JAXVN:
与党内にも慎重論が出ているにも関わらず、菅首相はまたまた独断専行のようです。
「菅氏、TPP参加検討を表明 シンガポール首相との会談で
【ハノイ共同】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議のためベトナムを訪問中の菅直人首相は30日午前、ハノイ市内でシンガポールのリー・シェンロン首相と会談し、加盟国間の貿易、投資を自由化する環太平洋連携協定(TPP)への参加検討を表明した。
リー氏は「自由貿易圏を追求する上で、実際的な方法だ。前向きに考えてほしい」と歓迎の意向を示した。シンガポールは既に加盟している。
リー氏は日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持する考えをあらためて伝えた。
参院選で臆面も無く「日本をギリシャの様にしてはいけない」と言っていた菅首相の事ですから、本当に分かっていない可能性が高いです。残念ながらもとんでもない人物が日本の首相になってしまっている、という事なのでしょう。
いかりや:
本来首相になるべきでない人が首相になった菅首相、それに輪をかけた媚米派TPP参加推進派の前原外相・・・多分、アメリカにとって都合のよい人間、小泉純一郎氏と同様に米国御推奨品であり、国民からみればとんでもない食わせ者です。
前原氏は「日本で農業がGDPに占める割合は1.5%」と言っている・・・馬鹿なことを言うんじゃない。これはGDPの問題ではない、食糧安保の側面から見る必要がある(やりようによっては、日本人の失業者たちを救う救世主の役割をも秘めています)。
そもそもFTA (自由貿易協定)があるのに、TPPは屋上屋を重ねるものですよ。TPP 環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定(Trans Pacific Partnership)は、環太平洋戦略的経済と名称だけは格好良くみえますが、「環太平洋」とすることで、日本を周りからとり囲んで取り込むつもりでしょう。TPPはアメリカの謀略と違いますか?
今後中国がどう出るのか知りませんが、中国はアメリカの言いなりではないし、中国の通貨「人民元」は自国の都合のよい為替レートですから、日本とは根本的に異なります。中国は仮にTPPに参加しても、痛くも痒くもない・・・参加して日本封じ込めのために、アメリカと協力してアメリカに恩を売っておくつもりかも?
蛇足:先日(10/18)の蛇足として述べましたが、
中国「人民元」は1970年代1usドル1.5~2元でしたが現在約6.7元(厳密に言えば、本日のレートで6.6715元)・・・「元」はドルに対して当時の四分の一~三分の一以下の超元安。
1970年代当時1人民元は140~160円→現在12.2円である(本日のレート12.05)・・・「人民元」は「円」に対して、当時の十分の一以下の「超々元安」。
日本の「円」は1970年、1us360円→現在81円である。円がいかに不当に高く扱われているかがわかろうというものである。
日本がTPPに参加して、関税障壁撤廃などしたら、日本農業は壊滅的打撃を受け、食料自給率は20%以下ということが現実のものとなるに違いない(農林水産省は国内農業生産が減り、食料自給率が現在の40%から14%に低下すると試算している)。不足する食糧をどこに依存するのですか?益々アメリカに依存することになります。
食料自給率は食糧安保の立場からしても60%くらいは確保しておきたい。この問題は慎重の上にも慎重であらねばならない。万一戦争などの緊急事態の発生が、また気候変動など不測の事態が発生した場合にも備えておく必要がある。蛇足だが、筆者は終戦時10歳だった。終戦直後餓死する人さえ出た、毎日の生活のために親たちが身ぐるみを剥いで食料確保にどれだけ苦労したことかを知っている。
ちなみに、欧米諸国の2005年の食料自給率は、以下の通り(農水省の資料)。
カナダ:160%、フランス:129、ドイツ:85、イタリヤ:70、オランダ:62、イギリス:69、アメリカ:123、日本40。
先進国のなかで、日本のような低い食料自給率は極めて特異な存在である。
シンガポールのリー・シェンロン首相は、菅首相が、「環太平洋連携協定(TPP)への参加検討を表明した」ことを歓迎しているようですが、おまけに言わずもがなの「日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持する考えをあらためて伝えた」というから笑ってしまう。日本の常任理事国入りを阻んでいるのが中国であり、韓国も猛然と反対していることを忘れては困る。リー首相の甘い言葉にだまされてはならない。
JAXVN:
為替についてですが、私は以前から「円高が問題だと言っている人は、なぜ『日本はもっと国債を発行しろ』と言わないのだろうか?」と思っていました。円が相対的に高いのは、まだまだ日本の財政が相対的には健全だという事ではないでしょうか。極端な話、財政破綻して超インフレになれば円高など雲散霧消するはずですが。
いかりや:
国債を増発すれば、思考停止した経済音痴の政界、財界、経済学者それに低脳なマスコミが、「借金が増えるだの、財政規律の放棄だのと」「滑った転んだ」と騒ぎたてます。
これも、既述したことですが、アメリカは「ドル」を乱発し、垂れ流ししたからドルの価値が下がったのです。どうして日本だけが「円」(国債など)を財政出動を自粛する必要があるのですか。
ちなみに、金本位制のとき、USドルは金1オンス(トロイオンス)35ドルでした、それが現在約1360ドル、金(ゴールド)からみると、現在のUSドルの価値は38分の1に低下しています、「円」は約8.7分の1です。「円」はドルに比べ不当に高くさせられているのです。
端的に言えば、不当な為替レートで日本人の収入が半強制的に抑えられているのです。そのしわ寄せを安い賃金で働く人たちや非正規労働者が割りを食っているのです。
低下部分を、国が補填するしかない状況になっている。その補填を国債発行で行うか、政府通貨で行うか、私は形の上では国の借金にならない政府通貨のほうがベターだと思います。
「日本円」は機軸通貨「ドル」からみれば、地域通貨みたいな存在ですから、地域通貨(円)を発行して国民の生活を豊かにすればいいのです。それで円安が進行するのであれば(間接的に為替介入したことと同じ効果が発生して)、尚さら結構なことだと思っています。