いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

財政危機(国債の暴落)は刻々と迫っている、

2015-02-25 10:22:03 | 日記

本記事はASREAD社に、投稿したものです。

ムーディーズ、日本国債A1に格下げ、  

米格付け会社ムーディーズは昨年12/1日、日本国債の格付けを最上位から4番目の「Aa3」から「A1」に1段階引き下げたと発表した。安倍政権の消費再増税の先送りなどを受けて「日本の財政赤字は依然として高水準で財政再建は時間の経過とともに難しくなる」と指摘。2020年度の財政健全化目標の達成は不確実性が高まっているとした。(2014/12/02 日経新聞ほか)

この「A1」ランクは中国や韓国の国債ランクよりもランクが低い。ムーディーズ社の格下げは3年前にそれまでのAa2→Aa3に落ちてさらに今回→A1に下げたことになる。

2月12日に行われた経済財政諮問会議で、日銀の黒田総裁は、 

格付け会社が日本の国債の格付けを引き下げたことによって、国債を保有する日本の銀行の経営に対する影響に懸念を示したうえで、状況は、極めてリスキーと指摘した。
 
これを受け、安倍首相は、格付け会社に働きかけるのが重要との考えを示したが、黒田総裁は、格付け会社のトップと話した際に、格付けを変えることはできなかったとしたうえで、安倍首相に対し、財政健全化に本腰を入れるよう強く訴えた。(FNN 2015/2/18ほか) 

日銀総裁が諮問会議の場で、首相に直談判するのは極めて異例で、政府の財政健全化に向けた姿勢に、あらためて強い危機感を表した形となった。

 ところが、経済財政諮問会議議事録から黒田発言が削除されていた。 

2/12の経済財政諮問会議の議事録から、黒田日銀総裁の発言が議事録から削除されていたことがわかり話題になっている。 

TV朝日 ANNニュース「議事録から削除と箝口令」 日銀黒田総裁の発言(02/20 11:48)

http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000044868.html

 

黒田発言が議事録から敢えて削除されたのは、

 「不都合な真実」であるが故に表に出したくなかったのか、それとも総裁以外の財政諮問会議のメンバー自体が財政の深刻なリスクに無知なるがために、総裁の「国債リスク」発言を無謀な発言として抑えておきたかったのかも知れない。だが、衆議院の予算委員会でとりあげられて表沙汰になった。

 黒田総裁にしてみれば、「だから、言ったじゃないか」と将来起こりそうな事態を予測して自己弁護のための発言だったのかもしれない。

 田発言について

 一部の経済学者(「日本経済復活の会」小野会長、経済学者池田信夫氏)の間でも話題になっています。

 日本経済復活の会の小野会長は、

 “黒田日銀総裁のオフレコ発言は的外れ、黒田総裁は経済音痴、格付け会社による国債の評価などどうでもよい、銀行が国債を売っても日本経済は破綻しない” などと主張している。(詳しくは日本経済復活の会のHPをご覧ください)。

 経済学者の池田信夫氏は2/21の自分の「池田blog」で、およそ次のように述べている、

“「異次元緩和」の出口を考えている黒田氏としては、政府が財政再建を放棄したら金利がコントロールできなくなるので、安倍首相には財政健全化目標を守ってほしいが、リフレ派に洗脳された首相は「成長して税収を増やせば財政は健全化する」と楽観しているので、プライマリーバランスの黒字化も放棄し、「政府債務のGDP比」という曖昧な目標に転換しようとしている。”

 “・・・黒田氏は、遅くともあと3年の任期のうちに「出口」を達成しなければならない。福井総裁はこれを国債の償還を待つという形で平和裡に達成したが、残存期間が平均7年の今の日銀がそこまで待つことは困難だろう。それどころか、黒田氏が出口に言及しただけで金融村が売りに殺到する可能性もある。今回の議事録削除は、そういう不気味な未来を暗示している。”

 筆者の見解は、

 日本経済復活の会の小野会長や経済評論家三橋貴明氏のように、国の借金の現状を無視して安倍政権の政策を緊縮財政と非難するのは短絡的すぎる。

 国の借金が一般会計上の表(おもて)に出ている借金(3月末時点の国債残高780兆円)程度だけならば、前回述べた通りの解決への道もある。

つまり、

日銀の国債買い取り額が既に250兆円を超えていることが推定されており、ロイターのコラムニスト氏が指摘するように、ブラックホール(日銀金庫)に吸い込まれた国債は2度と市場に出てくることはない。従って日本政府の事実上の借金は、780-250=530兆円であり、日銀の国債買い取り額がさらに進めば近い将来、国の借金はGDP比も70%以下になる可能性もあり得る。

