いしころにっき

石原石子の日記です

はきかえ

2010-05-31 17:08:44 | アルバイト
バイト先ではいているズボンが
そろそろ臭くなってきたので
新しいのと取り替えました。


従業員用のクリーニングした制服置き場があり
そこからひとつ
ちょうどよいサイズを
見つけて現在はいています。



それから数日



ズボンのチャックが
どうも閉めづらく
どうしてなのだろうと
不思議におもっていました。

そこで昨日になって
私は気づいたことがひとつ

チャックにかぶさっている布が
いつもと逆向きでした。
私は


これは女性用か


と、納得しました。


それならばいたしかたないので
不都合ながら
臭くなるまで女性用ズボンを
はいていようと
おもいました。

昌美のバイト先の彼女

2010-05-29 01:19:02 | 知らないひと
昌美のバイト先の同輩の女の人が
今月いっぱいで辞めるそうです。

同輩の彼女は
芸人をめざしているそうです。


同輩の彼女は
お笑いライブの次の日は
休みたがります。
バイトの出勤を
交代してほしいとのメールがきて
昌美がオーケイの返信をしても
同輩の彼女からの返信はきません。


一事が万事
天真爛漫な対応をみせる
同輩の彼女がこのバイト開始から
二ヶ月を経て
ついに
辞めます。



辞めるにあたって
大阪にいるお父さんが
たおれたらしく
実家に帰らなくてはならないそうです。


つまづいてたおれたのか
しおらしくたおれたのか
お金を拾おうとしてたおれたのか


どのようにしておたおれになったのか
そのたおれ方は知りませんが
お父さんは大阪で
道頓堀とかある大阪で
おたおれになったそうです。


昌美は同輩の彼女のいままでの行状をかんがみて
秘密裏に調査をおこなったらしく
私に報告することには


同輩の彼女がお父さんを看にいく期間に
東京でそこらへんのお笑いライブに
出演することが判明したようです。



どうやら同輩の彼女は


東京から大阪でおたおれになっているお父さんに
笑いを届けたいようです。


たくましく生きていってほしいものです。



そんな彼女は
ついせんだって
昌美が代わりに出勤できないと知って
たおれたお父さんをおいて
大阪から
一日だけ
出勤すると言ってきたそうです。
一日働いて7000円ほど
しかも
バイトがいらないくらい暇な会社へ
大阪のお父さんをおいて
申し訳ないから
一日だけ
出勤すると言ってきたそうです。


どうやら

お笑いライブはなくなったようです。


たくましく生きてほしい
たくましく
たくましく

生きているのだと

おもいました。

外れ

2010-05-25 09:49:47 | 山の手事情社のなか
山の手事情社公演のオイディプス
そろそろ海外出発です。
台本読みから約一ヶ月ちょっと
真美さんはずっと


外れ落ち


という台詞を


ハガレオチ


と言っていたのですが
昨日
とうとう



ハズレオチ



と言えるようになりました。
私はプロンプという台詞のチェックをしていて
真美さんにはちょこちょこと言っていました。

じつは台本読みのときから
字をおいながらでも


ハガレオチ


と言っていたあの真美さんが


ハズレオチ


と言えるようになりました。
私はなんだかとても


さびしい


です。
やはり


ハガレオチ


と言ってこそ真美さんなのに
それが楽しみだったのに


まことに残念です。


今日はまた


ハガレてほしいとおもいながら
稽古場にむかう私です。

真美さんは憂いている

2010-05-21 00:10:48 | 山の手事情社のなか
真美さんが
斉木さんに
髪を掴まれたとき


痛い


と声がもれました。


今回のオイディプス劇では
男たちは皆
女の髪を掴みます。
そして乱暴に扱うアクションが
ふんだんにおりまぜてあります。


しばらくまえの
真美さんの稽古場日誌に

斉木さんの
手加減なしの扱いに
おびえている

といったようなことが
書かれておりました。

私は読者向けに
半分冗談なのかと
おもっていたのですが


このまえの稽古のときに
真美さんの頭髪を掴んだ斉木さんに
安田さんが


それじゃあ気絶させているのがわからない


と言いました。
斉木さんは

わかりました

と答えました。
髪を掴まれた真美さんは


痛くしないでください・・・


か細く
控えめに
主張しました。


真美さんは真剣に
怯えています。
その怯えは本物でした。


いま書いておもったのですが
字面だけみると
なんだかエロイ気がします。


けれどそんなことはありません。


真美さんは本気で怯えているのです。


斉木さんが相方になってしまった以上
それはいたしかたないことなのです。


痛い


今日もその言葉をきいて
本番がおわるまで


保てばよいなぁ


と私はおもいました。

ホーム

2010-05-19 01:25:35 | 知らないひと
今朝稽古にいく途中
電車が駅について
扉がひらくと
非常ベルが鳴っていました。
ホームを見ると
頭を中心とした
血溜まりのなか
女の人が

じっと

うごかず

たおれていました。


男の人が
怒鳴りながら
救急車か警察か
携帯電話でさけんでいました。
駅員さんもまだいないところをみると
直後
だったようです。

ほぼ死体となった女の人は
見ているだけで
そのずっしりとした重さがつたわります。

血は溜まり
つつと流れ


鮮血


という単語は
まさにこれから生まれたのかと
私はおもいました。


しばらくすると
駅員も駆けつけ
電車に放送がはいりました。


ホームにて電車に人が接触したため・・・



人が接触



言葉だけきくと
ずいぶん軽いことのようにおもえました。

10分ほどして
電車はでました。



同日 夜



稽古がおわっての帰り途中
電車の乗り換えで
向かいのホームにつと
歩いていったところ
何人かが線路をみてるので
なにかとおもったら
線路に落ちた男の人を
背広を着た若い男の人が
ひきずっていました。
落ちた男の人は意識を失っているようです。


