ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

へその緒

2013年01月19日 | 先住民ブラアンの子どもたち
あや@ジェンサン


(村の子どもとモリンさん)
ダタールサルバン村に住むモリンさんは、アイキャンの保健委員育成の研修に参加しています。村の人たちからは「ナナイ モリン(モリンお母さん)」と呼ばれ親しまれています。旦那さんは村の先住民のリーダーで、モリンさんも村の女性から頼りにされている存在です。アイキャンの保健研修にも積極的に参加し、スタッフが村を訪問した時は必ず「コーヒー飲んで行ってよ!」とスタッフの手を引き家に招いてくれます。そこで、村に新しく生まれた子どものことや、農作物の収穫期、村の人が抱えている問題など村の色々な話をしてくれます。


ある日、スタッフが村を訪問すると、生後12日の赤ちゃんとお母さんがモリンさんのところに来ていました。お母さんは、モリンさんがアイキャンで応急処置の保健研修を受けたと聞き、赤ちゃんのへその緒を消毒してもらいに来ていたのです。「今までへその緒が化膿する子がたくさんいたわ。化膿が原因で命を落としてしまう赤ちゃんもめずらしくないわ。私も子どもを産んだ時は、へその緒の化膿はすごく恐れたの。どうしていいか分からなかったから。」とモリンさんは話します。

ダタールサルバン村の先住民ブラアンは山奥に住み、保健所まで歩いて3時間近くかかります。村人は、自宅でお産をし、ヒロットや家族(特に旦那さん)が赤ちゃんを取り上げます。もちろん消毒された医療器具は無く、竹を細く切ったものでへその緒を切ります。そのため、へその緒の切り口から感染をしてしまうことがよくあるのです。


(怪我の消毒に来た村のお母さん)
モリンさん:
「大人も裸足で農作業をしていてケガをしてしまい、化膿することがよくあります。栄養が足りなかったり、傷口を洗わなかったりするためです。研修で学んだことが村の人の役に立てるのはとてもうれしいです。私も保健委員を目指しているので、知識を得るだけでなく、処置の仕方も上達しないといけないと感じています。」

この日、モリンさんが赤ちゃんのへその緒を消毒する姿は、少しぎこちない様子でしたが、丁寧に消毒をしていました。こうしてアイキャンの研修で学んだことを、村の生活で積極的に生かしてくれている姿がスタッフの何よりの喜びと励みとなっています。

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