泉区生活支援ネットワーク

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障害者雇用代行急増(「河北新報」2面)

2023年01月12日 | 就労・生活自立
(「河北新報」令和5年1月10日付け記事より引用)
「働く場創出」に疑念
法定率買うようなもの 企業の意識改革求める

 近年、各地に広がる貸農園での障害者雇用「代行」ビジネス。実施事業者は「障害者の働く場を創出」とうたい、企業は法定雇用率を達成できるというメリットがある。一方、企業の拠点とは離れた農園に障害者が集められ、実際に働いた人からは「一日の大半が休憩時間だった」との証言も。農作業は本業とは関係なく、作物も販売しないという手法には「ビジネス事業者にお金を払い、雇用率を買うようなもの」と疑問が投げかけられている。 (1面に関連記事)
  「一貫サポート」
 「雇用創出を通じて、ノーマライゼーション社会を実現」「農園を活用したSDGS(持統可能な開発目標)」。貸農園での障害者雇用を支援する事業者最大手の「エスプールプラス」はPR資料でこう訴える。

 同社は2010年にこの事業をスタート。首都圏や愛知、大阪で30力所以上の農園を運営し、昨年10月末時点で利用企業は約500社、働く障害者は約3,000人に上る。

 農園の多くは広い敷地にビニールハウスが並び、利用企業ごとに区画を分けて主に野菜を栽培。農作物は子ども食堂や社員食堂で活用されることもあるが、大半は福利厚生として利用企業の社員に無料で配ったり、障害者が持ち帰ったりする。

 利用する大手金融グループの担当者は「農作業が特性に合う障害者もいて、野菜を食べた社長からの感謝の言葉で喜んでいる。

 一般社員が農園で一緒に作業する研修も実施しており、『心のバリアフリー』に役立っている」と意義を強調。
 「社員が定期的に農園を訪れており、「代行』とか「雇用率を奠っている」という批判は当たらない」と話す。障害者への給与は農産物ではなく、研修の機会を提供してもらっていることへの対価だ」と説明した。

 ただエス社の企業向け資科では「人材発掘から層用継続アドバイスまで一貫サポート」を掲げ、「企業負担100%削減」との言葉も見られた。

 大半が休憩時間
 「仕事はとにかく楽だった」。
 6年ほど前エス社の農園で働いたことがある千葉県内の50代男性は振り返る。発達障害があり、エス社の募集広告を見て応募。届用元はエス社に決められ、
都内の機械メーカーだった。
 水やりや収穫などの仕事はすぐに終わってしまい、大半が休憩時間だったという。自身への月給約11万円とは別に、企葉が人材紹介料や農園利用料としてエス社に数百万円以上を払っていることを後に知り「イメージアップのために雇用率をお金で買っていると言われても否定できないのでは」と話す。

 一方、知的障害のある子どもの親からは「障害年金だけでは生活できない。良い話だと思う」との声もあり、評価は分かれる。
エス社に批判への見解を尋ねたが「取材はお断りする」との回答だった。

 障害者雇用に詳しい慶応大学の中島隆信教授は「本来は企業の本業に貢献する形での雇用が好ましく、あるべき姿とは言えない。いくら正当化しても、結局は法定雇用率のクリアが目的であることは明らかだ」と指摘。
 その上で「障害者雇用の質に問題があるケースは代行ビジネスに限らない。多様な人が勦けるよう配慮することは、企槧の成長につながる。企業は「陣害者雇用はコストではなく成長への投資」と意識を変える必要がある」と話している。
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