この前、俳優の山本太郎さんが、トーク番組に出演して、お母さんと仲がいいという話の流れで、オセロの松嶋さんが、
「でも、それってマザコンになりませんか?」というような趣旨の発言をしたのに対して、山本さんが真剣な面持ちで、
「それは言葉の解釈によりますよね・・・でも自分の親を大事にして何が悪いんですか? 安っぽい言葉ですよ。」
といきなり返していました。
あれは面白かったですね。空気を読むも何もあったもんじゃなくて、怒ってる感じでした。
いきなり、「安っぽい」とまで言われた松嶋さんも、そこまで深いニュアンスはなかったとは思いますが、ま、正論ですね。確かに安っぽい。
ここで大きな時代の流れについて私なりに分析すると・・・
戦前⇒家制度の下、家族関係は、うざいくらいの緊密さを持っていた。
戦後~バブル期⇒家制度がなくなり、個人主義の下、人々は家から解放されて自由になって経済活動にまい進した。親の子に対する存在感は薄くなっていった。この時代には、「親を大切にする」ことは、ある意味非効率な馴れ合いの世界に安住しているようなニュアンスとして取られることもあり、この時代に「マザコン」という言葉が定着することになる。
バブル崩壊~現在に至る期間⇒高度成長期に家族の絆が失われたことの深刻な影響が全国的に現れ始めた。そのため、家族の絆の価値を見直そうという動きが起き、若い世代にも、実は身を粉にして家族のために頑張ってきた親の世代の苦労を理解しリスペクトする動きが現れ始めている。
というような分析を前提とするならば、松嶋さんは、上記ではむしろ古い流れに属しているという分析ができなくもありません。
現在山本さん33歳、松嶋さん36歳。
日本のバブルが崩壊した1991年に、松嶋さんは20歳、山本さんは17歳でした。
たった一つの事例では何ともいえませんが、この3歳の年の差が、2人の意識の違いに多少なりとも影響している可能性というのはあるかもしれません。
私の周りをよく観察していると、ここらへんの年齢を境に、日本人のキャラクターはマクロ的に見てかなり変化しているんですよね。
いいとか悪いとかの話ではなしに、現在の34~5歳より上の人には、考え方が甘めで、夢見がちな人が多く、それより下の人には、物の見方が厳しく、現実的な人が多いように思います。
もちろん一般的傾向の話です。
他にも、前者には自動車に関心がある人が多く、後者にはそれが少ない、とか、いろいろな差異があり、分析すると面白いです。