 但し、前回説明したように償還期限のきた国の借金(国債)の返済を、さらに次の借金(借換債)で賄う現状は、既にアウト・オブ・コントロール(制御不能)状態になっている。あまりに借金が巨額になりすぎて経済成長策をとれば、経済成長額(名目GDP)よりも借金の膨張額のほうが大きく、ますます肥大化する。さりとて現状のままでは止めどもなく借金は増殖していく・・・。

 さらに、これも既に述べたように一般会計上の借金とは別に、特別会計の隠れた借金が2~3倍もあるとなれば財政危機は極めて深刻と言わざるを得ない。

 財務省出身の黒田総裁が、財務省の特別会計の借金について知らないはずがない。だが黒田総裁が経済財政諮問会議において特別会計の借金について言及したとも思えない。

 いずれにしても、今、日本の財政問題はニッチモサッチモいかない状態に追い詰められている。特別会計の巨額な借金を隠ぺいしたままやり過ごすわけにはいかないだろう。

 これまで、暗い話ばかりをしてきた。次回は超楽観的な話をしたい。


誰も語らない語れない不都合な真実、財政破綻

2015-02-19 07:05:43 | 日記

本記事は、ASREAD社に寄稿したものです(近々同社に掲載される予定)。

 

財務省が2月10日に公表した2014年12月末時点の一般会計上の国の借金は約1030兆円でした。年度末(3月末)には1062.7兆円になる見込みという補足説明。

税収は約50兆円だから、一般会計上の借金約1030兆円は税収の約21倍の借金ということになります。 

年収500万円の人が1億円以上の借金をしていることと同じです(特別会計を含めた4千兆円の借金ならば、年収500万円の人が8億円の借金をしていることになります)。 

個人がこれだけの借金を抱えこめば、自己破産するしかありません。 

前回、次のように書いたことを思い出していただきたい。 

“国(政府)は営利事業をやっているわけではないので、この借金の返済手段はありません。言うまでもなく税収で返済できるわけもない。” 

“借金返済(国債の償還)期限がくれば、新たな借金(借換債:かりかえさいの発行)をして返済金にあてています・・・財務省資料、「国債発行額の推移(実績ベース)」によれば、借換債の発行額は1998年~2014年の17年間で、1475兆円超になっています(なぜこういう金額になるのか辻褄の合う説明もないのでわかりませんが借り換え債の発行は財務省の裁量に任されている)。” 

財務省には、「国債整理基金特別会計」という借金返済のための、もう一つ別の特別会計があります。 

財務省の説明は官僚用語を巧みに使い分けて、素人にはわかりにくいのですが、簡略化して言えば、一般会計の借金と特別会計の借金を統合して(一元化)して、「国債整理基金特別会計」というもう一つの特別会計を通じて、「60年償還ルール:10年ごとに1/6減債、借り換え」の借換債を発行して、借金の償還と利払いを行っています。 

問題点の一つは、特別会計の借金総額を不問にしたまま一般会計の借金と一元化して国債整理基金特別会計の返済ルール「60年償還ルール」に乗っけていることです。なにしろ普通国債と借換債を合せてこの10年間で1609兆円の国債を発行しています(財務省資料:国債発行額の推移(実績ベース)より筆者集計)。 

財務省は、これまで「この借金はやがて税金で返さなければならず、公債発行による借金は、将来世代への先送りにほかなりません」と言ってきた、消費税アップへ誘導するための脅し文句にしてきた。ところが「60年償還ルール」は、これこそ「借金の先送りのルール」である、それだけ金利負担分が大きく圧し掛かります。 

借金の償還期限が来たら、借換債(60年償還ルール)というもっともらしい新たな国債を発行して借金の延命策を図っているに過ぎない・・・借金返済のための新たな借金であることに変わりない 

回復の見込みがなく死期の迫った患者に、人工呼吸器や心肺蘇生装置を着けたり、点滴で栄養補給をしたりなどして生命を維持するだけの治療とそっくりです(苦笑)。 

財務省は景気がよくなって金利が上昇することに怯えて、消費税アップを武器にして景気がよくならないよう必死にもがいているようにみえる、それだけに事態の深刻さがうかがえる。デフレ不況がこのまま続けば、均衡財政を達成することも不可能、従って国債費も垂れ流しと膨張を繰り返すことになる。

