いかりや爆氏の毒独日記

最近の世相、政治経済について「あれっ?と思うこと」を庶民の目線から述べていきたい。

米格付け会社の胡散臭い格付けに踊らされる日本のマスメディアのバカバカしさ 

2011-01-30 16:59:47 | 日記

 1/28、29日にかけて、読売、朝日、毎日、日経、産経、東京新聞の各社の社説は、判で押したように雁首を並べて、""米民間格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が日本国債の格付けを引き下げ""に反応して警鐘(笑)を鳴らしている。

 S&Pの発表がどれだけ権威のあるものかどうか知らない。筆者の邪推だが、背後でFRBとその手先のハゲタカ・ファンドと結びついた情報機関(悪智恵?)集団だと思われる、少なくとも善意の集団ではないことだけは確かだろう。先ずは次の表を見ていただきたい。

1/28の東京新聞記事から抜粋
S&Pによる国債格付け

AAA  米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、シンガポール
AA+ ベルギー
AA   スペイン
AA- 日本、中国、台湾
A+  イタリヤ
A    アイルランド
A-  ポルトガル
・・・
BB+ ギリシャ

 巨額の貿易赤字と財政赤字に悩まされているアメリカ、しかも、その債権(米国債)を大量に抱える日本と中国および台湾が揃いも揃って上から4番目のAA-で、これらの国に借金を背負わせている借金大国アメリカがトップクラスのAAAだというのだから、笑わせる。この通りだとすれば、米国債を大量保有することは「危ないぞ!」と警告しているのであれば納得がいく(笑)。

 米国債はいずれ遠くない将来に「紙屑」になる日がくるぞと警告を発しているのかも知れない。アメリカは新通貨アメロ?又は金本位制に切り替える?と言い出しかねない国です。そうすることがアメリカが膨大な借金から逃れられる唯一の合法的な?棒引き手段(屁理屈)もしくは借金の帳消しができる方法だろう。アメリカが中国の人民元の切り上げを強く主張しても、中国は頑として応じていない。中国の人民元はアメリカにとって目の上のたんこぶ、だからアメリカは、それくらいのことは考えているに違いない。ドルを紙屑にすることでしかアメリカが抱える膨大な借金をチャラにすることは出来ない。

 だったら、「なーんだ、一番危ないのはアメリカじゃないか、アメリカの格付けはギリシャ並じゃないか」、そうなんです、危ないのは日本よりアメリカです。だが、単純に考えてはならない。なにしろ、米国は機軸通貨ドルの発行元なんだから、金(マネー)が不足すれば、いつでも打ち出の小槌を振ってみせることが出来る、事実これまでそうしてきたからこそ円高・ドル安なのである。だから、そこがジンバブエや中南米の諸国で起きたハイパーインフレと異なるところでもある。これらの国々は、偽ドルなら別ですが、自国でUSドルを発行することはできません、あくまでも全く価値のなくなった自国の通貨しか発行できない(ギリシャの場合は単一通貨ユーロ圏ですから、自国の通貨の発行もは許されていない、ギリシャができるのは借金の証文としての国債の発行だけである)。
以上が筆者の認識である。

朝日、読売、毎日の各社説は一様に消費税アップの必要性に言及しているが、なかでも朝日の社説がひどい。

1/28の、朝日新聞社説、
""格付け会社は世界金融危機に適切な警告を発せられず、批判を浴びた。だが残念ながらこの格下げに異論をはさむ余地は少ない。
・・・日本の消費税率は先進国で最も低く、まだ引き上げ余地がある。日本政府はいずれ増税に踏み切るだろう。市場にはそういう期待と確信があった。だが日本の政治は重い腰を上げられないでいる。いまや市場から不信感が突きつけられたのだ。""

結局、この社説の言いたかったことは、消費税アップへの提言(笑)でしょう?

東京新聞の社説は、""与謝野経済財政相は「消費増税を早くやりなさい、という催促」と解説し、増税論議の追風にしようという意図を吐露した。だが、先の金融危機では格付け会社の営利優先姿勢が厳しく批判されたばかりだ。民間会社の格付けを頼りに増税を宣伝するのは、かえって逆効果ではないか。お粗末さがにじみ出たのは、菅直人首相の「いま初めて聞いた。そういうことには疎いので」という発言だ。首相は国債の格下げがどういう意味を持つのか、理解していないのだろうか。・・・・""

 このようなお粗末な首相が、平成開国の大口をたたき、TPP推進を説くのだから(米国向けのおべんちゃら)、国民はたまったものではありません。

 さらに、最も悪質なのはテレビ朝日1/28報道ステーションである。怪しげな外人ヘッジファンド、 ヘイマン・アドバイザーズ カイル・バズ氏とかいう人物を登場させて、キャスターの古館氏がこの男のご託宣を聞いて、いちいちうなずいて納得するのだから、笑った。

彼のご託宣(趣旨)は、
「あとは時間の問題です3~4年もつかどうか。日本は2年以内に行き詰まると我々は予想しています」・・・・

ハゲタカの連中は相場が上がって儲け、下がって儲ける、とにかく相場が動くことが、彼らの狙い。どのように動かすかは彼らの手の内にある。こんな儲けることしか頭にないハゲタカの意見を聞いてどうするのだろうか?

古館氏はハゲタカ氏の意見を参考に、慶応義塾大学 土居丈朗教授の意見を聞いている。土居教授は「まだ乗り切れるチャンスはこの1~2年はあると思います。ただ、その1~2年を逃すと、あとはなかなかチャンスがないかもしれない」とまじめに答えている(笑)。

「ニコブログ」は、
「報道ステーション」 S&Pによる日本国債格下げ翌日の特集メモの最後ところで次のように述べています。

””・・・正確に言うと「(金持ちと大企業を除く国民に)痛みを伴った改革」「(金持ちと大企業を除く国民に)みんなで小さな痛みを少しずつ分け合いながら」、財源を消費税だけに求める、となります。社会保障費を抑制すれば、低所得者層ほど痛みは強くなりますし、公務員の人件費をこのデフレ下で行えば、消費に大打撃を与え、不況からもデフレからも抜け出せないばかりか、公務員の人権費削減を理由に民間企業の賃金も削減されます。悪循環も悪循環、デフレスパイラルを加速させるだけです。財政再建のためとうそぶき、財政再建から遠ざかります。

サブプライムローンにAAAの格付けをしてリーマンショックを予見できなかったS&Pについて疑問は持たず、よりによって自分の金儲けのことしか考えていないヘッジファンドの人間を登場させ、日本国債を格下げされた翌日に喜んでこんなアホみたいな特集を組む「報道ステーション」なんか消えてしまえばいいのに。

ただ、「数年以内に国債が国内で消化できなくなる」という主張は分かりやすいのでやっかいです。マスコミは今後、この理屈を多用して消費税引き上げによる財政再建を主張していくでしょう。””

参考:ニコブログ、
「報道ステーション」 S&Pによる日本国債格下げ翌日の特集 メモ 
http://nikonikositaine.blog49.fc2.com/blog-entry-1689.html

 

蛇足:

トッペイ:

 アメリカ国債を大量に保有している日本の国債が格付けがアメリカより低いとはおかしな話ですね。消費税アップの布石でしょうが、あまりに手口はみえみえであほ丸出しですね。
このS&Pなる会社はリーマンブラザースにトリプルAを付けていたのではないですか。こんな信用の置けない仕手筋のような連中のいうことなど眉に唾して聞いておけばよいのです。S&Pの意味は平均より頭がプアーということなんでしょう(笑)

いかりや:
程度の悪い「格付け会社」(だから自ら S & poors?笑)
と言っていることは、わかっていながらそれに乗せられてか、それとも、それを敢えて利用している新聞、TV局のアホさ加減、特に朝日新聞とテレビ朝日はひどいですね。

同TV局の報道ステーションは、先週金曜日(1/28)「借金大国日本の現状を伝え、再生への道を提言するシリーズ第1弾。」と言っていますから、近々第2弾を楽しみにいたしましょう(苦笑)。
古館先生が、
「おやぶん、てーへんだ ていへんだよ!」、「こりゃー、消費税上げなきゃー ニッポン丸は 沈没だべさ!」とプロレス中継?してくれることでしょう。

 

 


そういうことは疎いので、得意分野は小沢氏排除?

2011-01-28 21:01:40 | 日記


 「米国の格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は27日、日本国債の長期格付けを従来の「AA」から「AAマイナス」に1段階引き下げたと発表した。財政の悪化懸念を理由に挙げた」という。

 本件について記者団の質問にたいして菅首相は、
そういうことには疎いので、改めてにしてください」と回答を避けた。
そういうことには疎い?正直な返答かもしれないが、財政と直結する問題を「疎いで逃げられる」とは、まさか「官僚に聞いてみます(笑)」というわけにいかず、お粗末と言うしかありません。

らうたん:
では疎くない分野があるのでしょうか?

Drジョー:

では疎くない分野があるのでしょうか?

らうたんさんお得意の?きつ~い一言攻撃^^

すっから缶さんが思わず本音を漏らしちゃった話ですね。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20110128ddm002020189000c.html?inb=yt

メッキで出来た紛い物の首相のごとありますけん、自分一人の力ではな~んもできしまへん。「メッキが剥がれる」状態に陥って、この首相の実態がますます明らかになってきたようです。

我が国の首相ですから残念という気持ちもあります・・・

格好悪い人の話のあとに、格好ええ人?の話をしたくなりました。

昨日「検察の在り方検討会議」(法相の諮問機関)で、自力で冤罪を逃れた元厚労省局長の村木厚子さんが意見を述べたそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110127-00000038-maip-soci

「検察が、客観的な事実と違うたくさんの調書をチームで作ったことを恐怖に感じた。私だけ記憶喪失にかかっているんじゃないかと思った。」・・・体験に基づく重い言葉と思います。

村木さんの犯意(郵便不正事件)を示す、事実と異なる検察調書が30~40通もあったとか。検察が誘導と脅しで偽の証拠(供述調書)をでっち上げてきたことは明白、

村木さんの検察批判に説得力を感じています。

いかりや:

菅さんの疎くない分野???

本日の参院本会議で、広野ただし議員は質問の最後の方で、「徳のある政治」について述べいます。中国の諺「最初に井戸を掘った人を忘れてはならない」を引用して、

””最初に井戸を掘った人を大切にする政治をするべきであります、恩を忘れた政治は子供たちの教育にもよくありません””と暗に、菅さんの小沢さんに対する仕打ちを戒めていました。菅さんはモラルの分野にも全く疎いらしい、子供の教育にもよくないようですね?

小沢氏の排除に異様な執念を燃やす「菅」とは・・・内ゲバが彼の得意分野だろうか?

