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電力会社の配当利回りが凄いことになっている!

2012-06-23 07:39:10 | Weblog
 22日の日経平均の項でも触れましたが、原発の再稼働と東京電力の損害賠償問題、原材料費の高騰と法人向けだけでなく家庭用電力料金にも値上げが波及することへの心理的反発など今後の経営をめぐる不安感などから、電力会社の株式が急速に売り込まれる中、各電力会社の配当利回りが歴史的な高い水準にまで跳ね上がっています。

 北から南に順番に見て行くと、
 北海道電力は5年前の07年2月13日に付けた3470円から今年の6月7日につけた878円まで下落して、昨日22日は前日比14円安の957円で、10年来高値の水準の27.5%で配当利回りは5.15%。
 東北電力は、5年前の07年2月7日につけた3500円から今年の6月7日につけた671円まで下落して、昨日22日は前日比変わらずの765円で、10年来高値の水準の21.8%(年間配当はストップしているため配当利回りは計算できず)
 東京電力は5年前の2月7日につけた4530円から今年の5月28日につけた146円まで下落して、22日は前日比7円高の171円で10年来高値の水準の3.77%(年間配当はストップしているため配当利回りは計算できず)
 北陸電力は5年前の07年2月8日につけた3250円から今年の6月6日につけた1094円まで下落して、22日は前日比6円安の1191円で、10年来高値の水準の36.7%で配当利回りは4.18%
 中部電力は5年前の07年3月23日につけた4510円から昨年11年6月9日につけた1061円まで下落して22日は前日比11円安の1231円で、10年来高値の水準の27.3%で配当利回りは4.83%
 関西電力は5年前の07年2月7日につけた3920円から、昨日も年初来安値を更新する前日比18円安の945円まで下落して、10年来高値の水準の24.1%で配当利回りは6.23%
 中国電力は5年前の07年2月7日につけた3010円から昨年6月9日につけた990円まで下落して22日は前日比18円安の1225円で、10年来高値の水準の40.7%で配当利回りは4.02%
 四国電力は5年前の07年2月7日につけた3270円から昨年6月9日につけた1454円まで下落して、22日は前日比7円安の1676円で10年来高値の水準の51.2%で配当利回りは3.57%
 九州電力は5年前の07年2月7日につけた3700円から今年の6月7日につけた892円まで下落して、22日は前日比11円安い914円と10年来高値の水準の24.7%で配当利回りは5.41%
 沖縄電力は5年前の07年3月22日につけた7999円から今年の6月4日につけた直近安値の2374円まで下落(参考までに10年来安値は03年02月6日につけた2051円)して、22日は前日比3円安の2569円で、10年来高値の水準の32.1%で配当利回りは2.33%
 Jパワー(電源開発)は5年前の07年3月12日につけた6650円から昨年11年6月7日につけた1734円まで下落して、22日は前日比4円高の2017円で、10年来高値の水準の30.3%で配当利回りは3.48%

 まあ、関西電力などは平成17年まで50円配当だったのを18年から東京電力に合わせて60円配当に切り替えただけに、今後家庭用電力料金値上げへの心理的反発を考慮するとかなりの確立で減配が真剣に議論されることになる(年間配当を株価で除して計算される配当利回りも当然下げることになります)でしょうし、無配になった2社以外の9社いずれも今後(電力料金の引き上げだけ強行して配当は据え置くことは考えにくいことから)年間配当が下げられるリスクも決して否定できませんが、関西電力の6%台を筆頭に5%台の九州電力と北海道電力、4%台の中部電力・中国電力・北陸電力などは配当利回りだけでも十分注目に値する水準ですし、高値からの下落率の観点から見ると(損害賠償の直接の当事者や管内に放射能の被害を受けた地域を抱える東京電力・東北電力は論外。あまり下げていない中国・四国の両電力会社も外すとしても)北海道電力・中部電力・関西電力・九州電力・Jパワーなどは株価水準的にも新規に買いを入れるにはかなり面白い水準まで来ていますし、配当利回りの魅力には相対的に劣り現在の株価の水準も最安値から1割強戻しているもののまだ手頃な水準という意味では沖縄電力も中々面白い存在。
 短期的には原材料費の高騰や株主総会を直前に控えて積極的に買い出勤する材料もありませんが、経営の安定性という意味では抜群ですし、長期保有目的で仕込むには面白い時期に来ているのではないでしょうか。