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インパナトーレとミルキィウェイ

2006年05月31日 | アパレル放談
日本の下請工場の現状と将来は厳しいものがありますが、この会社の取り組みは下請けメーカーの一つの行き方として参考になるので紹介します。

IFI学長の尾原蓉子氏が提唱されています。
尾原蓉子学長は3年程前に「OEM・ODM・OBM」を提唱されました。
OEMは産業の用語として定着していますが、ODMとOBMは多分先生の造語と推察します。
先生は下請けのOEMからオリジナルデザインを付加して提案型のODMになる事を提唱されて、発展的にオリジナルブランドを展開するOBMになることを勧められています。

ミルキィウェイ㈱はこの下請け工場の自立策を自ら実践されています。
IFIで学んだものでなく長年の経験(下積みの苦労)と顧客志向の感覚で実践されているようにお見受けします。
いわゆる実学から生まれたようです。

ミルキィウエイの生産は中国で行なっています。
前は韓国での生産を行なっていましたが、数年前から中国山東省の威海に工場を移設しました。
韓国の機能を全部中国に移すのではなく、韓国を素材や副資材の調達のバイイングオフィスとして活用しています。
中国で調達できない韓国の素材や副資材を韓国のバイイングオフィスが調達と管理を行なっています。
韓国の素材と副資材を活用し中国縫製のいわゆる韓中生産です。
ここまでは韓国のメーカーが何処でもやっている内容ですが、ミルキィウェイは違います。
日本の国内営業と企画提案を行なう機能が大阪の本社に完備されている事です。
最近のアパレルの多くは、企画のアウトソーシング化が多い。

特にカット&ソーは季節商品的な要素があり、特にその傾向が強い。
ミルキィウェイのデザイナーが提案用サンプルや得意先からの依頼のサンプル作成を行なっています。
韓国にもデザイナーがおり協業しています。

国内営業は本社で行なっており、カット&ソーのベテランの営業部長がこれを支えています。

日本、韓国と中国のそれぞれの機能を効果的につなぐのは、本来商社の機能ですが、実務的に1社で代行できる点に優位性があります。
問題となる、品質管理や納期管理、素材管理やデザイン提案などの煩雑な作業が一本化できる意味でメリットは大きい。
山下喜美榮社長の15年以上の工場経営の経験を生かして、中国の管理と指導を自ら行なっています。
大きいのは経験だけでなく、女性特有のファッションセンスを生かした物つくりのスタンスが他と異なるところと思います。

現在は関西中心の営業ですが、東京への展開も考えています。
社長の山下喜美榮さんは日本、韓国、中国を飛び回っていますが案外東京近すぎと感じているかも知れません。

原料《韓国)、加工《中国)、ソフト《日本)のそれぞれの強みを生かした仕組に興味を持っていましたが、ミルキィウェイはこれに取り組んでいました。

そういった縁で㈱インパナトーレ窪添も業務のサポートを行なっています。

山下社長のもう一つの夢はODMからOBMへ展開することです。
OBMは尾原学長もおっしゃっているように「顧客が求める商品を造れるデザイナーが必要です」

山下社長の近いところに、そのデザインソースがありました。

少女が描いた一枚の「絵」からブランドが誕生する事になります。
それがBlankie Nu-Nu(ブランキ ヌ-ヌ)のBrandingです。
そのブランド誕生の奮闘記を書いてみます。   以下次回・・・・




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