業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

インシデントアクシデント その2

2008年08月21日 | 業務日誌
※ 上の画像を見つけたとき、自分が高校生の頃まで『カメ(亀)は頭を強く引っ張ると、甲羅から本体のみがずるりんと出て来る』と信じていたことを思い出した。ナハハ。

医療法人、それはミスを許さない場所ではなく、ミスの漏洩を許さない場所。
リスクマネジメントをリスクマネジメントする体制。
保守義務イコール緘口令、な体質。
みんなで知恵をふりしぼって考えたインシデント・アクシデントレポートの回覧システムは、まずひがしクリニックの女帝、森の神に阻まれました。

「インシデント・アクシデントレポートを回覧するなんてとんでもない!」
当法人に不満を抱いて退職した、または退職しようとしているスタッフに対してこちらに不利なカードを渡すようなものだ。
どこから患者・利用者に漏れるとも限らない。
それに、医療現場のインシデント・アクシデントは高度で、介護現場のリスクマネジメントの参考になるとは思えない。
介護部署だけでやってくれ、クリニックはレポートを出さない。

回覧を阻んだのは森の神だけではありませんでした。
この法人で私が唯一尊敬する、人格者の事務長も、
「回覧はリスクが高すぎる」
として反対したんです。
ただし、事務長の反対の理由は、森の神が唱えた異論とは少々違っていました。

「そもそもインシデントレポートが少ないことが問題。」
「アクシデントレポートも、『出せばいい』『出して終り』となっているものが目立つ。」
「これらを回覧して、危機管理や危険予知に有用とは思えない。」

ここで事務長が取り上げたのが、ひがしデイケアのアクシデントレポートの束だったんです。

例その1:フランドルテープの貼り忘れ
例その2:昼薬の飲ませ忘れ
例その3:送迎忘れ(利用日を忘れた)

例その1やその2なんかは、医療現場であれば重大な医療ミス。
レポートの提出でサラッと済ませられるのも困るし、2度と起こさないような対策を部署全体で打ち出してほしい。
例その3なんかはサービス事業所として言語道断。
特定の職員がレポートを出して「反省」するようなことではない。
事例そのものや、事例報告の意味をもっと各部署で考えることが先。

うーん。
事務長の発言で、この法人の抱える問題がわかったような気がしました。
出すとか出さないとか、情報を共有するとか以前に、解決しなくてはならないことがあるということなのかな、と。

インシデント・アクシデントレポート回覧システム中止。つか撃墜された。
でも、これを機会に、各部署で、もう一度リスクマネジメントについて考え直してみようってことになったことはいいことです。

そこで、ひがしケアプラン主任・カニちゃんの提案で、私たち居宅介護支援事業所も、リスクマネジメントについて話し合うことに。
カニちゃんはまず、ケアマネのわたしたち全員にケアマネ業務の中で、インシデント・アクシデントレポートを出すべきと思われる事例について、文書で提出するよう求めました。
それをもとにマニュアルを作り、意識を平均化し、提出を徹底しようという狙いです。

日々のケアマネ業務の中でのインシデント、そしてアクシデント事例とは何か。
それはわたしたちケアマネひとりひとりの危機管理意識の(よくも悪くも)差を浮き彫りにする結果となり、ひいては私とアイリン女史が戦いのゴングを打ち鳴らすきっかけとなってしまったのでした。


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