菅氏が首相になれたのも、元はといえば、一昨年夏の衆院選挙で勝利したことにある。その選挙を勝利に導いたのは小沢氏の努力の賜物である、小沢氏は彼にとって恩人であり同志でもある。民主党政権樹立の立役者である。いわば、命の恩人みたいな男を義理も人情もなく切り落とそうとする菅氏の根性は理解しがたい。

 小沢問題は、検察が徹底的に捜査しても何も出なかった、検察の描いた捜査そのものが無理筋で、火のないところに煙を立てたのが検察であり、それをマスコミが煽りたてた。限りなく、検察の「冤罪」に近いことが明らかになっています。構図は、村木さんの場合と殆ど同じ・・・。

 首相は「不条理を正す政治」をめざすと言うが、この男のやっていることこそ「理不尽であり不条理」である。

 この理不尽男の正体をgoogleで調べてみました。出るは出るは「よからぬ情報ばかり」でした。

 こんな記事も・・・

菅の正体:事実を積み重ねて見えてきた実像、

①石井紘基元議員:菅に報告した翌朝暗殺 ②三井環元公安部長:検察の裏金告発を菅に相談した翌朝逮捕 ③ジェラルド・カーティス=CIA対日工作員、出版記念講演に出席 ⑤鳩山内閣倒閣、小沢排除 ⑥ルース米大使 ・・・石井紘基や三井環が菅直人に面会し資料を受け取っていながら、 何一つ行動せず、翌日に不可解な殺害と逮捕拘束が起きていた事実をみると、彼はいったいどのような正体の人物だったのか・・・。

彼は、

北朝鮮拉致実行犯のシンガンスの釈放嘆願に署名・・・シンガンスは横田めぐみさん、福井の地村さん夫妻、原敕晁さんの拉致犯人であり、彼は北朝鮮帰国後、北朝鮮政府からトップクラスの勲章を貰っている。

「国旗国歌法案」に反対した、その理由を国歌に反対だったと言っています。

さらに「菅総理 『韓国クラブホステスとその隠し子疑惑」というものもありました。
 
その外、既述しましたが、お世話になった市民運動家の市川房江さんを踏み台にして・・・市川さんは、菅氏に「自力で闘いなさい」といったのに「私の名をいたる所で使い、私の選挙の際カンパをくれた人たちにカンパや選挙運動への協力を要請強要したらしく、私が主張し、実践してきた理想選挙と大分異なっていた。」 また市川さんは、安保条約の廃棄を訴えていたのですが、その精神を裏切っている。

 自国の総理大臣を貶めるのは本意ではありませんが、小沢氏に対する仕打ちは、許しがたいものがあります・・・。

 

補足

菅直人の深い闇

 トッペイ:

  菅直人が、シンガンスの釈放嘆願の署名したのは無知からくる勇み足だったとの見方であるようです。しかし、私は菅はシンがスパイであることを承知のうえで、署名したと思っています。
 菅は、米国を通じて北朝鮮とも深いところでつながりがあり、同じ工作員仲間のよしみか何等かの指令を受けて嘆願運動をやっていたのではないでしょうか。北朝鮮が米国と表面上対立しながら利害を共有していることからも菅の闇コネクションは米朝ラインにつながっているのではないでしょうか

いかりや:

菅氏が首相として登場する前までは、シンガンスの釈放問題や、君が代問題など多少違和感を覚えることはあっても、市民派の男だから、まあ仕方がないかと思っていました。ところが総理になってからの彼のやり方は一変して、露骨な従米主義に豹変したのには驚きました。思い返してみれば、昨年4月にアーリントン墓地に献花したときに「何で菅が?」と思っていた疑問は「やはり、そうだったのか」と腑に落ちる次第です。

 この男は小泉と似たり寄ったりの売国奴、彼の「小沢氏排除」は、どう考えても理屈にあわん。

 

菅首相の罪 
Seiji:

上記記事中、「菅の正体:事実を積み重ねて見えてきた実像」について、
あからさまに言えば、殺人教唆、司法介入、CIAとの結託などを疑わせる情報のように受け取れますが・・・?

かって米国のニクソン大統領がウオーターゲート事件(民主党オフィスへの盗聴器設置、CIAに対するFBI捜査妨害などの指示または黙認)で辞任に追い込まれた際には、大統領執務室での会話を録音したテープの存在が致命的な証拠となったようです。

菅首相の弁護をするつもりは毛頭ありませんが、こと法律に触れる「具体的犯罪行為」については、確たる証拠がない限り早急な断罪を控えたいと考えます。

なお菅氏の道徳的な罪、例えば、お書きになった市川房枝氏の菅氏に対する批判については、市川氏自らが「私の国会報告」に書いておられるので、疑いのない事実と考えます。


臨時号:Drジョーとの気軽な雑談いろいろ

2011-01-26 17:31:24 | 日記

いかりや:
検察審査会の二度目の起訴相当議決による、「小沢氏起訴」が先週中にも行われるのではないかと言われていましたが、起訴されていません。

 郷原弁護士によれば、""指定弁護士は議決を受けて起訴することが義務づけられていると言っても、全く証拠がなく立証不能の場合は、起訴しても冒頭陳述すら書けず、最低限の公判立証の形にすら持ち込めない。いつまで経っても起訴しないのは、証拠がないのでしたくてもできないということでは? ""と言っております。

 石川議員(元秘書)の、「起訴後の再聴取」での検事の不当な発言の録音が証拠提出されたことで石川調書が証拠にできなくなる可能性が高いのに加え、大久保調書撤回(前田元検事取調べ調書が捏造疑惑のため?)、小沢氏事件の立証は崩壊して、指定弁護士も困り果てているのかも・・・・

それにしても、缶、おから、おまいら何を考えているのか。

Drジョー:
>それにしても、缶、おから、おまいら何を考えているのか。

証人喚問も視野に、なんて聞くとけったくそう悪うおます。

いかりや:

はい、同感です。証人喚問が必要なのは、おまいら缶、おから、前糞らだ・・・臭くてごめんなさい。

日曜テレビ朝日10時~、「フロントライン」に石原都知事が出演して偉そうに言っておりました。本日、ブログ「毒蛇山荘~」の山崎先生が冒頭、次のように言うとります(笑)、

石原慎太郎も耄碌したな?「小沢問題」の本質が何であるかがまったく分かっていない。「検察の暴走」「マスコミのリーク報道」「米国の植民地支配」…が見えないのか。小沢の「政治とカネ」が問題なら、石原の「新銀行東京」や「オリンピック誘致失敗」、「水谷建設・石原親子料亭接待」…はどうなるのか。「さっさと、バカ息子たちを引き連れて引退しろ!!!」(笑)と叫びたくなる、今日、この頃であった。

Drジョー:
>「検察の暴走」「マスコミのリーク報道」「米国の植民地支配」…が見えないのか。

インターネットの世界では上記のような問題点が盛んに論じられていますが、一方、周りを見ると(残念ながら)このような問題を気にしていない人々の方が多いように思われます。

話題にされていた石原慎太郎氏の頭の中がどうなっているのかは分かりまへん^^

ところで、今年春の都知事選への立候補が取り沙汰されている人物の名前は今のところ、

石原(現職、4選を目指す?)、猪瀬(現副知事)、舛添(新党改革代表)、蓮舫(行政刷新相)、東国原(前宮城県知事)の各氏だそうです

石原4選は論外ですけんど、この中に選びたい人間がおらしまへん。困ったもんだす(苦笑)。

いかりや:
>石原(現職、4選を目指す?)、猪瀬(現副知事)、舛添(新党改革代表)、蓮舫(行政刷新相)、東国原(前宮城県知事)の各氏だそうです。

この顔ぶれみただけで、都民のためなんて顔しとりまへん。

どの顔みてもいやいやよ、自己欺瞞と名誉欲の塊みたくみえます

はい、困ったもんだす。 タイガーマスクはん、あんたが出てきて立候補してみなはれ^^

菅首相の昨日の施政方針演説、極めて評判が悪い。首相の言う三つの理念、「平成の開国」、「最小不幸社会」、「不条理」。

「国民生活が第一」という民主党のマニフェストが「今や生活破壊」してどうして開国なの?

自民党政権の演説かと思った・・・自民党より自民党らしく?

そういえば、消費税アップは、元々自民党が言いだしっぺ。「野党も責任共有」だと言って自民党に擦り寄っている・・・気持ちわるー!

菅不幸社会の実現をめざしてもらったら困るぞー!

すっから缶が首相の座にいることこそが「不条理」だす、ちゃいますー?

Drジョー:
都知事選、
>タイガーマスクはん、あんたが出てきて立候補してみなはれ^^

碌な立候補予定者がいませんさかいに、正体不明でも結構?^^、別の人物が出てきて欲しいものです。

すっから缶、
>すっから缶が首相の座にいることこそが「不条理」だす、ちゃいますー?

いかりやさんのブログで、鳩山政権時代から米国に頭をなでられていたという話を知って「やっぱりそうだったか」。戦後続いてきた対米追従の姿勢を改めるどころか、ますますポチ外交に走っとりますがな、「こな裏切り者!!」


おっと、血圧を下げてくれた話もしとうおます^^

早朝にテレビをつけたら、NHKニュースの最初にサッカー、アジア杯準決勝戦(日本vs韓国)の結果が流れていました。

波瀾万丈、ハラハラもんの試合展開だったようですがPK戦にもつれ込んだ末に日本が勝ったという結果を聞いて(ハイライトを見て)、気分良か~^^となりましたがな。

中でも、国際試合で3本連続PKを止める(川島)なんぞ、初めて見ました。

いかりやさんは、どのあたりまで生中継をご覧になっていたのかな~なんぞと想像しとりました。

いかりや:

はいはいはーい、缶蹴りの話よりも、年甲斐もなく本日はサッカーの話をしたくてうずうずしとりました(笑)。

 昨夜は、サッカーをTV観戦しました。1-1で延長戦になったところで就寝しますた。本当は、最後まで観たかったんだす。だけんどこれ以上みたら寝不足になる、身体に弱点をもつわてとしては、寝不足は健康によくない。

延長戦で負ければ、悔しさで眠れなくなる、勝てば年甲斐もなく興奮して眠れなくなる。

「延長までとにかくよく頑張った、それで充分ではないか」と自分で自分を納得させて寝ましたがな。が、今朝目をさましたら、日本の勝ちですた。

一躍ヒーローになったのが、PK戦を制したゴールーキーパーの川島でした。

 だが、もう一人の隠れたヒーロー細貝のことについて、

 激しい攻防の末、1-1でもつれ込んだ延長前半6分。FW岡崎が倒されてPKをゲットした絶好のチャンスだった。

だが、MF本田が左足で振り抜いたはボールは、なんと韓国GKの正面をつき、弾き返された。アーッ!こりゃーダメかと天を仰いだ瞬間後方から、猛然とダッシュしてきた細貝MF(香川と交代して参入)が韓国G・キーパーが弾いたボールをゴールした。

 その直前、細貝はニッポンと韓国選手の最後方にいたのである。細貝はあたかも、こうなることを「やはうえの神からの啓示」をうけていた(笑)かのように、本田がPKシュート動作に入った瞬間から最後方から勢いをつけて猛然と突っ込んでゴールしている。

細貝の頭脳的プレイと言えばそれまでですが、何かひらめくものがないとこんなにうまくいかないと思うがどんなもんでっしゃろ?

神様、ほとけさま、磯貝さま!

なーんちゃって、にわかサッカー解説者ですた・・・ 


「極東軍事裁判史観押し付け論」の幻(2):過去に学ばない者は・・・

2011-01-24 16:57:15 | 日記

明け烏:

WGIPが終戦直後から実行され、極東裁判史観がずっと押し付けられてきたかの如き論は、好意的に言っても論者たちの記憶違い、毒づくように言うのならば笑止の沙汰である。
 記憶をたどってみれば、これらの論が表に出てきたのは、1970年代に入ってからであった。意外に新しく、悪い言い方をすれば今出来の論調なのである。

そしてその始まりは「南京大虐殺の幻」からではなかったかと思う。更に言わせていただければ「自虐史観」なる気味の悪い言葉が定着したのは1991年にソ連が崩壊してからである。
 ソ連が崩壊する前にこういうことを世間に逆らって公に口に出来るほど我々は度胸があるわけではないのだ。我々は全員、張三李四たることを免れえないし、全員が「時代の子」に過ぎない。

 さて「南京大虐殺の幻」が何とかの賞をとって多くの人の耳目を集めだしたのは1973年、私が高校2年の終わり頃であった。この時代での大きな出来事といえば田中角栄首相による「日中国交回復」と若干先になるが「サイゴン陥落」である。

 実は、「日中国交回復」に先立って、本多勝一氏を主力とした、いわゆる「中国侵略論」「贖罪論」が盛んに喧伝されたのだが、「南京大虐殺の幻」はこれらへのアンチテーゼとして提唱された側面が相当に強いと思う。少なくとも私はそう解釈した。

 このいわゆる「極東軍事裁判史観押し付け論」が流布された背景に米国が絡んでいたかどうかは今となっては確かめようもないが、これらの論が米国にとって痛くも痒くもなかった、または中国への牽制の意味で米国にとっては何らかの利益があったことは間違いなかろう。さらに穿った見方をすれば「南京大虐殺の幻」が掲載されたのが文藝春秋社の「諸君!」であり、その後の立花隆の「田中角栄金脈問題」が載ったのが文藝春秋であるから、はっきりと米国を含めた大きな勢力の梃入れがあったと考えるほうが腑に落ちるかもしれない。

 時は移った。社会主義聖者幻想が跡形もなくペシャンコに潰れてしまうと、これまでの史観がすべて「自虐史観」であったという勇ましい統合が行われ、それまでの歴史の流れを完全に忘却した「自虐史観批判論」の花盛りとなって、偏狭なナショナリズムのバックボーンとなっている。また機を見るに敏なマスコミもすべて方向転換を完了した。
警戒心の強い私のような人間は、斜めに構えて、薄目で事態の推移を見続けるしかない。

