前回(12/29)紹介した岩上氏のustreamの中の終わりのほうで岩上氏が語っている部分を以下に紹介します(多少言葉を省略、要約しています)。
””・・・1989年にベルリンの壁が落ち、ソ連邦が崩壊して、米ソの冷戦が終わりを告げた。これからは軍備が不必要になって、これからは皆が平和の配当が行われると期待した。
ところが平和の配当は起きなかった。アメリカの軍部、軍産複合体、兵器を造る産業、それからCIAなどの情報機関はこれを温存したいと思った。
だから今度は標的を変えるんです。鳩山政権が崩壊するきっかけとなったのは、一つにロバートゲーツ国防長官が去年の秋に来日して、普天間基地の移転はまかりならん、日米合意通りにせよと一喝すると、日本の官僚とマスコミは一斉に猛烈に鳩山バッシングをやるわけです、彼の言いなりなんですよ。
ロバートゲーツは20年前、90年代の頭にCIA長官だった。ゲーツ長官はこれからは、CIAの持っている能力の4割を経済分野の工作に使う。その時経済分野の最大のライバルは日本、次はドイツ。日本では、よく甘ったれて婚姻関係に例えるんですが、その結婚関係の相手にあたる奥さんであるニッポンを標的に定めると広言するんです。これは内緒話ではなくて広言しているんです、今度はニッポンだと言って。
その後から日本を変えて行く年次改革要望書が出されて、その最も究極的な形で現れたのが小泉内閣で、今、小泉内閣がやったこと、おかしなことをやったのではないかと反省が生まれていますけれども、日本の比較的平等なシステムを粉々にして、貧富の格差を拡大させ、多くの雇用が不安定なものになる。
この不安定なモデルというのは今のアメリカがモデル、激しい搾取が行われる。同時に、世界中で戦争をやるために追随して行くようなシステムを小泉内閣の時代に基礎が作られてゆく。2005年に締結された日米同盟は、戦争を巡る話とワンセットだということです。虐げられたり、奪われたりするというのはアメリカの一般国民もおなじ、たくさんの中流階級だった、これまで穏やかな生活を送ってきた人たちは、一生懸命働いて報われてきた人たちです。そういう暮らしがぼろぼろになっていく、何千万と言う単位で貧困階層が、いくら働いてもどうにもならない状態が起きている。
それを日本が後追いさせられているのです。「それが我々の暮らしとワンセットですよ、すぐそばにある現実なんですよ」と言ったのは、そういうことを指すのです。日本で広がりつつある貧困というのは、「これは突然起きる自然現象のようなものではなく、きちんと仕組まれたプログラムを追って作り出されているものだ」ということを理解するのには、時間と手続きと勉強が必要なのかもしれませんが、この映画(ANPO)はそれを考えるきっかけになるのではないかと僕は思います。””
ゲーツ長官の言う「これからは、CIAの持てる能力の4割を経済分野の工作に使う」しかも「日本をターゲットにする」というのは、極めて傲岸不遜で不埒千万というほかありません。だが、現実は彼の言う通りになっていった。日本の政治家・官僚・マスコミ・ジャーナリストや識者らが、なんら抵抗することなく隷従していきました。筆者に言わせれば、身ぐるみはがされ、強姦されてもまだまだ追いすがる情けないニッポン、竹中氏はガキ大将の手先になってお手伝いする醜悪な悪女(悪男?)役だったのか、サディストか?
ゲーツの言う日本をターゲットにした経済工作の結果は、既に本ブログでは何度も例示してきましたが、以下に簡単に振り返っておきます。
日本は、今年9月末の時点で国の借金は、909兆円(国債、借入金、政府短期証券の合計)1990年の初頭は約300兆円だから、この間に約600兆円の借金(約66%)を増やした。600兆円の借金はしたが、国家のGDPは全く増えなかった、国が投じた借金はどこへ消えたのだろうか。1990年以前には年平均約15兆円の借金をしながら、それ以上にGDPは増加している。日本が経済成長がストップしている間に、日本以外の諸国は約倍にGDPを増やしている(アメリカも2倍に増加)日本だけが置いてけぼりにされている。
① 日本の世帯当たりの年収は、1994年の664.2万円から2008年547.5万円と約117万円低下(全世帯換算で約56兆円の減少)。
② 2010年12月2日、厚生労働省の発表によれば、今年9月の生活保護は過去最多の140万世帯、受給者数も195万人となっている。15年前の1995年では、約60万世帯、約88万人であり、2.3倍になった。
③ 労働者の3割以上が非正規雇用になった。自己破産者数の激増(1990年はじめの3倍以上)、年間の自殺者数は1998年以降毎年3万人以上、ホームレスの増加、児童虐待が激増、etc。
以上が、ゲーツさまのおっしゃるCIA工作のお陰でしょうか・・・平和の配当よりも、冷戦構造の冷たい配当の方が暖かかった(笑)。
こうして今年も暮れました、来年もご愛顧のほどよろしく。