沖縄・台湾友の会

《台湾に興味のある方》《台湾を愛する方》《不治の病・台湾病を患ってしまった方》皆んなで色々語り合いたいものです。

何でいまごろ? ロシア、自国民避難のためカブールに輸送機   タリバン政権は機能しておらず、ISのテロで治安も深刻に悪化

2021-11-19 14:17:34 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月20日(土曜日)
通巻第7122号  <前日発行>
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 何でいまごろ? ロシア、自国民避難のためカブールに輸送機
  タリバン政権は機能しておらず、ISのテロで治安も深刻に悪化
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 11月18日、プーチン大統領はショイグ国防相に対し、アフガニスタン・イスラム共和国の領土から、ロシア連邦とCSTO加盟国(ベラルーシ、キルギス、アルメニア)の人々の避難を命じた。
 ロシアは航空宇宙軍の輸送機3機をアフガニスタンに飛ばした。カブールなどに残留していたロシア人380人を避難させるためである。

 カブール陥落から三ヶ月、自信を持ってロシアはアフガニスタンに残留させていたのではなかったか。

 経過を思い起こせば、8月15日にタリバンはカブールを包囲した。米軍の予測よりタリバンの攻勢は迅速だった。在カブールの米国大使館に陸続とヘリコプターが着陸、外交官が機密文書を慌ただしく処分した。
 アフガン内務省はガニー大統領が国外に脱出したことを確認した。
 米国の傀儡だったガニー政権は崩壊したが、アフマド・マスードらはパンジシール渓谷に健在で降伏の意思を示さなかった。

 9月11日、撤退完了予定を前倒しして、米軍は8月30日にアフガニスタンからの撤退作戦を終えた。翌日、バイデン大統領は国民向けの演説で戦争終結を宣言。即座にタリバンは勝利を宣言した。

 けっきょく、アフガニスタンでの死者は17万1,000~17万4,000人に及び、加えて疫病、食糧不足、水の欠乏などによる間接的死者の数は不明である。

 加えて260万人のアフガニスタン人が難民としてパキスタンやイランに逃れている。一説には、このほかに400万人のアフガニスタン人が国内難民となっているという。

 ロシアは医療品や食糧などを往路の航空機に詰め込んで、おそらくそのバーターでロシア人避難をタリバン政権に認めさせたのではないか。というのも、タリバンの統治能力に限界があり、ISがテロを繰り返して以前より治安は悪化しているからだ。おまけにアルカィーダは不気味な沈黙を続けている。


鍛冶俊樹の軍事ジャーナル (2021年11月19日号) *対中包囲網の瓦解

2021-11-19 14:16:07 | 日記
鍛冶俊樹の軍事ジャーナル
(2021年11月19日号)
*対中包囲網の瓦解
 15日の米中首脳会談の最重要課題は中国の核軍拡であった。台湾やウィグル人権も議題に上ったのは間違いないが、米国が中国と喫緊に話し合わなければならない問題は中国の核兵器の増強問題である。
 3月に米軍の偵察衛星は中国が砂漠地帯に数百基ものICBMサイロを建設し始めたのを発見した。これらが完成すれば米国は中国の核ミサイルの脅威に日々おびえて暮らさなくてはならなくなる。

 米ソ冷戦期の米国はソ連の核軍拡に対して核軍拡で応じてきた。つまり核戦争も辞さずとの姿勢で臨み、ソ連と核兵器軍拡競争を演じてソ連を財政破綻に追い込んだのである。だが今の米国にそんな気力も財力もありはしない。
 もはや気力も体力も衰えた老バイデンは、習近平に核軍拡をやめてくれと、お願いするしかなかったのである。これが今回の米中首脳会談の本質である。そして米国の弱体ぶりを見透かした習近平は、敬老精神のかけらも見せず、傲慢にこれを拒否した。

 侮辱されたと感じたバイデンは報復措置を検討しているとのことだが、その報復措置とは精々(せいぜい)のところ北京オリンピックの外交ボイコットなのだ。外交団は送らないけど選手団は送ると言うのでは、中国はさして痛みを感じないであろう。
 日本では人権侵害法制定が見送りになった。人権侵害法とは、人権侵害に関わった外国当局者に制裁を科す法律で、中国がウィグルやチベット、香港などで行っている人権侵害を牽制する狙いがある。
 欧米ではすでに制定されており、日本にも導入が求められていた。岸田総理も制定に前向きであったのが、突然の方針変更である。日米の首脳ともに対中腰砕けの姿勢を示したことは、対中包囲網の瓦解を象徴するものではあるまいか?


