いしころにっき

石原石子の日記です

研修生の名前

2011-02-27 01:08:59 | まさみ
昌美が山の手事情社の修了公演を観にきました。


帰りがけ
出演者の研修生の名前を
昌美が口にするのですが


しおり、なつき、あいみ


微妙に名前がちがっています。
正確には


さおり、なつみ、あいか


なのですが


ももか


だけはちゃんと言えています。
それはなぜなのか
私にはよくわかりません。

さて

残りの研修生は男性二人。


ますき と こいぶち


この二人にかんしては
話していていかんともしがたいとおもいました。

しおりとかなつみとか
そういう関係でしたら
誰だか判別はつくのですが
昌美はこの二人を


ますぶち


とおっしゃります。



どっちだ



おもわず言葉がでかかります。
私はあえて話の筋からどちらかを読みとろうと
なぜだか決心してしまいました。


聞いていると


どうやら
そのときどきの話によって


ますぶちは


ますき


だったり


こいぶち


だったり


変化するようです。
さすがにこれはやっかいだとおもい私は


ますぶちとは
ますきとこいぶち
どちらでしょうかと
聞いてしまいました。



今年度の山の手事情社修了公演

2011-02-26 01:06:38 | 山の手事情社のなか
現在進行中の事
山の手事情社研修生による修了公演
ただいままっさいちゅう


私はいちばん下っ端なので
スタッフとしてつねに劇場におります。
たいしたこともせずにただいるだけです。


弁当買ってきてー


と言われれば買います。


道案内に
駅の出口にチラシ持って立っててー


と言われれば立ちます。
下っ端なので。
立ちながら私はコートを忘れたことを後悔します。
下っ端とはいえ。
そうして本番もはじまり15分ほどすぎてから
劇場にもどります。
本番がおわるまで受付で待機です。

ところで
受付と客席の間に扉があります。
防音ではないので
受付にいる劇団員たちは薄暗いなか


しずかに


床に座布団を敷き体育座りのまま
首をうなだれさせ


じっと


というより


じっとり


戦地で負傷した傭兵のように
眠る女子4人。


劇場からきこえる研修生の声と
お客様の笑い声と


対称の


受付


あと4回公演があります。


1回くらいは本番を観たいとおもいました。


道ばたの水筒

2011-02-24 17:17:10 | 考えごと
阿佐ヶ谷の町をあるいていると
電信柱の根元に
フタのない水筒が結わえつけてありました。
そしてそこには


犬 大小用


と書かれた紙がはりついています。

直径5センチほどの的に
果たして犬は大小できるのか

私はその謎にせまるため
水筒のなかを覗きこみました。

たっぷりと水がたまり
タバコの吸い殻が数本ういています。


あるいは水ではなく
犬の小便に
タバコか


ニコチンで黄色くなっているので
判別がむずかしいところです。

目視の結果

大はないようです。
さすがに水筒にいれようとすれば
犬のお尻にささるからでしょう。


水筒に大や小がはいっていたとして
紐をほどいたりなんなり
かえって面倒な気もしますが

御苦労さまですと

心のなかでつぶやいて
私は行き過ぎました。

ナウシカの歌

2011-02-22 00:37:35 | まさみ
私が風呂をあがりました。

もちろん裸です。


それを見た昌美が


裸族だー!


と叫びました。
私はなにをいまさらと思い
ナウシカの例の歌にあわせて



らん らん らん ららら ぞ く♪

らん らん らぞく ♪

らん らん らん ららら ぞ く ♪

らららら ら ぞ く  ♪



声たからかに歌いあげました。



翌日



私が家に帰ると


らん らん らん ららら ぞ く ♪


昌美がくちずさんでいます。


どうやら昌美の脳裏に残ったようです。


私は背負っていたバックを置き
コートをぬいで
手を洗い
うがいをして


聴きながしました。

ネーミングのニュアンス

2011-02-19 00:37:56 | まさみ
寒くなると
布団をかぶったときに
肩にできる隙間から
寒気がはいりこむため
昌美は
シャーロック・ホームズが
着ている外套の肩の
ひらひらのようなものを装着します。

私がそれをはじめてみたときに


シャーロック・ホームズみたい


と言ったのがきっかけで
その衣装を昌美は


ホームズ


と言ったものですが
2~3日経つと


ワトソン


にかわっていました。
それ以来ずっと
ワトソンと言いつづけていたところ
せんだって
ワトソンくんを装着し忘れて
布団にはいり
昌美は迂闊とばかりに



コロンボ



とおっしゃりました。


半分ねむりかけていた私は


だんだんホームズから遠ざかっていく。


そうおもいながら眠りにつきました。

くぐもった歌

2011-02-08 22:25:04 | あれこれ
畳六畳分くらいしか
スペースのない
小さな古本屋に入りました。


すると


かすかにきこえる歌。
どこか聴き覚えのある歌でした。

くぐもってはいるが
よくよくきいてみると
数日前に歌唱教室でならった歌です。


はて
こんなところで
ずいぶんとマニアックな


とおもっていると
先生の声らしきものも
うっすらときこえます。

言葉ははっきりとはききとれませんが
おそらく先生の声です。


いったいどこからきこえてくるのか
スピーカーを探してみます。
なにせ小さな古本屋さんです。
ざぁっとみまわして
ないことがすぐにわかります。


音のでどころはどこなのか。


店のおじさんの顔をチラッとみても
同じ教室通っている顔ではありません。


壁を通して
録音した音を誰かきいているのか
耳をこらし
目をこらし
探しあてようと
心のなかは必死です。


くぐもった歌と声がもどかしいことこのうえなく
ついにはお店のおじさんに尋ねることを
決心しました。



そうして



いまきこえている歌って
どこからながしているんですか


おじさんは


歌?


ときき返します。


そうです。
この

ラララ♪スキップ~♪

ってのです。


おじさんはまるで知らないようで
なにを言ってるんだコイツは
といった表情見て私は気づいたのです。


私のバックの中で


ラララ♪スキップ~♪





ながれていることに。


私ははずかしいとおもいました。


すみません


と言って急いででていきました。
外にでた私は録音機の音を止め
ホールドをして


あーーーー!!


と軽く叫びました。



昨日の稽古で
安田さんが

恰好いいっていうのは何だ

と言って

ダサイを考えれば恰好いいもわかってくるかも

と述べていたことを
いま思い出した次第です。


まさに


古本屋の私は


ダサイです。

山の手事情社発声隊

2011-02-03 23:09:02 | 山の手事情社のなか
山の手事情社でも
当然ですが
発声の稽古をします。


そしてそれぞれに



というものがあります。


川村さんは
人差し指を差しながら
くるくる手をまわします。

斉木さんは
腕を組んだり
長袖をまくったり
でも落ちてくるので
またまくったり
何度でもまくりまくります。
けっして留めることはしません。


そうして

このまえの台本読みのときに
私が出番のおおい役のセリフを読んでいると
だんだん手がまわりはじめ
さらに
人差し指をも差しはじめました。


これか!!
川村さんのくるくる人差し指は!!


私は感に堪えませんでした。



さて
発声にもどります。


浦さんの顔をみると
高い声をだすときに
マユゲがものすごい高さまでハネあがります。

ハイ!
ロウ!
ハイ!ハイ!
キープ・・・
ロウ!!

上がって下がってまた上がって
この上下運動の激しさは
並ではありません。

得体の知れないマユゲです。


浦さんの表情をあらためて見てみます。

下唇はひっこめ
目はやけに細目になり
好々爺のようです。

発声において
どこが新たな境地に達しているのやも知れぬと
おもいながら
声よりも顔をみている私でした。