神取は安田が倒れるのを許さない。なおも強引に腕を捻る。
タッグマッチではないのだが安田は自分コーナーに目をやった。
激痛に朦朧としながらも、四番手に助けを求めたのだ。
そこには冷めた視線を自分に向ける、半田美希の姿があった。
半田美希はジャパン女子に入団以来風間の付き人をしていた。
一年後輩の安田、大沢、斉藤緑等とも仲良くしていた。
しかしどうやら会社は自分ではなく安田を売り出すつもりらしい。
面白く無かった。自分は安田より絶対勝っていると自負していた。
神取に極められ悲鳴をあげる安田を見つめ、半田は溜め息をついた。
こんな奴等に負けられない。この中ではアタシが一番なんだ。
意を決した半田が神取のいるリングに入っていく。
「おい、なんだオマエ!引っ込んでろよ!」
物凄い形相で威嚇する神取に半田は張り手をとばす。
神取は安田を離し、半田ににじり寄る。その顔は正に鬼の形相に変貌している。
「なにやってんだ、緑!お前等も行けよ!」
イーグルが五人目・斉藤緑に激をとばす。
修羅場と化したリング中央では神取に髪の毛をわしづかみにされ、振り回される半田の姿があった。。
安田は続行不可能とアナウンスされ、リング下へ下ろされた。
斉藤緑が意を決しリングにあがった頃には半田はボロボロだった。
半田、斎藤とフォールするまで時間はかからなかった。
しかしリング上で神取は二人をひたすら蹴り続けた。その姿は正に「鬼」そのものだった。
エプロンにしがみつき安田は二人の名前を泣きながら叫んだ。
神取の異常な行動に観客も引き始めていた。
「オイ神取、そんなガキ共相手にしても面白くねぇーだろ!」
場外でイーグル沢井がマイクで精一杯ドスを利かせマイクした。
それは神取に対する合図であった。
「今日の試合、もしもの時は頼むよ、イーグル」
「もしもって・・・神取さん、冗談やめてよぉ、またぁ」
「うん。だからもしもだよ。ホラ、お客にも悪いからさ、ネェ」
「神取さん、前科者だかんね。クックック・・・」
「クククク・・・アレは別に・・・ククク・・・」
イーグルは神取による異常な腕極めに泣き叫ぶ安田を心配していた。
まさか、安田が?そうは思えない、と首をかしげた。
きっと神取の考え過ぎだ。しかし観客がザワつきはじめている。
まだ新しい.LLPW。面倒な内部事情は客には見せたくは無い。
「そろそろアタシが乱入してウヤムヤにしてしまおう」
リングでは完全にキレた神取が半田と斎藤を蹴りまくっている。。
心配いらないからね、と安田に声をかけマイクを握った。
「オイ神取、そんなガキ共相手にしても面白くねぇーだろ!」
神取の足が止まった。イーグルを鋭い目つきで睨みつける。
「何だよ、オマエ!ジョーダンじゃねぇぞぉ、このやろう」
「アタシから逃げてばっかりのくせに、イイ気になってんじゃネェよ!」
「ああ!やったろうじゃネェかよ!ふざけんなこのヤロウ!」
突如始まった乱闘に観客はさっきまでの異常な光景を忘れていった
タッグマッチではないのだが安田は自分コーナーに目をやった。
激痛に朦朧としながらも、四番手に助けを求めたのだ。
そこには冷めた視線を自分に向ける、半田美希の姿があった。
半田美希はジャパン女子に入団以来風間の付き人をしていた。
一年後輩の安田、大沢、斉藤緑等とも仲良くしていた。
しかしどうやら会社は自分ではなく安田を売り出すつもりらしい。
面白く無かった。自分は安田より絶対勝っていると自負していた。
神取に極められ悲鳴をあげる安田を見つめ、半田は溜め息をついた。
こんな奴等に負けられない。この中ではアタシが一番なんだ。
意を決した半田が神取のいるリングに入っていく。
「おい、なんだオマエ!引っ込んでろよ!」
物凄い形相で威嚇する神取に半田は張り手をとばす。
神取は安田を離し、半田ににじり寄る。その顔は正に鬼の形相に変貌している。
「なにやってんだ、緑!お前等も行けよ!」
イーグルが五人目・斉藤緑に激をとばす。
修羅場と化したリング中央では神取に髪の毛をわしづかみにされ、振り回される半田の姿があった。。
安田は続行不可能とアナウンスされ、リング下へ下ろされた。
斉藤緑が意を決しリングにあがった頃には半田はボロボロだった。
半田、斎藤とフォールするまで時間はかからなかった。
しかしリング上で神取は二人をひたすら蹴り続けた。その姿は正に「鬼」そのものだった。
エプロンにしがみつき安田は二人の名前を泣きながら叫んだ。
神取の異常な行動に観客も引き始めていた。
「オイ神取、そんなガキ共相手にしても面白くねぇーだろ!」
場外でイーグル沢井がマイクで精一杯ドスを利かせマイクした。
それは神取に対する合図であった。
「今日の試合、もしもの時は頼むよ、イーグル」
「もしもって・・・神取さん、冗談やめてよぉ、またぁ」
「うん。だからもしもだよ。ホラ、お客にも悪いからさ、ネェ」
「神取さん、前科者だかんね。クックック・・・」
「クククク・・・アレは別に・・・ククク・・・」
イーグルは神取による異常な腕極めに泣き叫ぶ安田を心配していた。
まさか、安田が?そうは思えない、と首をかしげた。
きっと神取の考え過ぎだ。しかし観客がザワつきはじめている。
まだ新しい.LLPW。面倒な内部事情は客には見せたくは無い。
「そろそろアタシが乱入してウヤムヤにしてしまおう」
リングでは完全にキレた神取が半田と斎藤を蹴りまくっている。。
心配いらないからね、と安田に声をかけマイクを握った。
「オイ神取、そんなガキ共相手にしても面白くねぇーだろ!」
神取の足が止まった。イーグルを鋭い目つきで睨みつける。
「何だよ、オマエ!ジョーダンじゃねぇぞぉ、このやろう」
「アタシから逃げてばっかりのくせに、イイ気になってんじゃネェよ!」
「ああ!やったろうじゃネェかよ!ふざけんなこのヤロウ!」
突如始まった乱闘に観客はさっきまでの異常な光景を忘れていった