いかりや:
>これらの論が表に出てきたのは、1970年代に入ってからであった。意外に新しく、悪い言い方をすれば今出来の論調なのである。

 「今出来の論調」と言っていいのかどうかわかりませんが、「1970年代に入ってから・・・」については、おおまかには同感です。前回の最後のところで述べましたが、1960年代には、戦後のどさくさも治まり、ようやく日本人の心も過去を振り返る余裕が出てきた時代だったと思います(これは、私自身の自己体験でもあります)。もう一つの大きな要因となったのは1960年代後半のアメリカのベトナム反戦運動の高まりと安保騒動だと思います。このころからアメリカの対外政策に対する疑惑が日本人の知識層に広がり、それに同調して学生運動が活発化しました。

 恥ずかしながら、「極東軍事裁判史観押し付け論」というものがあるのかどうかさえ知りませんでした。私のなかでは、「極東軍事裁判」そのものが、勝者が敗者を裁いた壮大なる「茶番劇」もしくは、アメリカが仕組んだ日本国民に対するみせしめのための懲罰劇「壮大なる芝居」に過ぎないと思っております、勿論米側の日本占領政策の一環としての側面があったことは言うまでもありません。この裁判の問題点の第一は、「東京裁判は事後法で裁いた」卑怯な裁判であるということだと思っています。これこそ、後付の言いがかり裁判です。

この裁判の目的は、次の通りです。
「極東国際軍事裁判所憲章」第一条、極東における重大戦争犯罪人の公正且つ迅速なる審理及び処罰のため・・・・・。
第五条・・・(イ)平和に対する罪~、(ロ)通例の戦争犯罪 即ち、戦争法規又は戦争慣例の違反。(ハ)人道に対する罪 即ち~

 上述の(イ)、(ロ)、(ハ)は、いずれもアメリカ側の瑕疵(戦勝国側の犯罪)もあったにも拘わらず、完全に不問に付している。また、ブッシュが起こしたイラク戦争と対比してみてください。例えば東京裁判で裁かれた「平和の罪」以上に、明らかにブッシュらの方が悪質な「平和の罪」を犯しているのである。(ロ)、(ハ)についても言うまでもありません。私に言わせれば、「中東国際軍事裁判所」を設置してアメリカの犯罪を問う必要があります(苦笑)・・・これらについて日本の政治家、学識者は殆ど論評せず、見て見ない振りをしています。

 参考までに言えば、ドイツを裁いたニュルンベルグ裁判は、東京裁判と質的に異なります。ニュルンベルグ裁判は「ナチスの犯罪」を断罪したものである。ここでも、戦勝国(連合軍)側の犯罪は完全に不問にしている。

 東京裁判では、日本の負の側面ばかりをあげつらって裁いていますが、第二次大戦後、それまで欧米列強により植民地化されていた中国、東南アジア諸国が次々と独立したという厳然たる事実は評価されるべきです
 中国、東南アジアに先に進出したのは欧米列強です、言葉を変えて言えば、「先に手を出したのは奴らである」、「日本はそれらを取り戻し、八紘一宇の大東亜共栄圏を築く」という側面があった(格好よすぎる?(笑))ことも事実です。従って、戦時中我々は「大東亜戦争」と呼んでいた。しかしこの呼称も抹殺された。東京裁判では、裁く側にとって「八紘一宇の戦いや、大東亜戦争という思想」は、彼らが犯した植民地主義の過ちを暴露することでもあり、彼らにとって都合が悪かったのです。

蛇足:
宮崎市内、宮崎神宮の北北西約2kmに、戦前八紘台と呼ばれていた場所に「八紘一宇の塔」が建設され、「八紘一宇」の文字が刻まれましたが、戦後同地は「平和台公園」と改称され、塔の「八紘一宇」の文字は削りとられ、「平和の塔」になってしまった。子供のころ「明日は初陣 軍刀を月にかざせば 散る桜 意気で咲けさくら花 八紘一宇の八重桜」と歌わされた記憶がある。

 戦争に負けるということは、ほんとうに悲しいことですね。300万人の犠牲者を出したうえに、日露戦争で多大の犠牲者を出して獲得した樺太を失い、日本固有の領土、北方四島はいまだ返還されず、竹島は韓国が実効支配、尖閣諸島周辺は中国漁船が我が物顔で操業しています。戦争中は、祭日には何処の家庭の軒先にも、必ず「日の丸」の国旗が掲揚されていました。誰だって戦争はいやだ、もうたくさんですが、今は学校で入学・卒業式で国歌を斉唱することさえ嫌う人がいます(GHQ=WPIG効果)、日本人のプライドさえもズタズタにされた。

 但し、
 日本が起こした大東亜戦争(日中戦争~太平洋戦争)による周辺国への多大な迷惑をかけたことも事実であり、日本は第二次大戦に負けたことにより、余りにも大きなものを失った。東京裁判とは別に、日本人自身が「あの戦争」を総括する必要があります。当時、敵国・鬼畜米英を叩き込まれ祖国の繁栄を願って、戦場に向かった多くの若者が命を落とした。その戦争の総括もせずに、今、日米同盟と言い、集団的自衛権を謳う。真に平和を希求するならば、自国の軍隊を外国に派遣することだけは「もう御免こうむりたい」、また同じ過ちを繰返さないためにも・・・そうすることが靖国の霊に捧げる誠の哀悼であると思うが如何。

 日本人はどうしてこんなに「過去に学ぶ」ことをしないのだろうか。現在進行中の景気低迷がかくも長く15年間以上も続いています何故なのかの原因を探ろうともしない。この15年間に起きていることを検証も分析もしない。「過去に学ばない者は未来にも盲目である(ヴァイツゼッカー)」、だから根本的な解決策も見出せずに、相変わらずただひたすらに「財源々々」とバカの一つ覚えのように繰り返している。その行き着く先は「庶民いじめ」の「消費税アップ」というのだから絶望的です。こうなると、「一億総バカ」と言うほかない。「小沢問題」の馬鹿さ加減をみてください。「小沢氏の政治と金」と言うが、小沢氏が具体的にどのように法律違反をしているのかを一言も言わない。菅や岡田氏らは、一体誰の命令をうけて小沢氏を引きずり落とそうとしているのだろううか。「おまいらは、日本人としての誇りはないのかよ!」
             
明日から3日間、日記は休みます。


「極東軍事裁判史観押し付け論」の幻

2011-01-23 19:00:27 | 日記

 今回は、読書家の明け烏さんの、「極東軍事裁判史観押し付け論の幻」のご意見(一部割愛)をとりあげる。これに対するいかりやの見解は明け烏さんとは大きく異なります。

明け烏:
 映画「大脱走」は文句なしに面白い。ビデオを含めるとかれこれ50回ほど観ているかもしれない。
 まず役者がそろっている。スティーブ・マックイーン、ジェームス・コバーン、ジェームス・ガーナー、リチャード・アッテンボロー、デビッド・マッカラム、チャールズ・ブロンソン等々、まさにオールキャストである。

 また金をかけて舞台装置を作ってあるうえに、時代設定が近いので全く違和感がないのも魅力である。この当時はCGもなく特撮も未熟であったから、空想物を映画にすると、どうしてもアラが目立った。
 筋立てもいうことなし。誇り高きジョンブルたちが命を賭けて自由を希求するさまは壮観である。果たして日本人が捕虜になったときに、ここまで組織立った抵抗を示すことが可能であったかは甚だ心もとない気がしたものだった
私は、この映画からアングロサクソンと日本人との文化比較論を導き出すようなヤボな真似をするつもりはない。またそれに類した意見を持ったとしてもそれは全て後付けである。

 私が「大脱走」を初めて観たのは小学校二年生のときである。字幕に知らない漢字が多かったのに閉口したことは薄っすら覚えているが、何より感じたのは強い違和感であった。これは、はっきりと記憶に残っている。ではこの違和感を強く感じたのは何故だろうか?

答えは、簡単である。―米軍兵士がヒーローでドイツ軍兵士が悪者だった―これに尽きる。私はそのときまで日本とドイツが戦争をしたことを「悪」だなどとは、これっぽっちも考えたことがなかったのだ!いわんや「戦争犯罪」をや

 かつて山本七平氏は、「ある異常体験者の偏見」の中でGHQのアメリカに関する検閲は、徹底しており蚊一匹通すものではなかったと述べていた。すなわち太平洋戦争においてアメリカを「悪」と見做す思考や表現は絶対に許さなかったという。日本はWGIPや極東裁判史観を押し付けられていたということだろう。
 しかしもし私の記憶に間違いがなければ、アメリカのWGIPとやらは完全に失敗している。それはそうだろう。地方の幼稚園児が易々とテレビを観て「アメリカ悪玉説」を信じ込んでいるのだから。
 WGIPが終戦直後から実行され、極東裁判史観がずっと押し付けられてきたかの如き論は、好意的に言っても論者たちの記憶違い、毒づくように言うのならば笑止の沙汰である。

 いかりや:
 「アメリカのWGIPとやらは完全に失敗している」という決め付けた見方はいくらなんでも、荒唐無稽過ぎる気がいたします。WGIP(War Guilt Information Program)は、日本人に戦争について罪悪感を植えつけるため、日本人洗脳のための企画書でしょう?

  広島の原爆慰霊碑に「過ちは繰返しませぬから」という言葉は、まるで「原爆投下の過ち」は、われわれ日本人にあるかのような響きがあります。これを視て、GHQは「我々の洗脳教育はうまくいった」と随喜の涙を流してほくそ笑んだのではないでしょうか。
 GHQは教職員労働組合の結成を奨励し、昭和20年12月に全日本教員組合(日教組)が結成され、日本の教育を歪んだものにした。GHQは、戦争を憎む日本共産党をも支援した。

 アメリカのWGIPが成功した結果(苦笑)、その施策は陰に陽に日本人の心に浸透し戦後65年以上経過した今も、脈々と受け継がれている。その結果として例えば今日の小泉、竹中、菅、仙谷、与謝野、岡田、前原、枝野氏らのようなアメリカに盲従する異様な人物が出現したのではないですか? 与謝野氏は自分が所属していた党(自民)のお世話になりながら、その恩を忘れ裏切り、立ち上がれ日本に入党、その党も脱走して、今度は政権与党の大臣に納まる。戦前ならば、与謝野氏のような行為は恥ずべき行為てして、世間から徹底的に軽蔑され指弾されて存在すらできなかったと思う・・・ルース・ベネディクトが著書「菊と刀」で指摘したように、戦前の日本には「恥の文化」があった、今はその面影もない。

 私は終戦時、小学校4年生〈当時は国民学校と言っていた)だった。わが家の裏山の頂上に探照灯の基地があったので激しい空襲に見舞われた、逃げ惑うなかで左足に火傷を負い、知り合いの姉弟は背中に瀕死の大火傷を負いました。父は軍需工場で働いていました。従って終戦時の混乱した雰囲気も子供ながらに肌身に感じて知っています。

 日本は、日中戦争から太平洋戦争へと15年以上の長きに亘って戦時下にあり、食料事情も悪化して終戦時には、表向きの士気高揚とは裏腹に、敗戦への恐怖と厭戦気分が社会の底辺では秘かに広がっていたことは否めない。そういう状況下で、終戦を迎えて多くの国民が安堵の気持ちと敵国米軍の上陸に対する不安が交錯していたのを、子供ながらに体験しました。従って現在の70歳以下の人たちよりも当時の雰囲気をよく知っているつもりです。

 当時一般的に流布されていた敵国米軍にたいする恐怖感は、占領軍の進駐とともに薄らいだ。敗戦後の極度の食料不足にアメリカの小麦粉、トウモロコシ粉、大豆粕などが占領軍から配給、虱(シラミ)が媒介する発疹チフス予防のためDDTの散布など人命人権尊重を重視するGHQの政策(WGIP)は日本人の心に、意外にも「日本は本当に、負けてよかった(苦笑)」という雰囲気が広がった。

 長い戦争で厭戦気分と抑圧されていた重苦しい空気からの解放とその反動として、GHQのデモクラシー?政策は庶民レベルでは、大成功だったのではないでしょうか。戦後はアメリカ文化:映画「西部劇」やアメリカン・ソングが流行し、アメリカンドリームとして賛美と憧憬の感情は日本人の間で確立されていきました。但し、江藤淳氏のように、最初からGHQの政策を批判的にみていた人もいましたが、それはむしろ例外中の例外であって庶民レベルでは上述したことが、一般的だった。

 だが、GHQの政策に異論を述べたり批判する波が起きるのは、戦後の混乱期を過ぎて、国民生活にもようやく落ち着きを取り戻した1960年代以降です。
 
             ― 続く―

追補:


