この日、慶讃委員長として祝辞を述べた伸一は、胸中の厳たる思いを披瀝した。
「宗祖大聖人は、開創の大檀越・南条時光殿に、『大難をもちてこそ・法華経しりたる人』(御書一五三八ページ)――大難にあってこそ法華経を知った人といえる――と仰せであります。いかなる難をも、正法弘通のためには決して恐れない。いな、大難こそ無上の誉れとしていく。この御聖訓の通りの金剛信を、私どもは、一生涯、深く持っていく決意で . . . 本文を読む
「偉大な指導者には迫害はつきものです。これは歴史の常です。迫害を乗り切り、戦い勝ってこそ偉大なんです。これからも陰険な迫害は続くでしょう。しかし、真実の正義は、百年後、二百年後には必ず証明されるものです。お体を大切に!」 . . . 本文を読む
山本伸一は、確信のこもった声で言った。
「広宣流布に生き、弘教に励むならば、経文、御書に照らして、難が競い起こることは間違いない。これまでに私たちが受けてきた難も、すべて法華経の信心をしたがゆえに起こったものです。
しかし、『開目抄』に説かれているように難即成仏です。広宣流布に戦い、難を呼び起こし、それをバネに偉大なる人生へ、無上の幸福へと大飛躍していく力が信心なんです。
また、万策尽 . . . 本文を読む
大事なのは、難があるからこそ、信心が深まるということです。功徳だけの安楽な信心であれば、宿命の転換も、一生成仏もできません。仏道修行を重ね、宿命を転換し、崩れざる幸福境涯を開くために、難は不可欠なんです。難があるのは、正義の証です。
日蓮大聖人は、『月月・日日につよ(強)り給へ』(同一一九〇ページ)と仰せです。信心の持続は当然のことながら、日々の生活など、人生のあらゆる面で、常に前進し続ける持 . . . 本文を読む
さらに、『開目抄』で大聖人は、『其の外の大難・風の前の塵なるべし』(御書二三二ページ)と仰せになっている。身命に及ぶ、どんな大難であっても、風の前の塵のように吹き払っていく。何も恐れず、広宣流布という大願を果たしていくとの御断言です。創価学会は、その大聖人の御遺命のままに進んでいる団体です。今や学会は、日本一の大教団になりました。嫉妬されて、非難・中傷されるのは当然です。船が動けば波が立つようなも . . . 本文を読む
一月二十五日――。
判決の朝が来た。すがすがしい朝であった。 伸一は、宿泊していたホテルから、西淵良治という本部の職員の運転する車で関西本部に向かった。
そして、関西本部の仏間で朗々と勤行・唱題した。 唱題が終わると、彼の勝利への確信は、ますます不動のものとなっていた。
「さあ、行こう!」
伸一は、力強い声で言うと、外に出た。見送りに来た人びとを微笑みで包みながら、彼は待機していた車に乗り . . . 本文を読む
学会弾圧の背景には、破竹の勢いで拡大する民衆平和勢力に対する、権力をもつ者の恐れ、憎悪、嫉妬がある。万人の生命の尊厳と平等を説く日蓮仏法の革新性への反発がある。さらに、差別意識に基づく、庶民の団体への蔑視がひそんでいる。 日蓮大聖人の時代から、弾圧を加えるには大義名分が必要であった。
しかし、「世間の失一分もなし」(御書九五八ページ)と仰せのように、大聖人には、社会的な違法行為など全くなかった。 . . . 本文を読む
「このたびの大阪の事件では、大変にご心配をおかけいたしました。この事件の本質は、なんであったか――。
ひとことで言えば、庶民の団体である創価学会が力をもち、政治を民衆の手に取り戻そうと、政治改革に乗り出したことへの権力の恐れです。そして、これ以上、学会が大きくなる前に、叩いておこうとした。学会には常勝の若武者がいる。まず、それを倒そうと、私を無実の罪で逮捕した。さらに壊滅的な打撃を与えようと、衰弱 . . . 本文を読む
仏法では、正法を信ずる人に害をなし、仏道修行を妨げる働きとして、「第六天の魔王」すなわち「他化自在天」について説かれている。これは、すべてを奪って、支配しようとする際限のない欲望であり、これこそが権力の“魔性”の本質といえよう。ゆえに、学会が「広宣流布」と「立正安国」の使命を果たし抜くためには、権力の弾圧、迫害と永遠に戦い、勝ち越えていく以外にない。 . . . 本文を読む
「ここだ! ここだよ!」
彼は、こう言って立ち止まった。
「ここで戸田先生は、私に、『君は、世界の広宣流布の道を開くんだ。構想だけは、ぼくが、つくっておこう。君が、それをすべて実現していくんだよ』と語られたんだ。
私は、その言葉通りに、世界広布の道を開いた。戦い抜いてきた。そして、SGI(創価学会インタナショナル)も誕生した。
いよいよ、これからが、本格的な建設に入る。予想もしなかったよ . . . 本文を読む