いつの時代にあっても、“開かれた心”をもつことこそ、国際人として最も大切な要件といえよう。真の国際化とは、人間は皆、等しく尊厳なる存在であるとの信念をもち、友情を広げていく心を培うことから始まる。 . . . 本文を読む
人は、出会いによって「知人」となり、語らいを重ねることで「友人」となり、真心を尽くし、共感し合うことで「心友」となる。
山本伸一と巴金は、さらに交流を続け、深い信頼と強い友誼の絆に結ばれていく。
巴金は、その後、中国作家協会の主席となる。二〇〇三年(平成十五年)十一月、伸一は、同協会と中華文学基金会から、「理解・友誼 国際文学賞」を受けている。
この二年後の二〇〇五年(同十七年)、巴金 . . . 本文を読む
高団長は感無量の面持ちで語り始めた。その言葉を、通訳の青年が日本語で伝えた。
「『周桜』『周夫婦桜』には、中国との平和友好を心から考え、行動してこられた山本先生の真心が痛いほど感じられます。私は強い感動を覚えました。先生への感謝を、即興の詩に託したいと思います」
中国語で朗々と詩を披露していった。
「桜花時節訪東隣 意最濃来情最真
賞花倍感栽花者 飲水常思掘井人
(桜花の時節に . . . 本文を読む
「日蓮大聖人の仏法は、下種仏法であります。いまだ仏法の真実の教えを聞いたことがない末法の衆生に、南無妙法蓮華経という成仏得道の種子を下ろし、一生成仏せしめ、人びとを救済していくことができる大法です。したがって、その仏法を持ち、広宣流布の使命に生きる私どもの振る舞いは、一切が下種へとつながっていかねばならない。
つまり、日々の学会活動はもとより、毎日、毎日の生活の姿や行動が、すべて妙法の種子を植え . . . 本文を読む
「秀山荘」に転居した伸一は、すぐに名刺を持って、近所にあいさつに回った。和気あいあいとした人間関係を、つくっていきたかったのである。
正弘が成長し、走り回るようになると、妻の峯子は、隣室や上の部屋に気を使い、なるべく早く寝かしつけるようにした。
彼の部屋には、実に多くの人が訪れた。当時、伸一が、峯子と語り合ったのは、「どなたが来ても温かく迎えて、希望を“お土産”に、送り出そう」ということで . . . 本文を読む
伸一が、青年として心がけていたのは、明るく、さわやかなあいさつであった。同じアパートに住んだのは、決して偶然ではない。深い縁があってのことだ。だから、近隣の人びとを大切にし、友好を結ぼうと思った。
彼は、隣室の子どもたちを部屋に呼んで、一緒に遊んだこともあった。自分の縁した一家が、幸せになってもらいたいと、その親には仏法の話をした。やがて、この一家は、信心を始めた。
伸一は、自分の部 . . . 本文を読む
トルストイは、次のように記している。
「人間は他人との交流がなくては、また他人からの働きかけと他人への働きかけがなくては自己を完成することはできないのである」
友情という絆を結ぶなかで、個人のもつ勇気が、力が、発揮されるのである。 . . . 本文を読む
「皆さんの大きな励ましとなり、力となるのが、同じ志をいだく友人との交流であります。相互に連携をはかり、切磋琢磨していっていただきたい。大学で学ぶ意味の一つは、人生の友を得ることであります。互いに啓発し合える友の存在は、何にも増して貴い財産であります」
敢然と一人立って、苦難の壁に立ち向かう覚悟なくしては、何事も成就はできない。そして、その決意を、さらに堅固なものにしていくのが、友の存在である。
. . . 本文を読む
「『優しさ』は、一見、柔和で温順な、静かな響きをもった言葉として、受け取られていますが、これほど、過酷な行動を要求する言葉もありません。『優しさ』とは、言い換えれば、他を思いやる心でありましょう。他人の懊悩、苦しみを分かちもち、共に歩み、その苦を解決してこそ、初めて、本当の意味で、他を思いやったことになるといえます。
そのためには、自らの内に、確かな信念と強いエネルギーが秘められていなければなら . . . 本文を読む
学会活動のなかで、彼女が心掛けてきたことは、自分の接した人を大切にすることであった。そこに、仏法の実践があり、平和への道があると、彼女は考えたからだ。そして、そのために、人の長所を見いだせる自分になろうと思った。
それには、自分を磨くしかないと結論し、常に唱題を重ねてきた。自分の生命が澄んだ鏡のようになれば、人の長所が映し出されるからだ。一個の人間の、自分自身の「人間革命」から、「世界の平和」が . . . 本文を読む
伸一は、党派も、イデオロギーも、また、国家も、民族も、宗教も超えて、各界のリーダーと、信義と友情の絆を結ぼうとしていた。人間と人間の交流こそが、平和と人道の潮流となるからだ。 人間という原点に立ち返るならば、皆が同胞である。隔てるものは何もない。ガンジーは言う。「私の目標は、全世界との友好である」 伸一もまた、同じ思いであった。 . . . 本文を読む
常に伸一は、自分に縁したすべての人を、学会の最高の理解者にしようとの思いで、一回一回の出会いを大切にしてきた。“人との出会いは「一期一会」だ。渉外は、誠実をもってする真剣勝負だ。失敗は許されない”――それが、青年時代から学会の渉外の全責任を担ってきた、伸一の決意であり、信念であった。 . . . 本文を読む
国と国との友好といっても、人間と人間の交流こそが根本であることを強調し、永遠の人間交流の道を開くうえで、何が重要であるかを語っていった。
「人間のもつ永遠の尊貴さに基礎をおかない限り、永遠の友好は確立されないと信じます。これは仏法者としての私の信念でありますが、人間の存在を現世だけのものとせず、過去、現在、未来と三世に亘る存在ととらえる時、人間として在ることの希有な価値と意義とに、おのずから眼 . . . 本文を読む