Seiji:

本記事に関するいかりや爆様のご意見に賛成いたします。

 小学生の時に映画「大脱走」を見て、米国兵士がヒーローでドイツ軍兵士が悪者だったから違和感を覚えた(一方では、文句なく面白いので50回近く見た)とされる方のご意見には勘違いがあるように思っておりました。

 違和感を覚えた背景として、GHQによるWGIP(戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画)が失敗し、自分たちは英米軍悪玉説を信じていたからと書いておられます。地方に住んでいた子供時代の自分と友達の記憶を根拠として、そこまで話を敷衍することには無理があります。

 第二次大戦後の日本政府は米国追従路線をとり続けてきました。その裏には、GHQによって植え付られ受け継がれてきた、言わば親米精神が、多くの日本人から抜けない側面も否定できないように思われます。この点はブログ主様も述べておられます。

 過度に米国を敵視したり、その力を軽視したりすることが間違った判断(極端に言えば戦前のような)につながることを恐れる次第です。

明け烏:

米国の対日情報工作は私なりの分類をすれば次の5期に分かれると思う。それぞれの期における目的と主旨は異なるし、その形態もバラバラで決して一貫したものではないように感じる。しかるにこれを全て「極東裁判史観の押し付け」「WGIP」で括ろうとするところに無理があるのではないか。

(1)1945~サンフランシスコ講和条約まで

(2)1951~1970年の2つの安保を挟む時期

(3)田中角栄氏の日中国交回復~プラザ合意の前まで

(4)プラザ合意~小泉内閣の誕生まで(ソ連の崩壊を含む)

(5)郵政民営化解散~現在まで

個人的に何らかの圧力なり思潮の強引な捻じ曲げを感じたのは、(3)からであった。それまでも情報操作はあったのだろうが、精神的にも幼稚であったうえに、検閲なり工作があった場合には、その部分は目に触れないで闇に消えるのだから感得することは不可能であった。

(1)(2)の期間の情報工作が如何様なものであったのかは今となっては知る由もないが、先日述べた幼少時の記憶と、久生十蘭の作品などを読み返してみると(これを知るために再読する気になった。ただし有名な「母子像」はサンフランシスコ講和条約のあとに発表されている)米国の情報操作は随分と疎漏の多いものではなかったかと思うのである。

そして、御叱りを覚悟の上でいわしていただければ、「極東裁判史観の押し付け論」は(3)の時期に出てきた「南京大虐殺の幻」から始まる「日本善玉ルネサンス運動」を過去に遡って投影ないしはフィードバックした結果として出てきたような気がするのだ。

明け烏:(続き)

記憶をたどってゆくと1972年(昭和47年)秋の田中角栄首相の日中国交回復から米国の対日政策はかなり変化した。当然、情報工作もこれに従って変わっていっただろうと思う。政策変更をもたらした原因となっているものを挙げると、

(1) 日中接近になんとか楔を打ち込んでおきたいという考えがアメリカにあったこと。

(2) 日本が(アメリカの植民地としての)それまでの育成期から収穫期に入ったこと。

(3) 田中角栄氏の独自外交に対して米国側が危惧と立腹を感じたこと。

の三点ではないかと思う。そして米国の世界戦略の一環として、この三点を基にして対日政策を決定したのはキッシンジャー国務長官だったのではないだろうか。少なくともキ氏とその周辺の人間によって、ここからから現在に至る対日政策の原型が作られたことを強く感じる。

ここで話を変えると、日中国交回復までの2年ほどの間に朝日新聞を中心としたマスコミが垂れ流した「中国礼賛」の情報は余りにも過剰であった。歯の浮くようなお世辞とでもいうべきか、見え透いた賛辞というべきか、とにかくひどいものであった。中には後に中国内での大批判を浴びた文化大革命を賛美する西園寺一晃氏の「青春の北京」なるトンデモ本まで現れる始末であった。
当然、眉唾ものの「南京大虐殺」「従軍慰安婦問題」などもこれらから派生して出てきたもので、多分、マスコミ首脳部を中心として北京政府による何らかの情報工作が強く働いたものと思われる。そして宣伝となればオーバーにやらねば意味がない。旗振りの主役は本多勝一氏でもあったろうか。

やがて田中角栄氏の訪中を挟んで、上記の論調ないしは思潮に対するカウンタープロポーサルが人々の目に触れるようになってきた。
いわく「南京大虐殺の幻」「日本の中国侵略はなかった」「盧溝橋で最初の一発を撃ったのは中国軍だった」したがって「日本人は中国に対して贖罪意識を持つ必要はない」「太平洋戦争はアメリカに嵌められてやむをえず起こしたものだ」「従軍慰安婦はいなかった。金を稼ぐために喜んできたのだ」等々。
こちらも逆宣伝である以上、過剰にやらなければ効果はない。極端に走るあたりは、どっちもどっちだというところだろうか。


国民を欺く菅傀儡政権

2011-01-21 19:35:03 | 日記

天木直人氏1月20日のブログ、
""1月20日の東京新聞の「こちら特報部」は全国民必読の記事だ。

 そこにはウィキリークスが暴露した米公電の中に、米国が鳩山ー小沢
民主党政権を切り捨てて菅民主党政権を傀儡化しようとしていた証拠
が明らかにされている。

 米国が菅民主党政権を支持しているということはもはや馬鹿でも
わかる。様々な形でそれが指摘されてきた。

 しかし米国の機密公電を引用してその証拠を明らかにした東京新聞の
「こちら特報部」の記事は、その中でも決定版だ。・・・""

 天木氏はこの記事をえらく、持ち上げている。
 筆者からすればこの記事の内容は、「やっぱり菅はアメリカの傀儡だった」という程度で、それほどの驚きはなかった。
 それよりも菅氏の昨年4月22日のアーリントン墓地献花の時、「菅氏がアーリントンで献花? あれーっ、いったいこりゃーなんじゃい」と思った。

 また鳩山首相辞任後を引き継いだ1カ月後の参院選挙でいきなり「消費税アップ」発言の方が驚きだった。過去の選挙であれだけ国民に嫌われてきた消費税アップを菅首相が言い出せば選挙に勝てるはずがない、負けることが分かりきって消費税アップを突然言い出した。そして参院選は負けるべくして負けた、その裏に何か理由があるに違いないと思った。

 菅政権はアメリカの傀儡であるから、政権の使命は、①米隷従化政策、②日本自立を唱える小沢氏及び小沢グループの排除、③日本経済弱体化のための「消費税率のアップ」だろう。

 本日のニュースによれば、早速米隷従化の一端を示す出来事があった。「前原外相と米駐日大使「思いやり予算」「新協定に署名」とアメリカさんのために懸命に頑張る媚米派代表の前原外相とルース駐日大使のにこやかな写真が映っていた。

 今回の協定は有効期間を4月からの5年間とする、「思いやり予算」の総額は現在の水準を維持するなどとする新しい特別協定に署名した。
 日本政府は24日召集の通常国会に協定を提出し、3月末までの承認を目指すが、自公も従米議員が多い。国会は難なく通過するのだろうなあ(苦笑)。 前原外相は「これからは、思いやり予算という言葉は使わないで。お互いの戦略的観点に基づいて結ばれるものだということを、ここに宣言をしたいと思います」と述べたというが、ごまかしのお笑い種である。
 
 明日をも知れない不安定な菅内閣だが、国民の収入は年々減少するなかで現政権が5年先まで米軍のために「予算」を決める権限があるのだろうか。そもそも5年先までの対外「予算額」を保障することは、憲法86条「内閣は毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない」に抵触することはないのだろうか。

 これに対するマスコミの論評はまだ出ていないが、従米派で彩られている新聞やTVもまともな批判は期待できそうもない(笑)。
 与野党、新聞TVなど体制ぐるみの政治的欺瞞がやすやすと成功する日本である。また騙される側の大多数の国民も、マスコミや識者の批判なしには、政治家のウソを見抜くことはできなくなっている。

 そういう従米主義一色のなかで大手新聞はもう死んでいるも同然。
 タブロイド紙の「日刊ゲンダイ(22日版)」が、頑張っている。

トップ・ページの見出しは、
「小沢・菅」米国が分断工作、機密文書まで発覚
「地検特捜部 敗北 【録音採用】
「なぜか権力に弱いジャーナリストたち」、この国の混乱の現状は 第一線記者の責任・・・もしかしたら例の官房機密費の毒が回っているかもの疑いも

2ページには
 国民は騙されている 小沢強制起訴の虚構第3回
政倫審会長 土肥隆一って何者? にわかに注目 ベテランだけど菅のパシリ

以下省略、内容を詳しく読みたい方は、お早めにコンビニへどうぞ、売り切れるぞ(笑)。

補足:

トッペイ:

革命未だならず 、
ウィキリークスの暴露は日本が未だ占領下にあることを客観的に証明してくれました。
チュニジアでは対米従属のベンアリ大統領が国民の手によって追放されました。この政変に大きな役割を果たしたのは、フェィスブックやツイッターといったネットメデイアでした。日本でもネット情報で覚醒する大衆が増えていますが、マスゴミの影響力は強く、国民的な倒閣運動などは起こりそうもありません。
自分で調べ、自分の頭で考えるこのあたりまえのことがすべての国民に共有できるならば菅や前原のような極悪政権など1秒たりとも存在できないのですが残念でなりません。孫文ではありませんが「革命未だならず」です。

いかりや:
 革命というのは少々オーバーのように思いますが、菅、仙谷、岡田、前原、枝野らの売国政治から脱却して独立した日本になって欲しい。大手の堕落したマスコミは全く当てにならない。フェイスブックやツイッターなどネットによる連帯が政治を変革する威力を発揮しつつあるのでしょうか。政治を変えられるのも、結局は個人個人の力を結集した民衆の力です。そのためには、日本の若者がもっと政治に関心をもってもらいたいものだと思う。


胡錦濤国家主席の訪米と通貨システムの欠陥

2011-01-19 22:11:06 | 日記

 中国の胡錦濤国家主席が18日、米国入りした、国家主席は4日間の日程で訪問。
米政府側は最高の格式を以ってもてなす。正式な外交儀礼、歓迎式典、礼砲、会談、パーティーなどが用意される。オバマ米大統領就任以来、最高級の格式をもって迎えられたのはメキシコとインドの元首のみ、胡錦濤国家主席が三人目であるという。

その胡錦濤国家主席は、出発前米紙ウォールストリート・ジャーナルとワシントン・ポストの書面インタビューに応じ、

 08年の金融危機がドルを基軸としてきた現在の国際通貨システムの「欠陥に根ざし」ており「統制の欠如」を示していると指摘。「現行のシステムは過去の遺物」と切り捨てた。国際通貨システムについてはサルコジ仏大統領がドル基軸体制の転換を主張し、「今年の20カ国・地域(G20)首脳会議など国際会議で議論する必要がある」
と延べ、さらに、
 人民元の切り上げについては、中国国内のインフレが抑制されるとの米国の論理に反論。中国は「価格レベルを統制できる自信も能力もある」としインフレが「為替政策を決定する主な要因になり得ることは、ほとんどない」と述べた(毎日新聞 1月17日)。

 胡錦濤国家主席の自信にあふれた返答は敵ながら天晴れというほかない。彼は現在のドルを機軸とする国際通貨システムの欠陥と指摘し「統制の欠如」と言い切り、「現行のシステムは過去の遺物」と切り捨てた。

 BIS(国際決済銀行)の3年毎の調査によれば、2010年4月の1日当たり通貨取引額は3年前の3.3兆ドルから4兆ドル( $4.0 trillion from $3.3 trillion)になっていることを報告している(18年前の1992年4月の1日当たりは0.88兆ドル)。近年の世界の貿易額は輸出ベースで年間総額で、12.5兆~16.0兆ドルである。いかに「金」で「金」を売買するカジノ経済が横行し肥大化しているかがわかろうというものである・・・

逆に言えば、為替相場は通貨マフィア(背後にFRB)に支配されており、「市場のことは市場に委ねる」とか「公正な変動為替市場」などと綺麗ごとを言っても、実態は彼らマフィアによって支配された汚い市場であると理解するべきである。「円」の為替レートも、通貨マフィア(ヘッジファンド:通称はげたかファンド)がFRBの手先となって通貨市場を支配していると言っても過言ではない。そうでなければ、これほどの巨額のマネーが世界を駆け回るわけがない。

