いしころにっき

石原石子の日記です

ホーム

2010-05-19 01:25:35 | 知らないひと
今朝稽古にいく途中
電車が駅について
扉がひらくと
非常ベルが鳴っていました。
ホームを見ると
頭を中心とした
血溜まりのなか
女の人が

じっと

うごかず

たおれていました。


男の人が
怒鳴りながら
救急車か警察か
携帯電話でさけんでいました。
駅員さんもまだいないところをみると
直後
だったようです。

ほぼ死体となった女の人は
見ているだけで
そのずっしりとした重さがつたわります。

血は溜まり
つつと流れ


鮮血


という単語は
まさにこれから生まれたのかと
私はおもいました。


しばらくすると
駅員も駆けつけ
電車に放送がはいりました。


ホームにて電車に人が接触したため・・・



人が接触



言葉だけきくと
ずいぶん軽いことのようにおもえました。

10分ほどして
電車はでました。



同日 夜



稽古がおわっての帰り途中
電車の乗り換えで
向かいのホームにつと
歩いていったところ
何人かが線路をみてるので
なにかとおもったら
線路に落ちた男の人を
背広を着た若い男の人が
ひきずっていました。
落ちた男の人は意識を失っているようです。


電車はもう
見えています。


一瞬
私も飛び降りて
側溝に連れていこうかと
よぎりましたが
電車のスピードと距離を考えたら
私こそ
とおもい踏みとどまりました。

若い男は必死に相手の片腕をひっぱります。
これこそが

命がけ

と呼ぶのだとおもいました。


電車はもう
すぐそこです。


意識を失った男の人の足の甲がまだ
線路の2本の線の片方に取り残されています。



電車はクラクションを

ぷぁん

とひとつ鳴らしました。


お前が来ているのはわかっていることだと
私はおもいました。


あと少し
ひっぱれば

映画なみにきわどいところです。
みたところ
無事だったとおもわれます。


10分ほどして
電車はでました。


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