柏陽『みにくい中国人』が絶版に   張香華未亡人が「台湾独立」問題が絡むので絶版を宣言。

2021-11-19 14:10:22 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」 
令和三年(2021)11月19日(金曜日)弐
通巻第7121号
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 柏陽『みにくい中国人』が絶版に
  張香華未亡人が「台湾独立」問題が絡むので絶版を宣言。
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 北京では一時発禁処分となった「名著」は静かにロングセラーを続けてきた。
 柏陽の『みにくい中国人』は日本でも翻訳が出て、かなりのベストセラーとなった(黄文雄氏にも同名の著作がある)。中国人の特性を「汚い、うるさい、乱雑」とし、喧嘩が好きで、自分勝手で、決して団結しない「劣根性」の持主とした(中国語には「根性」という語彙はない)。原作者の柏陽は2008年に死去している。

 中国によく行っていた頃、筆者が逆に中国人に、「日本人とみて何を想像するか」との問いかけに多くの中国人は「トァンジェ(団結)」と答えた。「清潔、静謐、整頓」と答える人はよほどの日本通だった。

 1986年だったと記憶するが、光文社の名物編集者だったF氏から電話があり、「なんとか原文を手に入れたい、すぐに翻訳を出したい」というので、台湾へ国際電話をかけて友人に頼み、送ってもらった。翻訳もチームを組んで短時日にできあがり、日本語版は大いなる評判をとったものだった。

 当時、台湾の出版界でも画期的な出来事とされ、中華思想の持主、たとえば作家の李傲などは口を極めて罵った。欧米のチャイナタウン、シンガポール、香港などの書店でもベストセラー入りしたため、中国でも後年、発行が許可された。

 未亡人の張香華は、「書名が中国の侮辱に用いられる恐れがある」と理由をあげ、とくに『醜い中国人』を台湾の中学1年生向け教科書に採用される話を拒否したと語った。台湾の版元=遠流出版社、中国の版元=人民文学出版社との契約が満了となる2024年をもって絶版とする。

バイデン、習近平オンライン会談は3時間以上も費やして成果ゼロ    世界はバイデンの無能をみた。習近平の高笑いが聞こえないか?

2021-11-19 14:09:12 | 日記
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和三年(2021)11月19日(金曜日)
通巻第7120号
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 バイデン、習近平オンライン会談は3時間以上も費やして成果ゼロ
   世界はバイデンの無能をみた。習近平の高笑いが聞こえないか?
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 米中首脳会談(オンライン)は物わかりに終わったが、中国側はテレビ取材を許可し、外交首脳が雁首を揃えるなど、バイデンとの会談を重要視していたことが鮮明となった。
 なかでも習近平は台湾問題に絞り込み、独立の動きがあれば直接行動を採るなどと脅した。米国は現状を一方的に変更する試みには反対だとするに留めた。

 新彊ウイグル自治区におけるジェノサイド、人権抑圧に関して中国は「内政干渉」として聞く耳を持たない姿勢であり、いったいこれでは何のための話し合いなのか、外交筋が疑問視した。バイデンがいかに無能かを世界は思い知らされた。

 中国は、11月16日になって11日に採択されていた六全中会における歴史決議のコミュニケ全文を発表した。
 個人崇拝禁止項目が消えていたうえ、集団指導体制という文言も記載されていないことが分かった。

 そのうえで、キーワードの登場頻度をみると、トウ小平を評価しているかに見せかけているが、下記のように静かに評価を逆転させている。江沢民、胡錦涛より頻度が少ない。また習近平の登場回数は毛沢東を超えているのも、習近平増長慢の極みだ。

 毛沢東と並ぶなどと僭越な歴史認識もさりながら、これでは習近平独裁を是認し、習理論なるものが広く同意されたかのようである。
 改革開放の否定であり、中国的マルクス主義の肯定という文脈で、じつに時代錯誤と言わざるを得ないだろう。中国は何を血迷ったのか。

歴史決議コミュニケにおける歴代指導者とキーワードの頻度
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 指導者  回数  キーワード        頻度
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毛沢東   18  毛沢東思想         7
トウ小平   6  トウ小平理論        3
江沢民    1  三つの代表論        4
胡錦涛    1  科学的発展観        4
習近平   22  新時代の中国の特色ある   8
           社会主義思想