 胡錦濤国家主席の言う「統制の欠如」とは多分上記のことを指しているものと思われる。胡錦濤国家主席が「歪曲された為替市場の実態」の真実を突いているが故に、米側としても中国に真っ向から反論することも非難することも困難だろう。だからこそ、米国は彼に深い敬意を以って遇するほかないのだろう。

 それにつけても、アメリカの言いなりにならない中国が丁重に扱われ、米軍基地を提供し、思いやり予算までやっても感謝されないニッポン、日本政府の隷従ぶりが情けない。

 


日本の借金と消費税アップの愚かさ(続きⅣ):デフレ解消を恐怖する財務省日銀の無責任と菅亡国内閣

2011-01-17 19:02:02 | 日記

 日本の借金は通常の借金と同じようにとらえる限り、借金を返済する方法はあり得ないことは、おわかりいただけたと思います。最早誰もこの借金が増加すること自体を止めることさえもできない。国の借金は、税金で返済するなどと言うレベルではないし、財務省の本音はむしろ「何が何でも消費税をアップ」して景気停滞を余儀なくさせることと、超低金利政策を持続させて国の借金の増殖速度をなるべく抑えて目立たぬようにしたいと画策しているに違いない。財務省も日銀も半永久的にこの借金が増加することを放置したまま、自分たちは責任を取ろうともせず時が過ぎるのをやり過ごしているのです。

 繰り返しになりますが、財務省も日銀も自分たちに責任がかかることに神経をとがらせています。景気がよくなれば金利が上昇しますので、この借金は化け物のように膨張して目立ちますので財務省も日銀も日本の景気回復を望まない。そのため消費税をアップして景気を回復をさせないようにして、超低金利を維持して、自分たちの時代を無難にやり過ごそうとしているとしか考えられない。

 財源論者であり消費税アップを強力に主張する与謝野氏の起用は財務省(背後にアメリカ)の意向が強く反映されたものだと思われる。また、藤井裕久官房副長官の起用は、言葉は悪いが一度はゴミ箱に捨てた中古品を消費税アップ論のために、再利用?する悪企みだ。早速、藤井氏は、17日のTBS番組で、消費税率引き上げに向け、2011年度中の法整備を目指す考えを示した。""消費税増税など税制改革に関する11年度中の法整備を盛り込んだ09年度税制改正法に言及し「与野党とも忠実に従わなければならない」と指摘。法整備に向けて超党派協議での合意を目指すべきだと強調した(共同)""と述べている。

 消費税アップ、嘘も百回言えば、「民」もそうかなあと思うようになるかもしれません。だが、消費税アップしても、そう簡単にはいかないだろう。現在の消費税5%で税収は年約10兆円ですが、H17年度から22年度までの消費税収は、10.6、10.5、10.3、10.0、9.8、9.5兆円と漸減しています。もし消費税を10%にアップしても、消費税収が単純に2倍に増えることは考えられない(庶民の財布の紐がいっそう固くなる)。それよりも、低所得者が反乱を起こすかもしれません。なにしろ、世帯あたりの年収が15年前よりも約120万円も減少している(給与所得者、年200万円以下の人が1100万人、300万円以下1800万人)のに加えて更に消費税のアップの追い討ちをかけるのだから、治安が著しく悪くなっていくことさえ危惧される。

 為政者がやるべきことは、昔も今も変わらない。「民」の竈(かまど)を豊かにすることが先である。

 ここまで書けばおわかりいただけるだろう。この国の借金をを返済する方法としては、""新たに政府がお金を発行して返済する""しかないのです。そして、現実に毎年多額の国債を発行しているという事実も、実は表向きは国の借金という顔をしておきながら、一皮むけば、中身は実は政府紙幣の発行を実施していることと同じことです。何故なら、""新たに政府がお金を発行する""以外に解決手段はないのだから。

 打ち出の小槌を振れるのは政府しかない:無から有を生み出すからこそ、政府の政府たる所以である自然科学の世界では、無から有を作り出すことはあり得ないが、経済現象ではあり得る。経済は人間生活が豊かになるために生み出した虚構の世界だからです、逆説的に言えば、だからこそ経済は胡散臭いのです(苦笑)。今こそ日本人の安心、安定した未来を創り出す発想が必要です。


国の借金をチャラにする方法:その2 2009-05-07
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20090507

ハイパーインフレ恐怖症、政府貨幣発行を忌避する人たち 2009-06-02  
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/e/6c96dcbfc3f1432d29329d6c83892c74


皆さん、消費税アップに断固反対しよう、ご賛同ならばこの考えを拡散してください!

補足:

こなつ:
素人考えですが
国債はほとんどが国内で消化されていると思います。(対外的に負債を背負ってるわけではない)
ということは怖いことはない。どんどん国債を発行したら?
どうせ国債を買えるのは、余裕のあるお金持ち。お金持ちにお金を出してもらいましょう。
国債発行を抑えて、消費税という形で貧乏人からお金をむしり取るのは反対。

いかりや:
国債はほとんどが国内で消化されていると思います。(対外的に負債を背負ってるわけではない)

おっしゃる通りです。国は対外的に借金どころか巨額の債権を保有しているのだから、国債の発行を恐れる必要は全くありません。
それを間抜けな政治家(菅はじめ与謝野、仙谷や藤井ら菅首相を支持するグループ)、マスコミ及び新自由主義を信奉する親米派経済学者らが危機感を煽って国民に恐怖を植え付けています。

私は消費税アップは必要ないと思っています。どうしてもというなら、先ず失われた国民の所得を回復させることだと思っています(これこそが不況の原因であり、政治家の責任です)。
ここ15年間に、国民の所得(特に中間層以下)を低下させて、その額はトータルで年間55兆円以上にもなります。これが今の不況の元凶になっています・・・不思議なことに政治家も経済学者もこのことについては誰も言及しない。まっさきやるべきは国民の所得を回復させることです。

それがどうしてもダメなら、金持ちたちから金をむしり取る方法を模索するべきです。

 


日本の借金と消費税アップの愚かさ(続きⅢ):国の財政はとっくに破綻している?

2011-01-15 18:26:17 | 日記

  前回、""国債の発行とは、政府の借金の証文の発行と同じことです。国債を発行して「民」(この場合、銀行などの金融機関が介在します)から金を借りるわけです。国がそれを返済しようとすれば、①「民」から税金を取って、その中から返済するか、さもなければ ②新たにお金を発行して返済するか二つに一つしかありません。""と記述しました。

 ところが、財務省の資料(1964~2008年)によれば、過去40数年間に亘り、公債残高は増加の一途をたどり、過去一度たりとも減少した記録はありません。ということは借金を歳入(税収ほか)で返済に当てたことは一度もないことを意味します、従って冒頭にのべた①「民」から税金を取って、その中から返済するという考え方は存在し得ないことになります・・・これが現実です。

 実は「民」から税金を徴収してそれを返済金に当てるという考え方そのものが欺瞞です、論理破綻しているのです。だから財務省が「借金はやがて税金で返さなければならず、公債発行による借金は、将来世代の借金の先送りにほかなりません。私たちの子供や孫といった世代が、借金の返済に苦しむことになるのです」というのはウソっぱちです。ただ単に「消費税アップ」を受け入れさせるための脅し文句に過ぎません。

 それでも、今後も借金は容赦なく増え続けていきます。景気がよくなれば、金利を上げざるを得ません、金利を上げれば借金は雪だるま式に増えていきます。財務省はそれを恐れているのだと思います。よく「このままでは財政破綻する」という識者がいます。実は、国の「民」からの借金を、真正の借金としてとらえる限り、この国の財政はとっくに破綻していると言わなければなりません。

 国の借金のとらえ方として、GDP(名目)比で何%という見方をします。財務省のHP(日本の財政を考える)もそういう見方をしています。通常はGDP比70%程度以下がベター、わかり易くいえば国の総売り上げの7割程度以下が望ましい。日本の場合は、現在約200%近くになっています。1996年のGDPは、504.3兆円でした。これに対して同年6月末時点の借金残高は、国債費ベースで233兆円でGDP比46%、国債費、借入金、政府短期証券合計334兆円でも66%です。従って、今から15年前までは極めて正常であったと言えます。このバランスが崩れたのは、この年以降です。借金は猛烈な勢いで大きくなるのに、経済成長(名目GDP)は、殆ど止ったままです

 そもそも、1995、6年以降の日本経済が異常な状態だった。世界各国が2倍近い経済成長を遂げるなかで日本だけがおいてけぼりでした。一人当たり名目GDPは先進国のなかでは、最低にまで落ちている。日本は世界一の経済大国になりうる潜在能力を有しながら、悲惨な現状です。

 何故このような馬鹿げたことが起きたのかと言えば、結論を言えば政治が悪いからです。

 金融ビッグバンと称して、新自由主義(市場原理主義)の考えが横行しました。米政府筋の言いなりで規制緩和とグローバリゼーションが錦の御旗となり、時価会計制度の導入、BIS規制の導入、超円高の導入等、マネーでマネーを売ったり買ったりアメリカ型ユダヤの金融資本主義経済(カジノ経済)に巻き込まれ大損しました。政府・官僚は、自分で自分の首を絞める事ばかりやって来ましたね。ゲーツCIA長官(当時)の言う通りの、日本経済の弱体化が実現しました。

 菅首相は内閣改造して、市場原理主義を信奉し似非財政再建論者であり、消費税アップ論者である与謝野馨氏を経済財政担当相に迎えた。消費税をアップして緊縮財政を採ればどのような結果を招くか、日本の産業の根幹を成す中小企業に決定的なダメージを与え、日本経済はますます萎縮し庶民の生活を苦しめることになるだろう。そのような事態に至って、ようやく国民は目を覚ますのだろうか。

次回もこの続きです。

蛇足:

厄病神与謝野!


 トッペイ:

 与謝野の入閣も正式に決まりあまりのばかばかしさに怒る気も失せています。
 与謝野は、海江田さんと東京1区の議席を争い、選挙民は海江田さんを選んだのではないですか。
 海江田さんに負けた政策の全く違う与謝野を入閣させるとは菅は民意というものを如何に考えているのでしょう
与謝野は、「民主党が日本経済を破壊する」という本を書いていたようですね。この本で民主党の政策を徹底的に批判しておきながら、お呼びがかかると臆面もなく大臣の座に座る。

 こんな無節操で恥知らずな男は前代未聞です。
 しかも、参院選の大敗北の責任者、枝野を官房長官に指名するなど言語道断、この内閣の顔ぶれを見ると無責任デタラメ増税内閣としか見えないです。

いかりや:
 与謝野氏は市場原理主義者で、小泉政権時代の欺瞞の構造改革(市場原理主義)がもたらした災厄を彼は理解できていない。上述の本文でも指摘したように、国の借金はここ15年くらいの間に、自民党の失政によって異様に膨らんだものです。彼の信奉する市場原理主義は日本国民に大きな災厄をもたらした。自己責任のはずですが、自分たちの失政については何一つ語らないし、わかっちゃいないんだ、こいつは。何かと言えば、「財源、財源」と言い、消費税アップを唱える。

 昨年3月にこんなことがあった。
与謝野氏の勉強会に自公政権時代の経済財政諮問会議の主要メンバーの一人だった市場原理主義信奉者の吉川洋東大教授が招かれていた。そこへ、尾辻自民党参議院会長が乱入してどなり込む騒ぎがあった。吉川氏と対立していた尾辻氏は、骨太のまともな庶民派である。



日本の借金と消費税アップの愚かさ(続きⅡ):金とは何か、お金は何処から来るのか?

