何問かの質問に続いて、工藤きみ子という、小児マヒの後遺症で片足が不自由なメンバーが、思いあぐねたような様子で尋ねた。
「私は、助産婦をしている母と二人暮らしですが、将来は、私が母の面倒をみようと思っています。そのために、教師になりたいのですが、体が不自由で体操もできませんし、大学進学は経済的にも難しいようです。教師がだめなら、書道で身を立てようと思って、勉強していますが、これからどうすればい . . . 本文を読む
山本伸一は、身を突き刺すような冬の寒さ、世間の風の冷たさのなかで、戸田城聖の弟子として、決然と一人立った。
戸田がともした、広宣流布という民衆の救済の火を絶やさぬために、彼は走りに走った。
伸一は、この青春の苦闘のなかで、後継の弟子としての、自己の使命を自覚していた。
そして、その使命に生き抜こうと決意した時、彼は、苦悩の雲を破って、歓喜の太陽が胸中に昇りゆくのを感じた。
戸田は、波立つ世事 . . . 本文を読む
すべての法が説かれた限り、後は、その実践しかない。行動しかない。また、それが弟子の戦いである。 それから、釈尊は、自分の体は衰え、余命いくばくもないことを告げた。
阿難は、この師が亡くなった後、自分は、何を頼りに生きていけばよいのかと思うと、たまらない不安と悲しさを覚えた。
すると、それを見透かしたように、釈尊は言った。
「阿難よ、強く生きよ。強くなるんだ。自分が弱ければ、どうして . . . 本文を読む