冬になったら

とある日に
実家に帰ると火鉢が三つ
テラスにおいてありました。
それを見た昌美が


火鉢ほしかったのー


と。


いつからほしがっていた


私はおもいました。
冬になったら使いたいらしいので
とりあえずもらってきましたが
安アパートで火鉢をくすぶらせてよいものか。
疑問は残ります。
が、昌美はまったく気にもしていないようなので
「冬に火鉢」にのっかることにしました。


そこで火鉢には火鉢用の炭が必要らしいのですが
どんなものがよいかわからず
ちょっとばかりネットで検索したところ
それでもいまいちよくわからないので
昌美曰く


ちょーびんたん


が有名だからそれがよいのじゃないかと
言ってきました。
私は有名なら聞いたことありそうなものだが
とおもってネットを覗くと


備長炭


でした。確かに有名です。


それから数日後
近所で木炭屋さんを発見し
二人でどんなものか見にいきました。
昌美はいつのまに調べたのか

クヌギの木炭はありますか？

とお店のおばあさんに聞きます。
どんな用途で使うのか聞き返され

火鉢用でクヌギがいいようなことを見て
ちょーびんたんでも有名だからそれでもいいのかな

というようなことを昌美が言うと
おばあさんは


ちょーびん・・・？


私はこれはいけないと思って

火鉢用の炭ありますか？

すかさず口をはさみました。
すると火鉢で使うなら
ナラの木炭がよいと教えていただきました。



あーこれで「ちょーびんたん」は守られた



私はホッとひと安心しました。
まだ「ちょーびんたん」のままでいてほしいという願いが
なんとなく、あったのです。
ちなみに
半年前から昌美はコンテンポラリーというカテゴリーのダンスを発見し
私に映像を見せたりするのですが
そのときからいまだに


こんぽんてらりー


という昌美の言語に訳されています。
私はこれもできうるかぎり保存していこうとおもっています。