業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

所詮介護はヒトかカネ その2

2009年09月10日 | 業務日誌
※ 画像はひこにゃん。ああ…癒されていく…。


今年の正月。
マナブさんが自宅内で何度目かに転倒し、動けずにいたところを朝9時のヘルパーが発見。
救急搬送され、C病院に入院。
幸い骨折などはなかったものの、強い腰の痛みを訴え、動けず、しかし原因もわからず。
入院したのが土曜日。
日曜日はヘルパーを組んでいませんでしたので、私は休日出勤し、必要物品を届けました。

病院は入院手続きなどのために身内に連絡をとりましたが、妹2人、所在不明。

実はこの時点で、上の妹は認知症で入所しており、下の妹は末期Caで入院中だったのです。
困り果てたC病院のMSWがケアマネ=私に連絡する。
なんとかして身内に、入院承諾書などの書類を整えてもらいたい、緊急時の処置について相談したい。
ケアマネさん、なんとかなりませんか。

私だってこの数ヶ月間、施設入所を拒否るマナブさんをなんとかしようと、身内を探して探しまくりました。
このマナブさん本人も妹ふたりも、子供がないんです。
マナブさんの亡くなった奥様のほうの親戚も付き合いを絶っていたらしく連絡がつかない。
お手上げです。

実は

サラに悪いことがもうひとつありまして。

マナブさんには、ある特別な宗教団体との関りがありました。

あえてその団体(宗派)の名称は記載しませんが

その団体の信者は近代医療を否定しており、輸血(自己血もダメ)を拒否する、身体からいったん出て行ったものはすべて土に返すというのが教義である、かの有名な宗教団体でありまして。
てことは、病院では、マナブさんに何かあった場合の対処が出来ないワケです。
家族、身内の承諾も得られない状態で、本人は権利擁護も拒否。

マナブさんが入院してしばらくは、病院も私も必死になって身内を探しました。
ヒマさえあればふたりの妹に電話していたほどです。
しかしとうとう電話がつながることはありませんでした。
---------------当然っちゃ当然です。
入所に入院ですからね。

最初私は、病院に泣きつかれても知らん顔しようと思ってたんです。
身元保証人にもなれないし、入院承諾書にもサイン出来ません、MSWが介入されるのはご勝手に、ただしご本人が承諾されればの話ですけどね。
C病院からはほぼ毎日
「ご家族と連絡とれましたか?」
って電話がかかってきましたが、いいえと答える他はない。
一体どうしたらいいんでしょうかと聞かれても私にもわからないとしか言えない。
挙句の果ては
「独居の方ですから、いつかこのようなこともあるだろうと予測して、成年後見人制度などを利用しておくべきだったのでは?」
みたいなことまで言われる始末。

それが出来ればとっくにやっとるっちゅーねん。
簡単に言うけど、いくらかかると思ってんの。
ここまでひとりでやってきた高齢者が、お金を払って身元を引き受けてもらうという制度に抵抗がないと思いますか。
成年後見人制度というのはたしかにありがたい制度ですが、この場合ありがたがっているのは明らかにあんたらではないのか。

そうこうしているうちに、病院側は、なかばムリヤリご本人に承諾書にサインをさせ、民生委員にまで連絡をしてました。
2週間もすると転院の話をしはじめ、ご本人が(転院先を)探せないのでケアマネさん相談に乗ってくれませんかと言い出しました。
この間私は、マナブさんの入院中毎日病院に通い、紙おむつを買って届け、その都度詰め所に呼ばれ、ドクターやナースから今後の相談をされ、説明を受け続けました。
ドクターは
「マナブさんはもう在宅に戻せる状態ではないと思われるので、転院していただくようにこちらも支援しますが、そのあとどうするかケアマネさんも考えてもらえませんか」
と言われました。
そもそも入院した時点でケアマネが出来ることはないのだということをドクターに説明してもわからないんです。
ましてや、転院させようにも、身内と連絡のとれない人をどこの病院が引き受けてくれるでしょうか。

案の定、マナブさんを引き受けてくれそうな病院は全然見つかりませんでした。
かといって施設入所の話をすれば
「結構です」
とニコニコ笑って答えるマナブさんでした。
だいいち、特養だって老健だって身元の保証のない人は受け入れません。
完全に八方塞がった、と思ったとき----------------------------------


マナブさんのリハビリが始まり、まったく立てなかったマナブさんが、両手で手すりにつかまれば立位可にまでなってしまったんです。
するとドクター、早速在宅に返すと言い出した。
今度は私が慌てる番でした。

在宅に戻す条件として、どこまで回復すればあとを(ケアマネが)見てやれるかとある日呼ばれて詰め寄られました。
私は考えに考え、それまでお世話になっていたヘルパーさんにも相談し、
「ベッドからポータブルに自力で移乗出来るようになれば引き受けます」
と答えたんです。
ドクターは
「わかりました」
と静かに言われました。
そのとき私とドクターの間に、なんかメラメラした雰囲気が漂っていたことは言うまでもありません。

果たして本当にそこまで回復するのか?
回復したとして、本当に在宅でやっていけるのか?
そしてこの後、マナブさんと宗教団体の関りは?



                            つづく



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2 コメント

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Unknown (けろこ)
2009-09-15 08:05:10
その昔、けろこが病院勤めの頃は、身元引受人がその辺にいなくても、役所と病院がタッグを組んで、いつのまにか遠縁の方とかがむりやり引きずり出されてきていました。どんな手を使ってたのか未だにわかりませんけど
今は個人情報云々で難しいんでしょうかねぇ。むりやり引きずってくるなんてことをしたら訴えられそうだし・・

マナブさんの場合は宗教も絡んで大変ですね。
続きが聞きたいです
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けろこさん♪ (ハリケン)
2009-09-23 22:56:00
宗教、この後ガンガン絡んできました。
特殊な宗教なんでマジ大変です。
胃ろうなんかになったらどうしよう(ダメじゃん)。
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