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ジーンズの「ボブソン」倒産 民事再生ならず破産

2012-06-07 08:29:36 | Weblog
ジーンズの「ボブソン」倒産 民事再生ならず破産 2012年6月5日 産経夕刊
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120605/biz12060515590008-n1.htm
 信用調査大手の帝国データバンクによると、ジーンズメーカーのボブソンがこのほど東京地裁から破産手続きの開始決定を受け、倒産した。一時は事業継続に向けて民事再生法の適用を申請していたが、計画通り再生される見込みがないと判断され、破産の手続きを進めていた。負債総額は昨年2月時点で10億7400万円。
 資本金は1億5801万円、本社は東京都港区南青山、代表は西川英雄氏。東京地裁より破産手続き開始決定を受けたのは今月1日。破産管財人は平山隆幸弁護士。
 ジーンズ「BOBSON」の製造・販売は1948年から営業していた同名企業が行っていたが、事業を終了。2009年8月に経営コンサルタント会社のマイルストーンターンアラウンドマネジメント(東京都)が出資して、「ボブソン」の新会社を設立、旧社から事業譲渡を受けた。
 しかし安売り競争の中で思うように事業展開できず、2011年5月に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。12月にいったん手続きの認可が決定されたが、再生の見込みがないとして、今年4月に再生手続きは廃止となっていた。


 そもそもボブソンに限らず、リーバイスも含めたジーンズ専門ブランド全体に言えることだと思うのですが、こういったブランドが多く展開している7900円~1万円位の価格帯のジーンズの位置づけそのものが、どのターゲット層を狙っているのかわからず中途半端なんですよね…(困惑
 一昔前位ならば、「安かろう悪かろう」とか「お尻の所が急に破れたら恥ずかしい」といった理由でPBには手を出さなかった層でも、今はイオンやユニクロといった量をさばける小売店が販売している3000-4000円クラスのジーンズでも、丈夫さは十分保証されていることが実感できるようになってきていますし、オシャレに気を遣う方ならもっと高価格帯のインポート物を買うでしょう。
 ふた昔程前に7千円台のジーンズを買っていた身としては複雑な心境ですが、あえてきつい言い方をすれば、想定顧客層を絞り込むことができず、何年か前に訪れたジージャンブームも過ぎ去ってしまい、あげく自滅の道を歩んでしまったのではないでしょうか…。
 フィルム専門メーカーの米コダックも富士フィルムのように事業構造を切り替えることができなかったことから、結局連邦破産法11条(日本の民事再生法)の申請を余儀なくされましたが、世界中が競争相手になる中、柔軟に軌道修正できない企業は生き残りそのものが難しい時代になってきていると思います。