2011-01-13 20:48:47 | 日記

1)お金とは何か、
 お金は財(物)の交換を媒介するもの、簡単に言えば、物を売ったり買ったりする手段であり、商品価値を決める物差しでもある。しかし、それ以外にも重要な役割があります。

 本ブログを立ち上げて3日目(09年4月18日)に、「お金って一体何なのさ?」と題して、冒頭次のように書きました。
 ””人の心はお金で買える? 「人の心はお金では買えない」、「お金がすべてではない」と私も思いたい。でも、人の心はお金で買えなくとも、「人の心はお金で変わる」ことは確かのようですね。あなたはどう思う? やっぱ、今の世の中はお金がなければ生きていけない仕組みになっている。””
 
 お金とは何か?と突然聞かれても、一瞬ぐっと詰まる方も多いのではなかろうか。お金とは何かを説明しろと言われても、筆者も返答に苦しむ。現代のお金は殆どが紙切れ(紙幣)とコインです。昔、中国の殷の時代には、子安貝が貨幣だった。ヤップ島では今も石の貨幣(石貨)が使われているとか・・・。

 要するにお金とは何でもいいのです、但しありふれたものではまずいだけです。石でもいいけれど誰でも簡単に手にいれるものではダメなだけです。それは何故かと言えば、希少価値のあるものでなければ「民」を統治する上で都合が悪い。昔の権力者(王様、部族の長など)は、極端なことを言えば独り占めにできるようなものにして、お金なるものを臣下や民にくれてやるから、「俺の言うことを聞け」と統治の道具としての側面があります。つまり時の権力者、国家元首、現代であれば国家が「お金を管理する必要がある。これはお金をコントロールするだけでなく、お金を通じて「民」を支配する重要な側面があります」。だから、冒頭で述べた「人の心はお金で買える? 人の心はお金では買えない」などと禅問答(苦笑)しましたが、「やっぱ、今の世の中はお金がなければ生きていけない仕組みになっている」と言わざるを得ません。

 国債の発行とは、政府の借金の証文の発行と同じことです。国債を発行して「民」(この場合、銀行などの金融機関が介在します)から金を借りるわけです国がそれを返済しようとすれば、①「民」から税金を取って、その中から返済するか、さもなければ ②新たにお金を発行して返済するか二つに一つしかありません。但し③借金を踏み倒すという方法はありますが、その手段は国家の非常事態の時以外にはありえません。①は、財政歳出以上の税収があれば可能ですが、その実現は「夢のまた夢」の話しです。仮に万一そういうことがあったとしても、それは偶々返済に回せる金が生じたに過ぎず、それは雀の涙程度でしかあり得ないはずです
 これはどういうことかと言えば、国の借金返済は元々無理な構造になっているからです、何故ならば、国は返済金を生み出すようなビジネス(商売)をやっていないからです他人が貴方に金を貸してくれるのは、貴方が働いて稼いでいるからです。銀行が企業に金を貸してくれるのも、返済してくれる当て(事業)があるからです。こんなことは世間の常識じゃないですか?

 借りた金を返すのに、また金を借りて返済金に当てるような多重債務者(政府)が、並の手段でその自縛から開放されることはあり得ない。特別な非常手段を取らざるを得ないことは言うまでもない。それを財務省は「借金はやがて税金で返さなければならず、公債発行による借金は、将来世代の借金の先送りにほかなりません。私たちの子供や孫といった世代が、借金の返済に苦しむことになるのです」と、さもしたり顔で無知な国民を脅しているのです(消費税アップを画策する手段として)。

 2)お金はどこから来るのか?について、

 アメリカの場合信じ難いことですが、お金の発行権限は法律上、FRB(連邦準備銀行)という一企業が保持している(FRBは1913年、通貨発行に関する独占的地位が与えられました)。お金は力の源泉です。従ってアメリカは表向きは民主主義大国のようにみえますが、実のところは権力は二重構造になっています。オバマを陰で操る勢力が存在するのです、しかも現在この陰の勢力の横暴が目に余るのです。

 日本の場合、一般の人はお金は日本銀行が発行するものと思っている人が多いのではないでしょうか。日銀券の外に政府紙幣(貨幣)があります。日銀券と政府貨幣の違いについては、ここでは深く立ち入りませんが、日銀が発行する日銀券は日銀の債務勘定に計上される(日銀の借金である)。「日銀券」と「政府貨幣(紙幣)」と言っても、それは取り決め上のちがいであって、実際はバックにいる「国家の信用」で成り立っています。従って「お金とは信用」であると言っても過言ではありません。それ故に、お金はどこからくるのか? と言えば、当たり前のことですが「国から来る」ということになります。お金の発行元は国家です。
 次回もこの続きです。

 蛇足:内閣改造、

 仙谷官房長官は官房長官辞任、党の代表代行へ天下り(天上がり)? 枝野官房長官誕生、与謝野氏は「立ち上がれニッポン」を離党して菅内閣閣僚へ・・・与謝野氏は強力な消費税アップ論者、これで菅内閣は消費税アップを強力に推進すること間違いなし。あの「負の平和の配当」を画策したゲーツ長官来日、彼への手土産人事? まさか反吐がでそうな「げーっ人事」だ(笑)?ってことはないだろうなあ!

参考:自民随一の経済通、与謝野氏に、迂回献金疑惑 (2009-06-25)
http://blog.goo.ne.jp/ikariyax/d/20090625

補足:

トッペイ:
平成の迂回献金王

平成の迂回献金王与謝野が入閣予定とは悪い冗談です。この御仁自分のことは棚に上げて鳩山さんを誹謗中傷していましたね。迂回献金王は極端な緊縮財政派ですから、消費税アップの布石のような気がします。与謝野は小選挙区で落選して比例で復活したのですから、本来自民党を離党すれば、自動的に議員の席を返上すべきですが。
断末魔の菅政権に入閣とは何を考えているのでしょうかねえ。
自民からしても裏切り者の与謝野は信用できないでしょうから、菅の改造内閣のアキレス腱になりそうですね。

いかりや:
与謝野晶子の孫ということで良血のサブレッドのつもりでいるらしいけれど「政治は生活である」という庶民感覚はない。その上性格が悪いので、選挙に弱い。自民の比例で復活当選しているにも拘らず、自民脱出して「立ち上がれ」へ、更に民主へ、まるで悪性の消費税ウイルスを抱えて、渡り鳥する男・・・自民党時代経済通と言われたが、その実経済のことはど素人、平気で人を裏切る渡り鳥、義理も人情もなければ信義もなし。これではバ缶の缶ころがし遊び、末期症状でしょう。
 


日本の借金と消費税アップの愚かさ(続き):何故消費税に拘るのか?

2011-01-11 17:38:41 | 日記

 今回は「お金とは何か」「お金はどこから来るのか」を考えてみる予定でしたが、そのまえに、もう一度国の借金と消費税の関係について考えておきたい。

 前回、””国の借金を真性の借金として捕らえる限り、最早この借金は、「やがて税金で返さなければならず・・・将来世代の借金の先送り」といったレベルを超えています。どんなに景気が回復しても税金で返済できる域を超えています”” と述べました。これは何を意味するかといえば、この国の借金を真正の借金としてみる限り、借金は既に肥大化し過ぎて、out of control つまり制御できなくなっているのです。

 国の借金は昨年9月末時点で909兆円ですが、地方の借金が約200兆円ありますので、地方と国でこの国の借金は約1100兆円です。仮に将来景気が回復して財政均衡を達成したとしても、借金の元金と金利の返済をする必要があります。例えば金利が3%になっただけでも30兆円以上の利払いが発生します。その場合の利払いの財源はやはり新たに国債を発行するほかありません。

 財務省の資料によれば、平成20年度予算では借金返済としての国債費20.2兆円を計上していますが、このうち金利部分は9.3兆円です。超低金利時代でさえ返済額の約半分が利払いです。

 1985年~1995年の国債費の利払いは、年平均10.5兆円です当時の金利は3%~6%(公定歩合)です。国の借金(債務残高)は現在の半分以下ですが、現在よりも多額の利払いです。いかに金利による利払いが大きいかがわかります。

 これらのことから明らかなことは、景気が回復すれば超低金利を維持できるわけがないのですから、財政均衡しても国の借金は減少するどころか雪だるま式に借金は増えていきます。財務省はこのことをよく理解しているのです。彼らの本音は景気が回復しては困るのだと思います。景気が回復して金利が上昇して、ほっといても借金が雪だるま式に増大することが明らかですから、それが彼らの最大の恐怖なのだと思います。

 従って、景気回復無しで財政均衡に持っていくには、消費税のアップしかないと考えているのだと思います。それ故、官僚、政治家、経済学者、大企業(輸出企業は消費税の還付がある)そしてマスコミも含めて一丸(笑)となって「消費税をアップすることはいいことだ」となるわけです。そして消費税アップは国民の「社会保障費」のためだという正義(笑)の錦の御旗をでっちあげて国民を騙そうとしているのです。消費税のアップは国民の消費意欲を低下させるので、デフレ状態がいつまでも続いて景気回復も起こりませんので、財務省の思惑通りになります。菅直人首相は、アメリカばかりでなく財務省官僚の代弁者、官僚の言いなりです。

 しかし、行き過ぎると日本経済を破壊しかねませんので、少しづつアップすることになると思います。消費税アップの最大の被害者は、低所得者や、中小企業です。日本の国力(海外競争力)も落ちていきます、これも日本の弱体化を謀るアメリカの思惑と一致しているのです。これが菅首相の言うところの「最小不幸社会」の逆、貧乏人は「不幸になれ!」を実現しようということになります(この人は言うこととやろうとすることは常にちぐはぐです、そのことに気付いていないのもこの方の特徴です)。

 国税庁公表の資料によると、平成21年の年間を通じて勤務した人4506万人のうち24.5%約1100万人が年収200万円以下です。これも既述したことですが、日本人の世帯当たりの年収は1994年のピーク時よりも、120万円近くも低下したことと関連しております。2010年12月2日厚生労働省の発表によれば、昨年9月の生活保護は過去最多の140万世帯、受給者数も195万人となっている。今後も生活保護者は増え続けることでしょう。これらの人たちにも、容赦なく消費税を払わされています。消費税をアップする前に減った年収のせめて半分約60万円くらいは増収してからにするべきである。

 消費税アップの不当性については、これまで何度も指摘してきました。貧しい人たちは、借家住まいしている人が多い。日本は諸外国に比べ、生活インフラ代(電気・水道料、家賃)が著しく高い、これらを考慮すればこれ以上の消費税アップは残酷税であると言わなければなりません。


日本の借金と消費税アップの愚かさ

2011-01-09 19:25:15 | 日記

 日本の借金って何?
 財務省公表の資料によると、H22年9月末時点で国の借金は909兆円(国債、借入金、政府短期証券の合計)です。

 財務省のHP「日本の財政を考える」によると
わが国の財政状況は、主要先進国の中でも最悪の水準となっている主張しています。
 我が国は今後ますます高齢化が進み、20歳~64歳の人口が減少する一方で、65歳以上の人口が増加・・・このような状況のなかで、年金や医療といった社会保障に関する経費が急速に増加することが見込まれ、また膨大な国の借金が生む金利や元本の返済の問題があります。・・・借金はやがて税金で返さなければならず、公債発行による借金は、将来世代の借金の先送りにほかなりません。私たちの子供や孫といった世代が、借金の返済に苦しむことになるのです。

 筆者に言わせると、国の借金を真性の借金として捕らえる限り、最早この借金は、「やがて税金で返さなければならず・・・将来世代の借金の先送り」といったレベルを超えています。どんなに景気が回復しても税金で返済できる域を超えています。

 菅首相は昨年の参院選挙で突然消費税アップを主張して参院選大敗北しましたが、それに懲りもせず、1月4日の年頭会見で「社会保障の在り方とそれに必要な財源を消費税を含む税制改革を議論しなければならない。そのことは誰の目にも明らかであります。」と述べ、「昨年の参議院選挙では、やや唐突に消費税に触れたために十分な理解を得ることができませんでしたが、今、幸いにして自由民主党も公明党もそうした姿勢を示されております。今がまさにその時だと思います。」といかにも財務省の代弁をするごとくに、尤もらしく言いまくっています。

 昨日(8日)元連合会長の笹森清内閣特別顧問と首相公邸での会談では「このまま赤字国債を発行するような状態は、2年先は無理だ」との認識を示したという。何を根拠にして2年なのかわかりませんが、彼の頭のなかは「消費税アップ」で凝り固まっています。消費税をアップすることが彼にとってまるで「錦の御旗」であると思っている(苦笑)。彼の硬直した頭では「財源」は消費税以外では考えることができないようである。

 財務省のエリート官僚は言うまでもなく、マスコミや経済の専門家たち、自民政治家や、民主党議員まで、大変だ~「財源々々」と繰り返し、「財源」に消費税アップしかないという始末である。こうして国民も「やっぱ消費税を上げざるを得ないのだろうか」と洗脳されていきます・・・筆者に言わせればハーメルンの笛に踊らされるごとく全員で危険な断崖へさ迷う一億総白痴化現象である。借金に対して、国民全体で正常な思考力が働かない末期的症状に近づきつつあることが恐ろしい。

 過去の日記で述べましたたが、日本の借金は「家計を共にする家庭内で、父ちゃん(政府)が母ちゃん(国民)から金(日本円)を借りている状態」です。借金が家庭内に留まっている限り一応問題はないのです(現状の日本がそうです)。ろくでなしの親爺がバクチに入れあげて一家の財産を食いつぶして、家庭外で借金を重ねるようになれば、大変なことになります。日本は対外的には、財務省公表の資料によると、対外資産は555兆円、対外負債は289兆円、差し引き266兆円の純資産があります

 これも過去の日記で述べましたが、1971年のニクソン・ショック以降、1973年までにUSドルを機軸通貨とする変動為替相場制に移行しました。この時点から、日本は対外的には「ドル」と、日本国内では「日本円」という二重通貨制となった。「ドル」と「円」との関係は、いわば主従関係であって、アメリカが風邪ひけば日本も風邪をひくと言われてきたように、以後「円」相場はアメリカの事情(意向)に振り回されて、現状は行き着くところまで行き着いた感があります。筆者は、「円」は主として日本国内で流通するので「ドル」に対して「円」は「地域通貨」にみたてています。ここまでは、ご理解していただけるかと思う。

 次回は、視点を変えて「お金とは何か」「お金はどこから来るのか」を考えてみたいと思います。


庶民の新春砲弾(放談):四日から七草まで、

2011-01-07 18:28:34 | 日記


いかりや:

 菅首相の新年の記者会見聞いていて、わての心穏やかではなくなりました。

 元日の新年会に国会議員約120人を集めた小沢氏、一方の菅ちゃんは、首相公邸で新年会を開いたが、出席者は45名で公邸内では「菅こどり?が泣いた」だったとか・・・菅ちゃんとこの伸ちゃんが200人分のおせちを用意して待ったけど、150人分はどうなちゃったの、「きっと、ホームレスに・・・」と思いきや、生ゴミに? まーいっか!

