前年末に、ソ連がアフガニスタンに侵攻したことから、ソ連への非難の声が中国国内でも高まっていたのだ。そして、山本伸一がソ連へも友好訪問や要人との対話を重ねていることに対して、快く思わぬ人もいたのである。
船上の語らいで、伸一は、こう言われた。
「中国と日本に金の橋を架けたあなたがソ連に行けば、中日の関係は堅固なものになりません。行かないようにしてほしい」
伸一は、率直な意見に感謝しながらも . . . 本文を読む
山本伸一は、さらに戸田城聖の、豪放磊落な人間像に触れたあと、こう記した。
「私は戸田城聖という人間を知り、その人間から仏法を教えられたのです。私の場合、決して信仰というものが先ではなかった。戸田先生を知って仏法を知ったのであり、仏法を知って戸田先生を知ったのではありません。
私がなぜこうしたことを申し上げるかといいますと、実はここに社会万般をつなぐ軸のようなものがあると思うからなのです。
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四月九日には、創立者の山本伸一が出席して、創価大学の第七回入学式が行われた。この日の祝辞で伸一は、入学の喜びにひたる通学課程の新入生に、こう語った。
「諸君は努力のかいあって、首尾よく、合格の栄冠を勝ち取ることができましたが、その半面、諸君の何倍かの青年たちが、無念の涙をのんでおります。私は、この青年たちがくじけることなく、たくましく立ち上がってくれていると信じてやみません」
ここには、通 . . . 本文を読む
人から人へ――その対話と共感の広がりのなかに、人間主義の新しい潮流がつくられていく。何人の人と会い、どれだけ胸襟を開いた語らいができたかが、「生命の世紀」を開く力となるのである。 . . . 本文を読む
「私が世界への平和旅の第一歩を印したのは、今から十五年前、このハワイの地でありました。 私は、仏法者であります。平和主義者であります。私は、一切の暴力を否定する生命尊厳の信仰者であります。私は、いかなる人とも、いかなる国とも、友好を結んでいくことを信条としております。
そして、われわれは、仏法を基調とした平和と文化を推進していく団体であります。その仏法者の立場から、私は、一貫して、“現在の世界平 . . . 本文を読む
「いかに抜きがたい歴史的対立の背景が存しようとも、現代に生きる民衆が過去の憎悪を背負う義務は全くないのであります。相手の中に“人間”を発見した時こそ、お互いの間に立ちふさがる一切の障壁は瞬くうちに瓦解するでしょう。実際、私は今、皆さんとともに話し合っています。交流しています。皆さんとは、平和を共通の願いとする友と信じます。皆さんはいかがでしょうか!」
大きな賛同の拍手がわき起こった。
大事なこ . . . 本文を読む
イギリスの作家ウェルズは、「我等の本当の国籍は人類である」と叫んだ。それは、戸田城聖の唱えた「地球民族主義」と軌を一にしている。 人は皆、同胞であり、互いに理解し合えるという信念と、万人を包み込む笑顔にこそ、人間主義の証がある。 . . . 本文を読む
誰もが同じ人間である。共に人間である。人間としての真心の励まし、いたわりこそ、立場も、世代も、イデオロギーも超えて、人間と人間が結び合う要であろう。相手が誰であれ、その言葉を自然に発することができるなかに、人間主義がある。
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