仏法は、生命の因果の法則を説いている。長い目で見た時、勝利を収めるのは誠実の人である。人生にあっても、広布にあっても。 . . . 本文を読む
「私は、次代のため、未来のために、会長を辞任し、いよいよ別の立場で働いていこうと思っています」
松下翁は、子細を聞こうとはしなかった。笑顔を向けて、こう語った。
「そうですか。会長をお辞めになられるのですか。私は、自分のことを誇りとし、自分を称賛できる人生が、最も立派であると思います」
含蓄のある言葉であった。立場や、人がどう思い、評価するかなどは、全くの些事にすぎない。自分の信念に忠実 . . . 本文を読む
山本伸一は、青年歯科医たちの、一段と成長した姿に目を細めた。
「嬉しい。本当に嬉しい。歯科医として、しっかり技術を磨くことは当然だが、最も大事なことは、自分の人格を磨き、人間として信頼されていくことです。そして、地域に貢献していってください。さらに、人びとを幸福にするための正道である学会活動の、闘士であり続けてください。そこにしか、本当の人生の幸福も、勝利もないからです」 . . . 本文を読む
人は、往々にして、自分を見ている周囲の視線に気づかぬものだ。また、手抜きをしても、要領よく立ち回れば、うまくいくかのように思ってしまう人もいる。だが、それは、浅はか極まりない考えである。信頼という、人間として、社会人として、最も大切な宝を自ら捨て去ってしまうことになるからだ。 . . . 本文を読む
「私は、セールスの基本は、一人の人間として、お客様の信頼を勝ち取ることだと思っているんです。そのために、〝このお客様のために何ができるか。どんな力になれるのか〟を、いつも考えるようにしています。
たとえば、車を売ったら、売りっ放しにするのではなく、その後も、必ず訪問し、車の調子をはじめ、何か不都合なことはないかなど、伺うようにしてきました。足しげく訪問するうちに、お客様は、次第に、さまざまな相 . . . 本文を読む
入会した木藤優の面倒をみてくれたのは、紹介者である学友の母親“イネさん”であった。彼女は、平凡な主婦であったが、幾つもの病を乗り越えた体験をもち、限りなく明るく、仏法への確信に満ちあふれていた。
その“イネさん”が、木藤に、信心の基本から、根気強く教えてくれたのである。
彼が、仕事で、会合などに出席できず、深夜に帰宅すると、アパートのドアに、励ましのメモが挟んであった。
「心配しています . . . 本文を読む
萩野は、不安を感じ、迷い、悩んだ。“経験の浅い自分に、このクラスの担任という大役を果たすことは、無理かもしれない……”
その時、山本伸一の、少年少女は「人類の宝」「世界の希望」という言葉を思い起こした。
“そうだ。みんな、未来を担う尊い使命をもって生まれてきたんだ。その宝の子どもたちに、だめな子なんているはずがない。一人ひとりが、すごい使命をもっていることを教えてあげるのが、私の役目だ” . . . 本文を読む
四条金吾の生き方に一貫しているのは、勇気と誠実であった。文永九年(一二七二年)、「二月騒動」が起こる。執権・北条時宗の命によって、京都にいた異母兄の時輔が、謀反を企てたとして、討たれたのである。さらに、それに先立って、時輔に与したとして、鎌倉で、名越時章・教時の兄弟も討たれている。
四条金吾が仕えた主君の江間(名越)光時は、時章・教時の兄であった。「二月騒動」の折、四条金吾は、江間氏の本領がある . . . 本文を読む
「誠意は必ず実を結ぶ日が来る」とは、韓国の大教育者・安昌浩の言葉である。
誠実な心、誠実の対話――そこに、友好の信義の絆が生まれる。人間主義とは、誠実を貫く、人間の王道のなかにある。 . . . 本文を読む
(外交において)次に大事なことは、どこまでも『誠実』であるということです。外交といっても、相手に“この人なら人間として信じられる”と思わせることができるかどうかです。それは、社交上の小手先の技術などではなく、誠実さ、真剣さによって決まる。 . . . 本文を読む
さらに、伸一が、武漢大学にも図書贈呈したい旨を告げると、北京大学のメンバーは、笑みを浮かべ、大きく頷いた。
「武漢大学の関係者も大喜びするでしょう。山本会長の意向を、責任をもって、武漢大学にお伝えします」
ここで伸一は、用意してきた、武漢大学への日本語書籍三千冊の寄贈目録を手渡した。北京大学の首脳の一人が、深い感慨のこもった声で言った。
「山本先生が本気で中国との教育・文化交流を推進しようとされ . . . 本文を読む
伸一は、世界の平和のために、ただただ誠実に行動し抜いてきた。彼の話に、皆が、その「心」を感じたのだ。「誠実」への共感に国境はない。「誠実」こそが、人間を結ぶ心の絆となるのである。 . . . 本文を読む