しかし、広布の征路は険しく、さまざまな試練や、障害を越えて進まねばならない。
伸一自身、個人的にも幾多の試練に遭遇した。一九八四年(昭和五十九年)十月三日には、次男の久弘が病のために急逝した。享年二十九歳である。彼は、創価大学法学部の修士課程を修了し、「次代のために創価教育の城を守りたい」と、母校の職員となった。
九月の二十三日には、創価大学で行事の準備にあたっていたが、その後、胃の不調を . . . 本文を読む
ダンテは、ヨーロッパ中世イタリアの最高の哲人・詩人であった。一二六五年、フィレンツェに生まれ、三十歳の時、祖国のために尽くそうと政治家になり、頭角を現していく。しかし、政争と嫉妬の渦に巻き込まれ、無実の罪で祖国を永久追放される。
彼の胸には、虚言、捏造、陰謀によって、正義が邪悪とされ、邪悪が正義とされる転倒を正さねばならぬとの、怒りが燃えていた。そして、『神曲』の執筆に着手し、キリスト教に基づく . . . 本文を読む
「私どもの生命は永遠であり、今世から来世、来世から、さらに次の世へと生まれていく。それを順次生と言います。そして、今世の所業によって次生以後の果報、すなわち報いが決定されていくと説かれています。つまり、無始無終に連続する生命活動にも、厳然と因果の理法が存するのであります。
今世において、御本尊を受持し抜き、強盛に信心を貫いた場合には、それが因となって来世の成仏が約束される。反対に、正法を誹謗し . . . 本文を読む
席上、故人の代表に「名誉副理事長」などの名誉称号が贈られ、伸一のあいさつとなった。
「本日、追善申し上げた功労者の方々は、日蓮大聖人の仰せ通りに、仏法にすべてを捧げ、広宣流布の礎となられた、立派な地涌の菩薩であり、まことに尊い仏であります。ご遺族の方々は、この名誉ある道を歩んだ先覚者の遺志を、必ず継承していってください。その意味から、ご自分を、単なる『遺族』と考えるのではなく、南無妙法蓮華経と . . . 本文を読む
伸一は、病床の母に、日寛上人の「臨終用心抄」を簡潔に、講義した。これは、日寛上人が、臨終の心構えを説かれた書で、死を迎える時に心が乱れることなく、成仏するための用心について、御書や経論、さらに、一般の書も用いて示されたものである。
心が乱れてしまう要因として、「断末魔の苦」「魔の働き」「妻子・財宝などへの執着心」をあげている。このうち「断末魔の苦」は、他人をそしることを好み、人の心を傷つけるこ . . . 本文を読む
教師となって五カ月が過ぎた九月、彼は突然の交通事故で、世を去ったのである。病院で息を引き取った岡島の顔は、安らかに眠っているようであった。
大聖人は、妙法に生き抜いた臨終の生命について、「悦ばしい哉一仏二仏に非ず百仏二百仏に非ず千仏まで来迎し手を取り給はん事・歓喜の感涙押え難し」(御書一三三七ページ)と仰せである。
人には、さまざまな宿業がある。しかし、いかなる罪業も、信心に励むならば、大苦 . . . 本文を読む
「悪象等は唯能く身を壊りて心を破ること能わず」(御書七ページ)と説かれる。悪象等、すなわち、さまざまな事故などの災難によって命を落としたとしても、妙法を持ち抜いた人は、生命の絶対的な幸福の軌道が壊されることはないのである。必ず成仏して、すぐにまた生まれてくることができる。これが妙法の不可思議な力である。 . . . 本文を読む