 最早、雪だるまのように肥大化しながら坂道を転げ落ちてゆく巨額の借金の行方を止めることは、並の政策ではできそうもない。成長戦略を取ろうにも、成長分を遙かに超えて借金が膨らんでいくために有効な経済政策がとれない、つまり日本経済はアウト・オブ・コントロール(制御不能)状態に陥っている。 

それにしても、「失われた20年(1990年代半ば以降)」は600兆円以上の巨額の財政出動しながらマイナスの経済成長とはひど過ぎた。 

これにより一人当たり名目GDPは世界第9位(1997年)から32位(2013年)まで転がり落ちた(国連統計)。世帯あたりの年間所得は約127万円(全世帯に換算して63兆円超)低下した。国が使ったお金はどこへ行ったのだろうか。 

筆者はこれまで、国の借金については楽観的であったが、特別会計の借金が一般会計借金の少なくとも2~3倍以上あることが推測され、金利負担増を恐れて景気浮揚策もとれない状態に追い込まれていることがわかると、事態の深刻さが増していると悲観的にならざるを得ない。 

本記事を投稿するに当たって、いろいろ調べているうちに、石光ゼミ:日本財政借金地獄―日本財政は破綻するのか(石井敦子) http://www.jc.u-aizu.ac.jp/11/141/thesis/msy2005/05.pdf 

という記事をみつけた。 

この記事のなかに、財政破綻を次のように定義している。 

財政破綻とは 

財政赤字(政府債務)が持続可能であるとは、経済学の定義では、今後も従来の財政運営のままで国債を発行し続けても、国債(政府債務)残高が発散(無限に膨張)しないということである。国債残高が無限に膨張しないということは、財政が破たんしないことを意味する。逆に国債残高が無限に膨張するということは、将来のいずれかの時点で財政が破綻してしまうことを意味する。” 

この定義からすれば、日本の財政は既に破綻していることになる。こんなことは言いたかないが、残念ながら、日本国債はいつ暴落してもおかしくない状況にあると言える。 

 打開策について、 

終戦後のどさくさ状態の時のように、預金封鎖して金持ちたちから金融資産を奪い返すという手もあるが、平時のこの期に及んで預金封鎖という手荒な手段は難しい。又、特別会計の借金を含めるとそれでも足りないだろう。 

前回、ロイターのコラム「ブラックホール化する日銀の国債購入」という記事を紹介したが、昨年9月末時点で日銀の国債保有額は約230兆円(2012年3月末は約87兆円だった)だが、本年3月末には250兆円を超えるものと思われる。誤解してはいけない、日銀は金融緩和が目的ではない、そんな格好いい話ではありません。国債を購入せざるを得ない状態に追い込まれているのである。 

ロイターのコラムニストが指摘するように、日銀は国債を売却する必要に迫られることもなく、日銀の金庫は「ブラックホール」と化す。そこに飲み込まれた国債は2度と外には出て来ず、市場に残る国債は高価な軌道上にとどまることなる・・・市場に残る国債は高価な軌道上にとどまるとは、金利(率)が低いままに抑制されることを意味している。 

今から数年前までは、エコノミストやジャーナリストたちは、「日銀の買いオペは禁じ手だ」などと騒いでいたが、今回の日銀の国債買いオペについては何も言わない。日本のエコノミストたちとは、その程度のレベルの愚者たちである。 

ロイターのコラム記事の意味するところを理解した上で、次の記事を読んでみてください、5年前に筆者のブログで書いた記事を現在風にアレンジしてあります。

『国の借金をチャラにする方法』

 例えば国の借金1030兆円を日銀がすべて肩代わりすればいいのです(一挙に買い取るかどうかはべつにしても)。政府は1030兆円の小切手を1枚刷って日銀に渡せば終わりです。借金はチャラ、帳消しになります。

 現在は殆どすべて電子マネーの時代です。日銀が1030兆円の大量の一万円札を発行するなど、そんな大袈裟な作業は必要もありません。政府から日銀へ渡す金も、電子マネーつまり帳簿上のやりとりだけでも、充分です。

お金とは国家の信用力そのものである、信なくば、ただの紙切れになる。ここでも問題となるのは、闇に包まれた特別会計の膨大な借金です、本稿ではそこまでは踏み込めない。

そんなことができるの?

