ」で経済予測に厳しい見通しを述べ、「世界が景気後退に向かっているため会社の存続に集中し、希望的観測を放棄するように」としたメモを内輪のスタッフに回覧していたが、これがリークされ、中国のSNSで拡散している。