 本日(4日)の官邸での年頭の首相記者会見、印象に残ったのは、「小沢潰しに血道をあげること」、参院選であれだけ痛い目にあっても、「消費税アップ論議したい」、「TPPを検討していきたい」・・・国民の生活のことなんか考えちゃいない。

これでは、さらに支持率菅落間違いなさそうだなす。党内からも見放される、今月13日の両院総会は大変だ! 

小沢氏の「政治とカネ」の問題に区切りをつける決意を披露。議員辞職にも触れ、何がなんでも小沢氏の「政界追放」が、菅首相に課せられた使命らしい。

 首相兼小沢追放特命大臣殿!せいぜい頑張ってくんなまし、頑張れば頑張るほど国民の気持ちは離れていきます。支持率を低下させて、一日も早くお辞めになることを心から願っております。

Drジョー:
会見の内容について、本日の朝日新聞朝刊が『首相年頭会見―本気ならば応援しようと題する社説を載せていました。題名を見て、また下らんこと書いとるんやろな~と読んでみれば、

『まずは「その意気や良し」としておこう。今度こそ、ぶれず、ひるまず、掲げた目標をやり遂げてほしい。菅直人首相が年頭の記者会見で、政権の今年の重点課題を明確にした(中略)・・・首相が二つの政策課題とともに、政治とカネの問題へのけじめを掲げたのは当然だ。その第一歩として、通常国会が始まる前に、小沢一郎氏の政治倫理審査会出席を実現する。それがすべての出発点である。』

*全文はこちらです。http://www.asahi.com/paper/editorial20110105.html

対米従属派でCIA協力者リストにも名前のある船橋洋一なる人物を主筆に起用していた(昨年末退社)のが朝日新聞。上記社説は朝日の姿勢が変わっていないことの証しでしょう。

朝日新聞のみならず、日本のマスコミ発信情報の多くが米国(CIA)の管理下に置かれている可能性、そしてマスコミの言うことを真に受ける人も多いであろうことを危惧している次第です

いかりや:

朝日の社説、
>『まずは「その意気や良し」としておこう。今度こそ、ぶれず、ひるまず、掲げた目標をやり遂げてほしい・・・首相が二つの政策課題とともに、政治とカネの問題へのけじめを掲げたのは当然だ。

朝日(NYタイムス・オバマ新聞の下請け)社説、読ませていただきました。書かれている内容を読んでいるうちに、この社説はあまりにひど過ぎると絶句。日本の新聞じゃない、まるでアメリカのどこか中学校か高校の新聞部のクラブ活動やおまへんですか。

オバマ高校〈笑)の新聞部が部活活動で菅応援歌を送っているみたい。大学生でもこんなひどいことは書かないぞ。

まるで缶ちゃんを、アイドル扱いやおまへんか、書いている内容はアイドル(idle;怠け)記事でごわすぞ。

1) 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加を念頭に置いた「平成の開国」・・・TPPの恐ろしさを全く理解していない(中高生レベルだから仕方がないか?)。

2) 消費税引き上げを含む税制と社会保障の一体改革・・・消費税アップの不当性を全く理解していない痴呆新聞、中高生に笑われるぞ。

3) 政治とカネの問題へのけじめ――の3点である・・・
「政治と金」問題のけじめは、官房機密費をもらったマスゴミの反省としてのけじめなら、許したる(笑)。

>その第一歩として、通常国会が始まる前に、小沢一郎氏の政治倫理審査会出席を実現する。それがすべての出発点である

小沢さんが性倫審出席が第一歩でっか?

小沢さん、まさか菅さんの真似して「かん人クラブ」に通って、隠し子ができたつーこと?

そげなことしたなら、小沢さんは性倫審に出て堂々と「わしはそぎゃんクラブには行ーっとらん、じゃから缶さんみたく隠し子はおらんとじゃー!」と訴えたほうがよかんべなあ。

Drジョー:

 ところで、いかりやさんのブログコメンテーターのお一人であるトッペイ氏の以下の記載は「なるほど!」と頷けました。

>ネット上で、菅の学生時代のことが暴露されています。東工大時代に日共の手先となって全共闘のバリケード破りを率先してやっていたようです。

恐らくは民青(民主主義青年同盟)に所属していたものと想像されます。ミンセイと言えば大学紛争当時に、国家権力側と同様に、心ある学生に毛嫌いされていた存在でした。

 全共闘に代表される若者の改革意欲に水を差すような主張を繰り返し、あげくの果てに権力側と馴れ合って手打ち式に持ち込んだ忌まわしい存在だったと言えましょう。

 「このままでは何の変革もできない」と、反権力運動が過激化して日本赤軍や連合赤軍による異様な事件をもたらすきっかけになった存在でもあると思われます。


 元市民派運動家とされる菅氏が、実は元々似非民主主義者であったことがようやく理解できたような気がしております。

 菅氏が代表である民主党は許容できません!

いかりや:

>恐らくは民青(民主主義青年同盟)に所属・・・ミンセイと言えば大学紛争当時に、国家権力側と同様に、心ある学生に毛嫌いされていた存在でした。

>全共闘に代表される若者の改革意欲に水を差すような主張を繰り返し、あげくの果てに権力側と馴れ合って手打ち式に持ち込んだ忌まわしい存在だったと言えましょう。

>元市民派運動家とされる菅氏が、実は元々似非民主主義者であったことがようやく理解できたような気がしております。

 もし菅氏がそうだとすれば、人を裏切るのもへいちゃらな男?
下記は、ネット情報ですが・・・・

イ) 市川房江氏に対する裏切り行為(市川房江氏へカンパしてくれた人の名簿持ち出し)

ロ) 石井紘基議員刺殺事件では、公用車使用を勧めたのは菅氏だったとか(公用車がつくようになったのは事件の一週間ほど前、公用車は数日前に時刻を指定する必要がある・・・)

ハ) 三井環氏は菅直人とも接触があった、国会の証人喚問に出る事も了解しており、検察裏金暴露問題で鳥越氏のインタビュー受ける手はずだったが、その直前に逮捕された。その当日に菅直人と会うはずであったという。 

菅氏は昨年4月22日、なぜか唐突にアーリントン墓地へ献花している。

小沢氏に対する、異様な敵愾心(小沢氏は検察不起訴、三人の秘書が問われている問題も限りなく無罪、そのようなことは菅氏は充分承知しているはず。検察審査会の疑惑も彼は知らぬはずがない(森ようこ民主議員も指摘している)。

にも拘らず、執拗に小沢氏排除にこだわる・・・単なる、恨みや敵愾心だけでは割り切れないものを感じます。

小沢氏は、09年8月30日の衆院選挙の民主の大躍進の立役者であり、菅氏が首相になれたのも、そのお陰です。

その最高の同志とも言える人を排除しようとするのは、単なる裏切り行為だけでは、割り切れないものを感じます。

 このように考えると、小泉ー菅には共通のものを感じます。

らうたん:

 「菅・仙谷には国を任せられない」…西岡参院議長が手記
http://www.asahi.com/politics/update/0106/TKY201101060433.html

 結局、能力のない人が能力のある人を追い出したいのだと思います。

そうこうするうちに日本も民主党も壊滅的なダメージを負うのではないでしょうか。

Drジョー:

こんにちわ。

松の内も本日(7日)までですね。今朝からこの冬一番の寒さとなり、当方は家の中に籠っています(これを書き込んでいるわてのあぐらの上では猫が丸くなって、時々ニャーと^^)。


ところで、言うまいと思えども・・・
2009年夏、民主党政権が誕生した時には変革の第一歩が始まったようで、わくわくするような心持ちになったことを覚えています。

その後1年程度はマニフェストどおりに事が運ばなくても、まだ政権ができてからの期間も短いことだからと期待感を失わずにいたものでしたが

鳩山氏の変節ぶりを目にしたあと、さらに菅首相が誕生してから現在に至るまでの彷徨えるがごとき民主党の姿を見るにつけ、失望感が大きくなるばかりであります。

いかりやさんは、
>その最高の同志とも言える人を排除しようとするのは、単なる裏切り行為だけでは、割り切れないものを感じます。

らうたんさんは、
>結局、能力のない人が能力のある人を追い出したいのだと思います。

小沢外しの画策が自分の品性を貶めていること、引いては国民の民主党離れにつながる可能性に思い及ばないのでしょうか、それともメリケン親分の言うがままやからそんなの関係ない? 菅直人はん。

追記:

Drジョー:

上記の記事中、当方の文責による記載に間違いのあることに気付きましたので訂正いたします。

菅直人氏の学生時代に関する<恐らくは民青(民主主義青年同盟)に所属していたものと想像されます>の記載は、事実と異なります。推測に基づいて確認しないまま書いたことをお詫びいたします。

いくつかのネット記事に共通する記述として、菅氏が以下のような形で学生運動に関わっていたことは間違いないようです。

<東工大学生時代に、民青と全共闘の間隙を縫うように「全学改革推進会議」なる組織を作ってリーダーとなり、スト破りなど全共闘運動に反対する立場で行動した>

ネット記事の一つに「当局ご用達のスト破り行為がなぜ学生運動なのか、理解に苦しむ」と書かれており、共感を覚えました。やはり、学生時代の菅氏は「全共闘に代表される若者の改革意欲に水を差すような」存在だったものと思われます。

一部菅違い?してしまったものの、学生時代の行動まで遡った上での菅直人の再評価(元々似非民主主義者)は変わりませんので、ご安心下さい、いかりやさん

いかりや:

わざわざ丁寧に、訂正いただきありがとうございます。


日本の歪んだ民主主義の風景

2011-01-05 16:45:39 | 日記


明け烏:

 国民の半分以上が「食っていけない」社会を民主主義体制と呼ぶのは、悪い冗談か、ブラックジョークだと思うのです。
 国民の最大多数の幸福を目指す「民主の原理」に反するからです。つまり社会システムのどこかに大きな瑕疵があるからこそ、こういうおかしな事態になっているわけです。
 本来、その瑕疵を取り除くのが役目である「司法権」(自由の原理に基づく)とマスメディアが機能していないとしか考えられない。
櫻井よし子氏は、このあたりを理解して書いているのか、甚だ不可解です。

もし米国が「日韓安保条約」と「TPP」の2つを同時に完遂しようと計画しているのであれば、これまで盛況を極めていた「韓国批判」の論調がトーンダウンするなりピタリと消えてしまうなりの反応が現れるはずである。

実際、あれほど排外的ナショナリズムの権化であった櫻井よしこ氏が「竹島問題」について事実上の「放置論」または「棚上げ論」を言い始めている。
ウヨクとこれに指令を飛ばすアメリカは、おそろしく現金であるから、素早い対応があるはずである。論調の変化を見逃してはならない。

愚息は韓国の「TPP」への参加についても、解ったようなことを言っていましたが、韓国国民はもはや、これに反対する術も気力も判断力も喪失しているようです。―嘆かわしい!

