「グローバリゼーションと国際競争力」について考えてみたい。まず、次の二つの記事を読んでいただきたい。筆者の意見は次回以降に述べます。
その1、
日本人は要らない、3割カット(NEVADAブログ:2011.06.13)
http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/archives/3796672.html
NECは日本国内にいる海外営業部員の社員(300人)の3割である90人を「今の」日本人から外国人に「切り替える」と発表しています。
日本人から外国人に徐々に変えるとしているもので、今後、あらゆる部署で日本人を削減し、外国人に変えていくことになるはずです。
上場企業の幹部と話しましても今の日本人(特に男性)は働かないと嘆いている事例もあり、ならば働く男性外国人を採用するとなりはじめているのです。
反論はあるかも知れませんが、今の日本人男性はバブル前に比べ明らかに働かなくなっています。
にもかかわらず、給料は高いままであり、これでは世界と競争している企業はたまったものではありません。
今後、世界中の優秀な若者を日本企業が採用し始めれば、日本人男性は行くところがなくなります。
先日、新宿で夜に酔っぱらって大騒ぎしていた立教大学の学生が数十人いましたが(学校名を叫んでいました)、この学生たちが酔っぱらって遊び呆けている間に、世界中の大学生は必死で勉強に励んでいるのです。
日本の大学では入ってしまえばもう大丈夫として、入学早々にコンパ等で飲み会を開き、遊び呆けている学生が多いですが、海外の大学生でそのような大学生はいません。
毎日、物凄い厳しい授業があり、日々勉強していてもとてもおいつけない状態に追い込まれ、寝る時間を惜しんで勉強しているのが海外の大学生です。
徹底的に鍛えられた海外の大学生とぬるま湯に浸った日本の大学生では比較になりません。
今、東大、京大の世界大学ランキングが大幅に落ち込んで来ていますが、東大、京大でこれでは他の大学は一体どうなるでしょうか?
日本人だからと言って今は採用してくれる企業も多いですが、近い将来、社内が英語会話は当たり前になる企業も多く出てきます。
(上記のNECも海外部門では会議では英語となっており、これが徐々に社員の中に拡大していく筈であり、日本語すらまともに話せない新卒者は話になりません)
大学生の就職率が50%、30%以下になるのも時間の問題です。
その2、
企業は外国人新卒にシフト(日経キャリヤカレッジ)
http://college.nikkei.co.jp/trend/hojo/article.aspx?id=MMCCzd000029062011
外国人の新卒者を採用する動きがグローバル企業の間で強まっているようだ。外国人新卒の採用を進めているか、検討している企業の割合は、現地法人を持つ企業では43.9%に達した。
総合人材サービスの「インテリジェンス」グループの、「働く人」と「組織」に関する研究機関「インテリジェンスHITO総合研究所」が発表した「外国人新卒採用に対する企業意識調査」の結果だ。351社の企業に、外国人の新卒採用状況についてアンケート調査を実施した。
外国人の新卒採用を積極的に推進・検討しているか、検討している企業は全体の33.9%となった。現地法人を持たない企業が26.0%だったのに対し、現地法人を持つ企業は43.9%と、17.9ポイントも高く、グローバル企業は外国人採用に積極的である様子がうかがえる。
企業規模別に見ると、企業規模が大きくなるほど、外国人の新卒採用に前向きである傾向が表れた。従業員5000人以上の企業では、78.6%もの企業が積極的に推進または検討していると回答した。
日本人新卒はもういらない?
http://college.nikkei.co.jp/trend/hojo/article.aspx?id=MMCCzd000022112010
国際化の戦力として日本人と外国人のどちらを採用するかという問いに、73.1%の企業が「国籍に関わらず採用」と回答した。
企業がボーダーレスに人材を採用する動きを強めている。国際化の戦力として日本人と外国人のどちらを採用するかという問いに、73.1%の企業が「国籍に関わらず採用」と回答した。
人材紹介会社「ジェイ エイ シー リクルートメント」が実施したグローバル人材採用に関するアンケート調査の結果だ。10月上旬に顧客企業を対象に実施し、日系企業215社、外資系企業73社の計約290社から回答を得た。
外資系企業が国籍にこだわらないのは納得しやすいが、今回の調査では日系企業も72.5%が「国籍に関わらず採用」と答えていて、外資系企業の75.5%に見劣りしない積極姿勢を示した点が注目に値する。
グローバル社員採用時に重視する点を挙げてもらったところ、日本人、外国人ともに「語学力」に次いで、「適応力」「専門性」の3つが重視される結果になった。
では、実際にグローバル人材として採用する(または採用した)外国人の国籍を見ると、トップは「中国」で、47.1%に達した。2位はかなり水を空けられて19.0%の「韓国」だった。日系企業に絞ると、中国が55.4%、韓国が21.7%という結果になり、近隣マーケットを狙った採用戦略が採られている様子がうかがえる。
企業側がこういう姿勢を見せる中、応募する学生にも今までとは異なるアピールが求められそうだ。単にTOEICのスコアを示せば、「国際派」を気取れた時代は終わった。中国の指導者に世代交代が起こり、企業が生産拠点を中国以外に分散する取り組みを急ぐ今、グローバル企業の収益源として重みを増す新興国の政治・経済の動向をきちんと頭に入れておかないと、国際化の戦力すなわち次世代幹部候補と認めてもらいにくい。
「あなたなら我が社の次の戦略的ターゲットをどこの国・地域に置きますか?」。採用面接で飛び出すこんな質問に、相手を納得させられるだけの根拠を持って即答するには、付け焼き刃ではない国際ビジネス感覚を不断に磨いておく必要があるだろう。