今のうちならできます。日本が対外的に負債大国ならば、ことは容易ではありません。幸いにして、日本は対外的には債権大国です。

できるかできないかは、『少しばかりの叡智』と『大いなる勇気』と『断固たる愛国心』があればできます。残念ながら、今のB層化した政権では不可能かもしれませんが・・・。

偏差値教育で育った今のひ弱でマニュアル思考しかできないエリート官僚たち、二世、三世の世襲政治家どもや自分たちの損得ばかり考える愚かな経済財政諮問会議メンバーたちでは無理かもしれない(竹中平蔵氏をみればわかるだろう)。

そして最大の障害はUSAだと思う。日本は戦後から続くアメリカ支配から未だに脱け出せないでいる。アメリカの言いなり国家ですから、アメリカの脅しやイチャモンをつけられれば、びびる政権では無理かもしれません。脱米が必要である。

日本国債の場合は、ギリシャが持つユーロ債と違い対外債務ではないので上述の手段は可能なはずです、預金封鎖などの強権的手段に比べれば、極めて穏やか(苦笑)で安全、しかもあっけないくらい簡単ですね。一挙に全額消却しなくても、段階的に消化する方法だって考えられます。

 また、そんなことをやれば、「ハイパーインフレが起きる」と尤もらしく言う人が出るでしょう。私は南米の小国で、偶々合弁会社の役員の端くれをしているときにハイパーインフレを実体験しています。ハイパーインフレが起きる数年前から闇ドルが横行(前兆現象)していました。

日本の場合もいきなりハイパーインフレになることはありえない、まず円安が先行するはずです。今の円安の進行には注意深く見守って行く必要があります。この20年間に低所得化に追い込まれた若者や庶民には、円安による物価高は厳しい生活を強いられる。円安のメリットを生かす一方で、物価高を緩和する対策が必要です。

円安について、

円安・円高は為替の問題です。国際金融が異常に投機化、モンスター化しています。BIS(国際決済銀行)が3年毎に行う世界規模の外国為替市場調査によれば、1日当たりの取引高は、5.3兆ドル(1us100円として530兆円)以上のマネーが世界中を飛び交っている、実需はほんの数パーセントにも満たない。

一国の為替市場介入くらいでは動かないことは円高時代の日銀・財務省の為替介入はほとんど効を奏さなかったことで明らかであり、2012年安倍政権成立後は全く為替介入はしていないにもかかわらず、1usドル80円台から今日の120円付近までの円安が続いている。

相場を支配しているのは通貨マフィヤとその手先(ヘッジファンド)だと思うが間違っているだろうか。そもそも彼らに活躍の場を与えた「為替のプラザ合意」そのものが胡散臭い。

為替について述べればきりがないのでこの辺で終わりにしますが、資本主義は物を作って、もしくはサービス(労働)を提供して、それにいくばくかの利益を乗せて売るのが本来の姿である。

 金融資本主義とは、金で金を操るマネーゲームの世界である。何らの価値あるものも生み出していない。単なる「金のやりとりゲーム」が資本主義と言えるのだろうか。


他がために金は成る?(続きの続き) ―ブラックホール化する日銀の国債購入¬―

2015-02-05 17:23:49 | 日記

本記事は、ASREAD社に寄稿したものです。

これ以上「4千兆円の借金」について深入りするのはやめようと思ったのだが、もう少し深入りすることにしました(苦笑)。

国の借金は、一般会計上で1038.9兆円(2014年9月末時点)、特別会計上で約3千兆円、合わせて約4千兆円です。

4千兆円の借金?ウッソー!と言われそうですが、この超低金利の時代にローンの年間返済額(元利合計)が一般会計予算に近い91.4兆円もあるというのである、逆算すれば約4千兆円にならざるを得ない。

戦後から(ひょっとして戦前から?)延々と続くどんぶり勘定でしょうか。ブラックホールのような「伏魔殿」の「闇」の中味を解明しようとしても無理な話かも。

強力な指導力を有する強力な内閣のもとで、数十人の公認会計士と弁護士らに強い権限を与え、タッグを組んでしても真相解明はやはり無理だろう。

金の使い先を解明するにしても、例えば原発関係一つを取っても、原発関連の諸機関は地方自治体、独立行政法人、財団法人、社団法人に至るまで100を超える諸団体があるのだから・・・ひとつひとつ過去のデータを潰していくのは無理?

それにしても素人の常識からみて二重帳簿はおかしいと思うのだが、会計検査院の調査はどうなっているのだろうか。会計検査院は、国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した機関だそうですが、伏魔殿の奥の院には手が出せないのだろうか?