いかりや:

 最近の世相は親が幼児を虐待死させたり、いい歳をした息子や娘が老人を虐待したり殺したりという所謂DV(ドメスティック バイオレンス)家庭内暴力事件が増大して殺伐とした日本の「風景」を感じます。

 その一方で「物質的に豊かになるだけでは、幸せを実感できなくなっている」と、したり顔に言う識者の発言をよく耳にします。桜井よし子氏も質は違いますがこの種類に属する人間だと思います。だが、そう語る人たちの多くが、物質的な豊かさの果実の恩恵を最も多く享受している名の知れた識者の人たちや政治家である。保守の大御所的存在とみなされている渡辺昇一氏も桜井よし子氏同様、その類ですね。彼らの共通点をあげれば強欲な性格の持ち主であるとともに、上からの目線しかもたない「共生する」考えを持たない片目思考をする人々である。彼らには、貧困がもたらす犯罪に考えが及ばないのである。

 彼らは「そもそも豊かさとは何なのさ?」と問われても、まともに答えられないに違いない。豊かさとは、物質的豊かさのほかに他人と共生して始めて感ずることの出来るものである。彼らの多くはアメリカ的な新自由主義(市場原理主義)者で、自由な競争をして、競争に勝つためにはあらゆる障害となるものを排除(規制緩和)して儲けさえすればいいという考え方です。儲け至上主義だから、そのためには他人を蹴落とし、ずるいことをすることも厭わない。

 豊かさの果実をむさぼり食っている連中がさらに「安寧」を欲しがる強欲さに気づいていない。彼らの強欲さ(自分たちさえよければいいという)が、社会的弱者を生み出し、社会不安を生み出しているのである。
 物質的豊かさの恩恵をタラフク食っている連中にそんな「きれいごと」を言われたくないと思っているのが我々庶民の本音である

 民主主義の政治が例えば、共産主義や社会主義社会よりは多少ましなのは、「民」が自由に自分たちが求める人を選ぶ(選挙)権利を有することだと思います。だから、「民主主義の原点は選挙である」と小沢一郎氏は主張します、彼が「選挙活動」に重きをおく所以です、だから民主的な政治を動かす原動力は「数は力なり」です。「政治は数、数は力、力はカネなり」という側面があることは事実です。民主主義は「金」がかかる仕組みになっていることは、昨年の12月3日の日記で書きました。民主主義の原点は選挙ですが、選挙には金がかかります。

蛇足:

トッペイ:

 菅の年頭会見で早速小沢切りを公言していましたね。

 完全無罪の同志を政権浮揚のために切り捨てるこの冷酷さは、育てられた工作員であることを確信しました。言わば戦前の共産党スパイMのようなものであるのでしょう。特高に操られてギャング事件を首謀して、共産党を壊滅に追い込んだ役割を菅は演じているのかも知れません。

 自民党が下野したときのことを見込んで米国がスリーパーとして野党に潜り込ませ、野党が政権獲得した場合、政権政党を破壊するために次々と酷い政策を打ち出しているような気がします。
菅は何もかも承知のうえで、日本を破壊しようとしているのです。

トッペイ:

ネット上で、菅の学生時代のことが暴露されています。東工大時代に日共の手先となって全共闘のバリケード破りを率先してやっていたようです。
日共は当時の学生からも蛇蝎のごとく嫌われ、庶民の味方の振りをしながら、実は権力の補完装置でしかなく、全選挙区に候補をたてることにより、対抗野党に回る票を食い破ってきました。
終戦でGHQによって獄より解放された共産党員は米軍を救世主のように歓迎しました。
この頃から、日共は権力の裏部隊として機能し始めたのではないでしょうか。

いかりや:
昨日(1/4)、菅首相が年頭の記者会見の冒頭で述べた3つの理念について、

3つの理念とは、

① 平成23年を平成の開国元年としたい。
② 最小不幸社会を目指す。
③ 不条理をただす政治、

① 平成23年を平成の開国元年としたい・・・首相の3つの理念のトップが、開国元年とは?そもそもこんなことが理念と言えるの? 「今年は平成23年です、開国元年です」、はい、なんの理念はありませんが、理念がないのが理念です(笑)と言っているようなもの。

② 最小不幸社会を目指すだって?・・・首相就任時にもこの言葉を使っていたが、消費税アップすることで、庶民に不幸社会をつくりだそうとしている気狂い男の支離滅裂の言行不一致。

③ 不条理を糺す政治?・・・彼のやっていることそのものが、不条理じゃないか。
「小沢氏は幹事長辞任してけじめをつけた」と国会答弁したのは、菅首相だったではないか。小沢氏にしてみれば、民主党代表を辞め、幹事長を辞めて一兵卒になってその上、小沢いじめの「小沢排除」を目指すのはまさに小沢氏にとって「不条理」である。

 尖閣諸島中国漁船衝突事件で逮捕した中国人船長釈放を那覇地検の判断だとする嘘発言し、自衛隊を「暴力装置」と呼び問責決議を可決された仙谷由人官房長官をそのままにしておいて、検察が不起訴を決めた小沢氏を、「ごまかしの11人の検察審査会の民意」と「小沢氏を選挙で選んだ十数万人の本来の民意」とを区別もできない菅氏の病的発想の不条理には国民が魂消るぜ。


異形の大国・中国と自由主義陣営の闘い 

2011-01-03 16:52:50 | 日記

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 本年第一号は、明け烏さんの力作で幕開けといたします。ここに記述されている事柄は、私も大いに首肯するところですので、私のコメントは差し挟まずそのまま掲載いたします。

 週刊ポスト年末号の「異形の大国・中国と自由主義陣営の闘い」櫻井よしこ氏は次のように書く。

「そんななか、内部告発サイト・ウィキリークスが米国の公電を暴露し、各メディアは『中国指導部内で韓国主導の朝鮮統一がなされるべきとの考えが浮上』『中国の北朝鮮への影響力はずっと弱い』といった中国政府高官の声を紹介しました。しかし、こうした言葉を鵜呑みにするのは危険です。むしろ本音はその逆だと見るべきでしょう。」

どうしてこれを鵜呑みにするのが危険で逆に見るべきなのかは全く論拠が薄弱である。何故そう見なければいけないかとして挙げられている論拠は韓国哨戒艇「天安」の撃沈事件を中国が国連安保理での議題にすることを妨害したからだという。

しかしあの事件は、北朝鮮単独ではなくおそらく中国のみならず、いくつかの大国の絡んだ極めて政治的な事件であったと思う。その目的も巷間喧伝されているものからは相当、隔たった疑惑に満ちたものであった。軍事行動という政治の究極の形には窺い知れない何らかの目的があるのは政治学のイロハであろう。

 北朝鮮が勝手に暴発して、それを宗主国である中国が庇ったという単純な図式で割り切れるものではない。櫻井氏ほどの情報通が何故こういう荒っぽい筋立てを作るのか極めて疑問である。
 また北朝鮮の核開発疑惑についても、これを推進する側に回ったのは、おそらく主流は米国筋であって、中国は明らかに傍流であったと言い得ると思う。

次に櫻井氏はこう続ける。「私たちが決して忘れてはならないことは北朝鮮問題はすなわち中国問題であるということです。」

私が早くから北朝鮮は米国と裏で繋がっているということを高橋博彦先生のブログに投稿させていただいたことは、いかりや師匠も覚えていらっしゃるもしれない。
その後、「日々是勉強」氏のブログで中国から見た地形見取り図が掲載されており、
中国の太平洋進出を阻止するためには米国が北朝鮮と沖縄をどうしても押さえておくべしと企図していることが、一目瞭然であったため私は自分の考えに自信を持った。米国は北朝鮮を幾つかの目的で管掌下に収めておきたいのである。こうなると北朝鮮問題とはどちらかと言えば米国問題だといえるのではないだろうか

 さすれば、前記の『中国指導部内で韓国主導の朝鮮統一がなされるべきとの考えが浮上』『中国の北朝鮮への影響力はずっと弱い』との見解は案外、中国首脳部の本音に近いものであって、これを反対に解釈するべきとの櫻井氏の記述は暴論またはデマゴーグに該当すると判断せざるを得ない
大体、複雑極まりない国際政治の動きを悪玉・中国とその子分北朝鮮の一方的な所業と書くことに無理があるのである。

 櫻井氏は最終段落の冒頭に言う。「韓国の自由・民主主義体制を守り、それを北朝鮮にも広げていくことは、日本の国益にもつながります。」

 米国の保護領たる韓国に「自由」があるかどうかが極めて疑わしいのは、同じ立場にある本邦に「言論の自由」さえないところから容易に察せられるそして「民主主義」を「富の再分配」と定義するのであれば、愚息からの現地報告を信じると、韓国に民主主義は存在しない。韓国の非正規就業者が50数パーセントに及ぶことは数字上では知っていたが、それが齎した現況はほぼ次のようなものであるという。

 「もう韓国は崩壊しかかっている、または国家としての体をなしていない。大学を出ても就職口がどこにもないんだ。ソウルには失業者や乞食が溢れている。若い人間は仕方なく仕事を求めて海外に出て行くしかないんだ。こっちに来て友達になった四人は全員、香港やカナダ、日本に行ってしまった」

どうやら非正規就業者数が50%を超えると若い世代の国外流出が始まり、国家のメルトダウンが開始されるようである。日本もよくよく気をつけねばなるまい。そしてこの働き口を求めての流民の発生はメキシコをはじめとした中南米諸国を彷彿とさせる。

従って息子の関係する○○大学映画科とやらを卒業しても実際に職に就けるのは10人に一人もいないという有様らしい。「韓流ドラマ」の流行などと言っても一皮むけば零下20度の極寒の世界なのだ。それだけではない。彼は続けた。

「ソウルでは日本円で10万出しても借りられる部屋がないんだ。高額の保証金を払えなければ、地下室くらいしか住むことが出来ない。これがホームレスの増加に拍車をかける。順番待ちのアルバイトの時給が300円に行かないところでだよ」

おそらく、いつぞやのIMF騒ぎのときに外国資本と一部富裕層に不動産が株式もろとも完全に独占されてしまったのだろう。また韓国には社会保障制度がほぼ皆無であるから少しでも病気になったら、それは即、乞食または死を意味する。

かような社会を櫻井氏は「民主主義体制」と呼ぶのか?そしてこれを守ることが「日本の国益につながる」というのか? ― 通常こういう妄言のことを20年前の日本であれば「痴人の夢」と呼んだものである。

文章の結びとして櫻井氏はこう断言する。「もうひとつ、日本がすぐになさなければならないのは、『集団的自衛権』を認めること、さらに自衛のための『先制攻撃』『敵基地攻撃』は憲法上も可能だと名言しておくこと」でありこれが「北朝鮮の暴発を抑止するのみならず、中国に対しても有効な抑止力になるのです。」

相変わらず勇ましい論調だが、これはほんの80年ほど前に呼号された「満州は日本の生命線」というスローガンにやけに似ている。ともに幻想を守ろうとしているからであろう
ここで再度、ポンツク息子の言葉を引く。「国が崩壊するってのは怖いもので、こないだの北朝鮮砲撃事件のときに韓国軍が反撃したんだけど一発も当たらないんだ。軍の士気が衰えちゃって、みんな逃げ腰になっているからだと、こっちでは言われている」
無論、馬鹿の馬鹿息子の言であるからどこまで当たっているかは疑問とするところ大であるが、多少は正鵠を射ているのかもしれぬ。放蕩親父はこう返した。
「なるほど。お互いにフラフラになった者同士が、へっぴり腰で殴り合いをしているというわけだな」

 もし櫻井氏の真意を勝手に敷衍するのであれば、こういう弱りきった韓国軍と自衛隊が協力して(米国の手先となり)中国への牽制力として働けということなのであろう
氏の文章の怖いところは「アメリカ」の「ア」の字も出さずに米国の意図を代弁していることなのだ。挙句、あれだけ声高に叫んできた竹島問題については「日韓連携と竹島問題は別」とのたまうのには呆れるや感心するやら、人間、多少は長生きしてみるものである。こういうのを売国的ご都合主義という。

読まずにとっておいた櫻井よしこ氏のエッセイを暇に任せて読んで昨日の夕方に書いてみる気になったが、櫻井氏の、お仲間である前原外相が「日韓安保同盟を希望」というニュースが今朝タイミングよく出てきたことに呆然としている