いしころにっき

石原石子の日記です

発声表

2013-11-30 14:44:40 | 山の手事情社のなか
今月、劇団の稽古場が移転しました。

それはさておき一ヶ月ほど前のことになりますが
旧稽古場での稽古が終焉にむかっているころの若手稽古のお話です。

稽古は発声からはじまります。
人数が多いので二列に並んでまずは全員で。
それから一人一人主宰の安田さんがみていきます。

山の手事情社では基本、坐って発声します。
みんな言葉は覚えているのですが
何か注意点を言われたときに書きこむため
発声表を手元に置いていたりします。
もちろん置かない人もいますが。

さてそこで
安田さんが一人一人みているときに
私は左隣りに坐っている麻里絵さんの発声表をふと見ました。
するとその紙には


田中伸介


と書かれています。
一瞬、麻里絵さんが後輩である田中くんの発声表を
とったのかともおもいましたが
さすがにそれはないだろうとおもいなおし
忘れたのでコピーでもしたのかなーっと
たまたま右隣りに坐っていた田中くんの紙をみました。
すると今度は


高坂祥平


と書かれています。
田中くんは今年入団した後輩である高坂くんの発声表を
コピーしたのでしょうか。
そうなると高坂くんが気になります。
私の左後ろにいるので振り返ってみると


何も持っていません。


私は

ここで連鎖は終わったか

そうおもいました。
それでも何かよくわからないが
私のなかでこれで終わりではつまらないという感情がめばえ
右後ろにいる鯉渕くんの発声表をみました。
軍隊あがりのようなガタイの良い彼はその紙に
ものすごい小さい字で
しかも正方形になるように書きこんでいました。
紙の余白のいたるところに正方形があります。


体に似合わず


私は心のなかでつぶやきました。
四角いのは体と顔だけではありませんでした。

ちなみに穂高さんの紙は縦と横、
十字に切れていてもはや文字を読むことができるのだろうかと
不思議におもうほどです。

みんなそれぞれの使い方が発声表にあらわれています。