冬の試練が厳しければ厳しいほど、春を迎えた喜びは大きい。「労苦即歓喜」となる。 . . . 本文を読む
飯坂の隣にいた県青年部長で副県長の武原成次には、こう語った。
「県長を、本当に支えていこうと思うならば、自分が県長の自覚で、一切の責任、苦労を担っていくんです。それができてこそ、本当の指導者に育つ。私は、青年部の室長の時も、総務の時も、そうしてきました。だから、三十二歳の若さで会長になっても、悠々と全学会の指揮を執ることができたんです。
今こそ、自分の真価が問われていると思って、陰の力に徹 . . . 本文を読む
山本伸一は、目を輝かせて、再現された「青葉荘」の部屋に置かれた、一つ一つの調度品を見た。そして、本棚に視線を注ぐと、声をあげた。
「確かに、これは、みんな読んだ本だよ。よく集めてきたな……」
それから、青春時代を思い起こしながら、峯子に語っていった。
「当時は、苦難が嵐のように襲ってくる毎日だった。戸田先生の事業は行き詰まり、何カ月も給料はもらえなかった。結核は悪化し、毎日、発熱が続い . . . 本文を読む
一九五〇年(昭和二十五年)八月、戸田城聖の経営する信用組合が業務停止となった。伸一は、事業の新たな活路を開くために、幾たびか、埼玉の大宮方面に足を運んだのだ。
戸田への囂々たる非難が渦巻くなか、伸一は、難局を打開しようと、粘り強く交渉にあたった。けんもほろろの応対や、罵声を浴びせられることもあった。しかし、誠実に、勇気をもって、説得の対話を重ねた。
“現代にあって、正しく広宣流布の指揮を執 . . . 本文を読む
苦労し、苦労し、苦労し抜いて、悔しさに耐え、泣く思いで自らを鍛え、学び、働き、戦い抜いた人でなければ、民衆の苦労はわからぬ。人間の本当の心はわからぬ。
御聖訓には「鉄は炎打てば剣となる賢聖は罵詈して試みるなるべし」(御書九五八ページ)と仰せである。労苦こそが財産だ。 . . . 本文を読む
二部学内では、先輩から、徹底して信心を教えられた。烈々たる気迫で指導された。
「君は人生の大目的を、どこにおいているんだい。広宣流布という万人を幸福にする最高の目的に生きようと心を決めるんだ。そこに真実の幸福があり、人間革命がある」
「二部学生は、仕事と勉強の両立なんか、あたりまえだ。職場でも、学業成績でも実証を示すんだ。さらに、地域での学会活動も、学内での活動も、すべてやり切るんだ。それで . . . 本文を読む
二部に学ぶ学生部員こそ、広宣流布のリーダーとして、最も重要な資質を備えている。それは、働き学ぶなかで、いかなる困難にあっても、自身のいだいた目標を貫徹する「強い意志力と忍耐力」を、日々、磨いているからだ。
最も苦労した人こそ、最も成長を遂げる。過酷な「宿命」を背負った人こそ、最高の「使命」を担っている人である――これが、仏法の原理であり、伸一の信念であった。 . . . 本文を読む
ペルー文学の父リカルド・パルマは叫ぶ。
「苦労なしに手に入れることのできるものなど、何もない。まして、忍耐なしには、何事も成就しない。ゆえに君よ、断じて、へこたれるな! 迷わずに書を読め!そして学ぶのだ!」 . . . 本文を読む
第一回「全国通教生大会」の終了後、通教生と、松風合宿所前の階段で、記念のカメラに納まった山本伸一は、皆に訴えた。
「仕事、勉強と、皆さんは、日々、大変かもしれない。しかし、置かれた状況が厳しければ厳しいほど、人間修行の環境が整っているということなんです。英知を磨くだけでなく、苦労を重ねてこそ、本当の人間的な成長がある。たとえ、英知を磨いたとしても、苦労しなければ、惰弱な人間になってしまう。だか . . . 本文を読む
松下幸之助にも、仕事のことを考え、悩んで、眠れないことは何度もあったという。
悪いことをする従業員がいて、悩み抜いた時もあった。しかし、そのなかで、現実を見すえ、「自分が、いい人だけを使って仕事をやるというのは虫がよすぎる」と気づく。
すると、気分も楽になり、人を許す気持ちにもなり、以来、大胆に人を使えるようになったというのである。
「そういう悩みから、いわば一つの悟りをえたわけで、今となっ . . . 本文を読む
「明るいね。功徳は受けていますか」
「はい!」
皆が答えると、伸一の顔がほころんだ。
「私にとって、それが最高の朗報です。幸福になるための信心ですから。信心の労苦は、歓喜の種子、幸福の種子なんです。広宣流布のために流した汗は、すべて、福徳のダイヤモンドとなります。自身の、そして、一家の幸せのために、宿命の転換のために、懸命に戦うんです」 . . . 本文を読む
山本伸一は、園長の館野光三に、言葉をかけた。
「園長先生は、幼稚園の経験がないので不安かもしれません。苦労も多いでしょう。しかし、どんなに苦しいことがあっても、“これが当然だ。うんと苦労しよう”と決めて、頑張り抜いてください。あなたの人生の苦労を、ここですべて開花させるんです。つまり、一切の経験を生かし切っていくんです。そのための、これまでの人生ですよ」 . . . 本文を読む