イランに対するアメリカ政府の「再制裁」は機能していない。
アメリカ支配層による一極支配と戦っているロシアや中国は勿論、トルコやインドもイランと石油取引を継続する意思を示していたが、
イラクや韓国、そしてアメリカの属国である日本もイランから石油を輸入し続けているようだ。
ドナルド・トランプ米大統領は今年(2018年)8月、イランに対する「再制裁」を11月5日から実施するように命令していた。
こうした状況を受け、ドナルド・トランプ政権は中国、インド、トルコ、韓国、日本のほか、ギリシャ、イタリア、台湾の8カ国が
「一時的に」イランから石油を買うことを認めたという。
「6カ月の猶予期間」を設けたというのだが、そうしなければアメリカの命令を支配下の国も無視したことになってしまい、自分たちの支配力が低下していることを宣伝することになるからだろう。
いわばダメージコントロール。
この8カ国がアメリカの命令に従ってイランからの石油輸入を止めたなら、1バーレルあたり100ドルは突破すると見る人が少なくなかった。
サウジアラビアなどが増産に応じたとしてもカバーしきれず、相場は100ドルを遙かに上回るとみる人もいた。
そのサウジアラビアに対し、トランプ政権は今年(2018年)9月末までにロッキード・マーチン製のTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムの購入を決めるように求めていたが、確約は得られなかった。
それどころか、昨年10月にロシアを訪問したサウジアラビアのサルマン国王はロシア製の防空システムS-400を購入することで合意したと伝えられている。
性能面でTHAADより優れているS-400を選ぶことは当然だが、そうしたことをされるとドルを回収できず、ドルを発行する特権で世界を支配するという仕組みが揺らぐ。
トランプ大統領は10月2日、ミシシッピー州で開かれた集会で、サウジアラビアの現体制はアメリカの保護がなければ2週間で潰れると同国のサルマン国王に対して警告したと語っている。
サウジアラビアに自立の動きがあったのかもしれない。
その10月2日、サウジアラビアの支配体制を揺るがす事件が引き起こされた。
トルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館へ入ったジャマル・カショーギが行方不明になったのだ。
領事館で殺されたとトルコ政府は明らかにして事件が表面化、後にそれをサウジアラビア側も認めた。
カショーギはワシントン・ポスト紙のコラムニストだが、若い頃からサウジアラビアやアメリカの情報機関と結びついていた。
この人物を動かしていたタルキ・ファイサル・アル・サウド(タルキ・アル・ファイサル)は1979年からGIP(総合情報庁)の長官を務めていた。
そのポストを離れたのは2001年9月1日、つまり9/11の10日前だ。
ジョージ・W・ブッシュ政権は9/11の実行者をオサマ・ビン・ラディンが率いるアル・カイダ(そうした武装集団は存在しない)だと詳しい調査をせずに断定たが、
タルキ・アル・ファイサルが使っていた若者のひとりがオサマ・ビン・ラディン。この関係からジャマル・カショーギはオサマ・ビン・ラディンと親しい。
カショーギはアブドラ・ビン・アブドラジズ・アル・サウド(アブドラ)国王(2005年8月~15年1月)に批判的だったが、その理由はタルキ・アル・ファイサルがアブドラ国王と仲が悪かったことにある。
国王交代後、2015年4月に皇太子となったのがヒラリー・クリントンと結びついていたホマメド・ビン・ナイェフ。
クリントンは軍需産業や巨大金融資本を後ろ盾にし、漏洩した電子メールによってジョージ・ソロスから政策面で指示を受けていたことが判明している。
ソロスはロスチャイルド金融資本と関係している。
2015年の段階でクリントンが次期大統領に就任することは内定されていたが、その前年にクリントンの親友であるネオコンのビクトリア・ヌランド国務次官補(当時)がウクライナで
ネオ・ナチを使って実行したクーデターがロシアと中国との接近を招いてしまう。
アメリカ支配層にとって戦略上、大きな失態だ。
そして2016年2月、ヘンリー・キッシンジャーがロシアを訪問。
これを見て大統領選の風向きが変わったと考える人が出てきた。
それに対し、
ヒラリー・クリントンの周辺からロシアに対する攻撃的な言動が出てくる。
例えば、クリントンを支援していたマイク・モレル元CIA副長官は2016年8月、ロシア人はイラン人に代償を払わせるべきだと語っている。
司会者のチャーリー・ローズからロシア人とイラン人を殺すという意味かと問われ、その通りだと答えた。
実際、そのころから少なからぬロシアの幹部外交官が死亡、ウラジミル・プーチン露大統領のドライバーも「交通事故死」している。
結局、2016年に行われたアメリカの大統領選挙でヒラリー・クリントンが敗北、ナイェフは皇太子の地位を失い、カショーギはアメリカへ逃れてワシントン・ポスト紙のコラムニストになった。
新たな皇太子に選ばれたのがサルマン国王の息子、モハメド・ビン・サルマンだ。
この人物はドナルド・トランプやイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と親しい。
カショーギ殺害の黒幕はビン・サルマン皇太子だと言われ、皇太子を替える動きもあったのだが、ネタニヤフらは擁護している。
ビン・サルマン批判は沈静化しつつある。
アメリカの支配システムを支えている柱のひとつは基軸通貨としてのドル。
そのドルを支える仕組みのひとつがペトロダラー(石油取引を利用したドルの還流システム)で、その中心にサウジアラビアが存在している。
サウジアラビアが自立することをアメリカ支配層は許さないが、世界規模で見るとアメリカ離れは確実に進んでいる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201811060000/
☆ アメリカの一極支配と ドル支配を くずしたいとするものたちが
アメリカ国内にいる という筋書きは
ぞくぞくします。
ある国 と 国を 支配しているのは
たんに 国境なき 政府を装った ディープステートなら
それらを崩す 倒すことは
アメリカだけではなく 人間の願いです。