一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

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「ストーンウォール・ジャクソン」のこと

2006-04-16 10:43:38 | Book Review
CSS "Stonewall Jackson"

前回、明治新政府の手に入ってとりあえず「甲鉄」と呼ばれた「ストーンウォール」について触れた。
そこで、今回は、この「ストーンウォール」と紛らわしい「ストーンウォール・ジャクソン」のこと。

「ストーンウォール・ジャクソン」なることばは、元々は南北戦争における南軍の将軍トーマス・ジョナサン・ジャクソン(Thomas Jonathan Jackson, 1824 - 63) のあだ名。ブル・ランの戦いで勇名を馳せ、「(石壁のように)挫けることのない勇気」の持主ということで、この名を奉られたと言う。

さて、その将軍の名を持つ艦艇は、トン数は不明であるが、艦体の両脇にある外輪で推進する蒸気艦。1862年に南軍の河川防衛艦隊に編入された。
艦の種類としては、「コットン装甲衝角艦」"cotton-clad ram" ということになる。
"cotton-clad" というのは綿を詰めた梱を圧縮して、2枚のオーク厚板の間に入れて装甲とするもの。これでも榴弾の破片や、小銃弾ぐらいは防ぐことができるだろう。

衝角艦(ram) というのは、19世紀半ばに水上戦で最も有効であると考えられた「衝角突撃法」を行なうため、艦首水線下に、多くは鋳鉄製の衝角(これも "ram" という)を設置した艦。
この衝角を敵艦の横腹にぶつけて穴をあけ、撃沈させようというのが「衝角突撃法」。

1862年4月、ミシシッピ川の通航を制しようと起こった「ハンプトンローズの海戦」で、「ストーンウォール・ジャクソン」は北軍の砲艦「ヴァルナ」
"Varuna" を沈めたが、北軍艦隊に追いつめられ自焼した。