電車はもう
見えています。


一瞬
私も飛び降りて
側溝に連れていこうかと
よぎりましたが
電車のスピードと距離を考えたら
私こそ
とおもい踏みとどまりました。

若い男は必死に相手の片腕をひっぱります。
これこそが

命がけ

と呼ぶのだとおもいました。


電車はもう
すぐそこです。


意識を失った男の人の足の甲がまだ
線路の2本の線の片方に取り残されています。



電車はクラクションを

ぷぁん

とひとつ鳴らしました。


お前が来ているのはわかっていることだと
私はおもいました。


あと少し
ひっぱれば

映画なみにきわどいところです。
みたところ
無事だったとおもわれます。


10分ほどして
電車はでました。

若年寄り

2010-05-14 23:50:29 | 山の手事情社のなか
昨日、若手稽古の進行を
私がしました。

滑舌のときです。
言う順番を

一番年上から

と言ったら


一番の年長は


私でした。


一番下っ端が
一番年上でございます。


不憫です。


そのような私は


おととい


誕生の日をむかえ
ますます
年をとったばかりの
ぴちぴちの
年上の若手ということでございます。

一期一会

2010-05-12 00:08:25 | 山の手事情社のなか
稽古がおわると
毎回全員集まって

話があるひとー

といった感じで
帰りの会のようなものがはじまります。


今日は
海外に渡航する際のことが
少し話にでました。


公演がおわってから2日間は
残りの演劇祭の作品を観るための期間で
通訳さんはいなくなるので
誰か英語をできる人はいないかと
安田さんからの質問がありました。


そこで淳子さんがまず名乗りをあげて


真美がしゃべれる


と言いました。
淳子さんはしゃべれないらしいです。
真美さんは


いや、あたしは、ちょっと、


と煮えきらない返答をしていると
川村さんが


山本さんがしゃべれますよ。フランス語。


そこで山本さん


ウィ


めずらしく山本さんがノリました。


つまり
英語をしゃべれる人は誰もいません。


それでも

なんとかなる

という話がでたのですが
安田さんが危惧しているのは

例えば

帰る際の空港までの時間や
タクシーの乗り方など
そういったことが通じるか

ということでした。


淳子さんは身ぶり手ぶりで
なんとかなる

そこまでは難しいと

浦さんは日本語で通じるよと


適当な人たちです。


そしてまた


なんとかなる


で話は終着しないままおわりました。
私はこのとき黙ってきいていたのですが


この人たちは日本に帰ってこれないかもしれない


そう思いました。


でも、

ま、いっか


とも
思いました。

昌美のコーヒーゼリー

2010-05-10 01:23:41 | まさみ
ある日
冷蔵庫のなかに
コーヒーゼリーが三つありました。


私は
いつか
食卓にだされるものと思い
そっとしておきました。


それから数日


一つ
なくなっていました。



食べたのか


私はおもいました。



さらに数日が過ぎ

また

一つ


このままでは
三つめが消えるのも
時間の問題かと
私は悶々としていました。


ところが


三つめのコーヒーゼリーは
幾日か過ぎても
なくなりません。


これは私のためにとってあるのだろうか
どうなのか
私は考えてしまいました。


それから
ある夜に


デザートが食べたいと


私が言うと


バニライスがのった
コーヒーゼリーがだされました。



どうやら
私のコーヒーゼリーでよいみたいでした。

しかも
バニラアイス付きです。

ほんのちょっと
レベルアップしています。

さらに
バニラアイスが多すぎて
コーヒーゼリーの存在が消えかけていました。

でも

おいしかったです。

春爛漫と王狂乱

2010-05-07 00:41:27 | 知らないひと
稽古にいくため
私は電車に乗ります。


山手線の電車の一番はじっこに
乗りましたら
一組のカップルが
かどっちょで
抱擁して
チューしてました。


私はオイディプスを読みながら
横目をつかって
ちょっとだけ見やります。
オイディプスは自分のお母さんと
抱擁して
チューして
夜をいっしょに
ごそごそすごして

こんちくしょー

と血の涙をながしては
走ったり
叫んだり
臨界点を突破しようとしています。


するとそこへ
すすすーっと
もう一組カップルがやってきて
抱擁して
チューしはじめました。


私は


春だもんなぁ


とおもいました。



麻由美ちゃんライブにつき

2010-05-06 01:00:35 | 山の手事情社のなか
五月五日

今年の子供の日は

くやしい日です。




私は
山の手事情社の研修をおえたら
入団はしないつもりでいました。

研修終了公演の最終日
麻由美ちゃんのライブの
チケット発売日でした。
私は当然のことながら
当日は余裕がなく
その日は買えませんでした。

ところが次の日に

ダメ元で買いにいったら
チケットが残っていました。

私は


やったー



それはもう
容赦なく喜びました。


それもつかのま


私は山の手事情社に入団していまいました。


五月五日
子供の日


そして


小島麻由美のライブの日


終日稽古に突入しています。


どんな嘘をついてでも
稽古を休もうと
考え
悩み
恨み
つらみ
しましたが
稽古にいきました。


私はなんて正直者なのだろうと
おもいました。


麻由美ちゃんデイのこの日


私は稽古でした。
私は稽古でした。
私は受け身とかしていました。


次は


七月三日に


ライブがあるそうです。



この日だけは


私は劇団員ではないだろうと
おもいます。