農業県熊本。
都市部から少し車を走らせると田畑が広がり、更に車を進めるとそこには、
苔むした石を積み上げた段々畑や棚田があちらことらに見られます。

ここは熊本県山都町大字下市です。
『通潤橋の棚田』です。
通潤橋と白糸台地一帯の棚田景観は、国の重要文化的景観に選定されている。
高さ20メートル、長さ75メートルもあり、江戸時代に造られた石橋としては
アーチの直径ならびに全体の高さは国内最大である。

通潤橋の橋の上です。
通潤橋は人を渡す橋ではなく、橋の上に石造パイプを3列並べた通水管を通し、
水を渡す水路橋です。
放水する理由は通路に溜まった土砂などを流し、通路が詰まらないように
するためだったが、今は観光目的も大きくなっている。
尚、放水の料金は1万円/回です。

通潤橋から約4km離れた通潤用水の取水口付近に円形分水があります。
笹原川にあるこの取水口は、通潤用水単独のものではなく、
野尻・笹原地区へ送る用水の取水口の役割も果たしていました。
このため、両者に送る用水の水量を、水田の面積に応じて公平に分けるために
円形分水法として設置されました。
干ばつのときには水をめぐる争いがあったそうですが、これができて全く解決されたそうです。
通潤橋は、遠くから橋の姿を眺めただけで、橋の上まで行かなかったですが、写真を拝見すると興味深い装置がほどこされていたとは、残念なことをしました。