蛇足ですが、

財務省にとっては、軽い神輿(政権)が都合がいいに決まっている。超軽いアベノミクス総理、そして名門一族の育ちながら漢字もろくに読めないのはまだいい、庶民の暮らしもわからない財務大臣兼副総理のアッソウ氏。

その前は財務省のいいなりで、マニフェストでは消費税アップを否定していたにもかかわらず、消費税アップの必要性を必死に唱えたウソつきドジョウ総理大臣(彼も財務大臣経験者)、その前は財務のことなどわからない財務大臣経験者で、何故か総理大臣になると消費税アップの言い出しっぺになった菅ちゃんじゃった。彼らは庶民の暮らしに真剣に取り組まず、財務官僚にとりこまれていった。

本題にもどります。

国(政府)は営利事業をやっているわけではないので、この借金の返済手段はありません。言うまでもなく税収で返済できるわけもない。

借金返済(国債の償還)期限がくれば、新たな借金(借換債:かりかえさいの発行)をして返済金にあてています・・・財務省資料、「国債発行額の推移(実績ベース)」によれば、借換債の発行額は1998年~2014年の17年間で、1475兆円超になっています(なぜこういう金額になるのか辻褄の合う説明もないのでわかりませんが買い換え債の発行は財務省の裁量に任されている)。

借換債の発行は借金返済のために新たな借金を重ねるのだから、サラ金地獄となんら変わりありません。こうして積り積もった借金が4千兆円になったのだろうか。

消費税増税分は借金4千兆円に比べれば、言葉は悪いが「ハナクソ」ほどにもならない。この巨額の借金に対しては消費税の増税くらいでは問題解決の糸口にもならない。それでも財務省が消費税の増税に拘った理由は、次の例をみていただきたい。

経済成長率1%で名目GDPは約5兆円(480兆円→485兆円)の増加ですが、4千兆円の金利は1%+αで40兆円以上の利払い費が発生する。2%の経済成長率ならば名目GDPは約10兆円の増加に対して、借金の利払い費は80兆円以上が発生することになります。

景気がよくなればなるほど借金が借金を生み、借金を肥大化させる構図に陥っているのである。財務省の本音は金利が上昇することだけはなんとしても阻止したいのだろう。しかもさらに悪質なことは、消費税8%にした後も、今年の景気動向をみてさらに2%アップを用意しているのである

次に財務省が懸念する金利動向について、

財務省の「金利情報」によれば、今年に入ってからの5年未満の国債の金利は軒並みマイナス金利である、10年もの国債でさえ前代未聞の低金利0.2~0.3%である。日銀が猛烈な勢いで国債を買っているからです。

黒田総裁は当初から、2%のインフレ目標を掲げ、達成が怪しくなれば、「デフレ脱却のためならなんでもやる」と言い、ご存じのように黒田バズーカ砲と異名をとる異常な超金融緩和策とでもいうべき金融政策を展開している。

つまり、日銀は政府が新規に発行する額以上の国債を市場からどんどん吸い上げるので国債の価値が益々上がる(需要・供給の関係)、国債の値上がりは国債の利回りが低下するということと同じですから、金利が下がるのです・・・日銀が国債を市場から買いまくるので国債価値は上昇し国債の金利は下落し、その一方で市場には、行き先を失った(需要がないため)あぶく銭が溜まっている(マネタリーベースは今や250兆円を超えている)。

黒田バズーカ砲は、表向きはデフレ脱却にみせかけているに過ぎない、つまりデフレ脱却であるかのように偽装してデフレ維持策をとっているのである。本来デフレ/インフレは、需要/供給の問題であって金融を操作して円安をでっちあげて物価上昇とは邪道である。

日銀が猛烈な勢いで国債を買っているので、昨年11月6日のロイターのコラムに「ブラックホール化する日銀の国債購入」という記事(コラムニスト:Andy Mukherjee)が載っていました。結論部分を紹介すると、

“より合理的な見解は、高齢化する日本社会には大幅なインフレは訪れないというものだ。今のところ、賃金の持続的上昇は見込めないことがはっきりしている。中央銀行は国債を売却する必要に迫られることもなく、日銀の金庫はブラックホールと化す。そこに飲み込まれた国債は2度と外には出て来ず、市場に残る国債は高価な軌道上にとどまることなる。正誤はともかく、投資家はそれに賭けている。”

結局、いつまでもつかどうかわかりませんが、巨額の借金があるかぎり、金利上昇を回避するために景気回復を犠牲(消費税増税圧力と同時並行)にして日銀は市場から国債を買い続けるほかない。だが、しかし4千兆円もの国債を買い続けることは可能だろうか、できるわけがない。国債購入者たちから、見放されて国債離れが起きないとも限らない。そういうこと(国債の暴落→円の暴落)になれば、財務省/日銀の思惑は音をたてて崩れる?それだけではすまない。

次回は、解決策について、