猫研究員の社会観察記

自民党中央政治大学院研究員である"猫研究員。"こと高峰康修とともに、日本国の舵取りについて考えましょう!

ODA改革、さらに骨抜きに…

2006-02-23 01:33:03 | 外交・国際問題全般
 「新JICAの共管案には反対」と昨日書いたのですが、新JICA自体の所管は外務省、ただし円借款部門については、財務・外務・経済産業の共管ということに決まってしまいました。下記記事の通り「各省の権限関係を変更しないことで基本的に合意し、外務、財務両省の事務方が文書を取り交わし確認した」ということは、もはや何の改革だか訳が分からないです。ODAの抜本的改革は今後の大きな課題として残ったとしか言いよう . . . 本文を読む

国際援助機関一元化問題、最新情報―実のあるODA改革か疑問

2006-02-22 01:31:19 | 外交・国際問題全般
 政府系金融機関の統廃合に伴う、ODA関連の動きの最新情報。17日に発表された政府の方針では、国際協力銀行(JBIC)を解体し、円借款部門を国際協力機構(JICA)に、また国際金融部門を、新設される政府系金融機関に統合するということである。この国際金融部門は、新機関においても独立性がある程度担保される可能性が高い。それゆえ、実際に統合のメリットの有無や効果の大小は不明である。実際、検討会が示した論 . . . 本文を読む

「ODA庁」ではなくて「対外経済協力会議」設置の方向―政府原案明らかになる

2006-01-20 23:22:20 | 外交・国際問題全般
 連日お伝えしているODA改革の最新情報をご報告する。19日に明らかになった政府原案によれば、ODAを管轄する官庁を設置するのではなく、内閣官房のもとに「対外経済協力会議(仮称)」を設置するとのことである。安全保障会議と同様の形態が想定されている。首相が議長、官房長官が副議長、外務、財務、経済産業の3閣僚が議員を務め、ODAについての一貫性と整合性のある戦略を練ることを目指す。  この案は、19日 . . . 本文を読む

ODA改革続報―企画立案・実施ともに内閣府・首相直轄案

2006-01-16 00:09:56 | 外交・国際問題全般
 ODA改革についての動きの続報をお届けする。政府の方針と海外経済協力に関する検討会の意見が入り乱れて、正直言って混乱の極みである。1月13日に『ODA企画・実施それぞれ一元化―ODA改革で政府案の方向性明らかに』の中で、企画・立案部門は外務省のもとに一元化し、実施部門はJICAを母体に一元化するという方向性を紹介した上で「官邸直轄にするか少なくとも官邸の関与をもっと強めるべき」という趣旨のコメン . . . 本文を読む

ODA企画・実施それぞれ一元化―ODA改革で政府案の方向性明らかに

2006-01-13 05:51:27 | 外交・国際問題全般
 政府開発援助(ODA)の管轄などをめぐって、昨年秋以来、政府系金融機関の再編問題に端を発する形で検討が進められてきた。最近明らかになった政府案では、ODAの企画立案部門と実施部門をそれぞれ一元化して二本立てで行くという方向である。  まず、実施機関の方は、国際協力機構(JICA)を母体とする「国際援助機構」(仮称)に統合し、円借款を実施してきた国際協力銀行(JBIC)は廃止する。JBICのこれま . . . 本文を読む

ODA改革は「二正面作戦」―外務省・財務省が抵抗

2005-12-21 02:09:35 | 外交・国際問題全般
 17日に、ODAについて議論する政府の有識者会議「海外経済協力に関する検討会」(座長・原田明夫前検事総長)が、初会合を開いた。政府系金融機関改革の過程において、国際協力銀行(JBIC)の円借款業務は「他の政策金融と別の機能として残す」とだけ方向性を示して、具体案は先送りしていたものを、この検討会で協議することになる。初回の合意点は「政府開発援助全般について、外交戦略上の位置付けなど機能面から幅広 . . . 本文を読む

東アジアサミット開催―東アジア共同体創設をめぐって

2005-12-15 00:04:09 | 外交・国際問題全般
 東アジアサミットが開催され、ASEAN加盟国に加えて、日・中・韓・豪・NZの合計16カ国が参加して、東アジア共同体について意見が交換された。結論から言ってしまえば、どうとでも受け取れる毒にも薬にもならない宣言が出されただけである。批判したいのではなくて、それでよかったと思っている。拙速に話を進めて中国の思う壺にはまるのではなく、日本の立場をある程度十分に取り入れさせることができたからである。   . . . 本文を読む

ASEAN憲章目指す―クアラルンプール宣言

2005-12-14 23:25:06 | 外交・国際問題全般
 東アジア共同体の帰趨はどうなるか分からないが、ASEANがその重要なプレイヤーであることは間違いない。東アジア共同体の方向性について議論する「東アジアサミット」に先駆けて行われたASEAN首脳会議において、2020年をめどにASEAN憲章を起草して、政治・安全保障、経済、社会・文化の3分野での地域統合を目指すことを謳った「クアラルンプール宣言」を発表した。  ASEANは通商上はもちろんのこと、 . . . 本文を読む

「自由・人権の尊重、透明性確保を」―小泉首相の東アジアサミット基調演説骨格

2005-12-06 18:16:40 | 外交・国際問題全般
 これまで、日本外交には世界に通用するような理念らしい理念がなかったといって過言ではない。「平和主義」が理念といえばそうなのだろうが、あんな一国平和主義はとてもじゃないが説得力のあるものではない。また、国連中心主義などというのも、主義という名前こそついているが理念ではない。日米同盟重視とかアジア重視とか言う時と同じ次元の政策論である。世界の潮流に当たり、なおかつ最も正当性を持つ理念といえば、何とい . . . 本文を読む

「国際開発庁」を設置すべきだ

2005-11-26 20:01:13 | 外交・国際問題全般
 まずは補足説明から。23日のエントリーで「アメリカではODAを国際開発局が管轄している」と書いたけれども、1998年から国際開発局は国務省傘下に組み込まれている。これに対して、対テロ戦争の一環として、破綻国家を建て直すことがテロ組織の温床を絶やすことに繋がるという戦略的判断から、大統領直属の機関に戻すべしという議論がある。英国では、1997年に外務省から独立した国際開発庁を創設した。日本でも、外 . . . 本文を読む

納得行かない中曽根氏の小泉外交批判

2005-11-21 23:58:14 | 外交・国際問題全般
 TBSの報道番組で、中曽根元首相が司会者との対論の中で「小泉・ブッシュ関係は自分のロン・ヤス関係に比べれば底が浅い」「ブッシュ大統領が主張した『アジアにおける自由と民主主義の拡大』に対しては小泉総理は『アジアの価値観の多様性』を説くべきであった」などと言って、小泉外交の批判を展開していた。「アジアの価値観の多様性を説くべし」というのは、実に的外れな議論であると思う。米国の戦略は、自由と民主主義と . . . 本文を読む

期待が持てる「麻生外交」

2005-11-02 16:24:42 | 外交・国際問題全般
 米軍再編と北朝鮮問題が現下の外交上の最重要課題に位置づけられることは異論がないだろう。当ブログでも積極的に取り上げてきた話題である。それらについて、麻生外務大臣がマスコミとのインタビューで的確な認識を示してくれた。とりわけ「六カ国協議を行っているときに日朝だけフライングはできない」との発言は素晴らしい。友好とか国交正常化といえば錦の御旗になりがちだったわが国の風潮とは一線を画するものである。また . . . 本文を読む