業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

言語道断思考遮断

2008年03月02日 | 担当者会議
※画像は8年前にヤフオクに出品されたらしい野生のピカチュウです。『成長するとライチュウになるのか』『予防接種は?』など数々の質問が寄せられていました。


障害を受容するのは難しい。
それは年代や性別、障害の種類を問わず同じです。

私が担当している利用者リンダさん(仮名・要介護2・73歳)は透析患者さんです。
1年半くらい前のログにも登場したリンダさん、TB(結核)疑いで入院し、治療を受けていました。
詳しいことははしょりますが、結局TBは菌が出なかったかなくなったかで退院され、もとの生活に戻っておられました。
しかし、TBの菌の撃退のために入院先の病院で使ったお薬に問題があり(なんでもものすごく強い薬だそうです)数ヶ月前に突然失明寸前の視力に。

このリンダさんはとっても不遇な女性なんです。
ダンナさんに先立たれ、息子夫婦と同居していた間に息子が欝病で失業。
息子のヨメはそんな夫に愛想を尽かし、リンダさんが生涯かけて建てた家を不正なやり方で取り上げられてしまった。
弁護士に相談したり、テレビ局に投書したり色々やってもダメだった。
リンダさんは腎不全から透析患者になり、生活保護を受けることに。
息子はいまだに職を転々。
そこにもってきて今度は失明では、どうにかならないほうがどうにかしてます。
人の幸せは気持ちの持ちようだとか、笑っていれば不幸が逃げるとか、そんな説教が何の役に立つワケじゃなし。
どうして自分だけがこんな目に遭わなくてはならないのか。
リンダさんがそう思って世の中を恨むようになっても、誰も彼女を責められません。

リンダさんは数年前からヘルパーさんを利用していましたが、視力が失われていくと共にどんどんイライラするようになりました。
疑り深くなり、意地悪で邪険な物言いをするし、いつも機嫌が悪くてイライラしているし、正直なところ担当ヘルパーが気の毒でたまりませんでした。
おかげで担当ヘルパーも何人も交替させられ、この半年は、ある古株ヘルパーがリンダさん宅のサービスを週に3回すべて受け持つようになり、相当な忍耐力でもってやってくれていました。

先日このヘルパーさんが、いつものように仕事を終えて
「リンダさん、仕事が済みましたが、何か他にやってほしいことはありますか?」
とたずねたそうです。
すると、ヘルパー滞在中はいつも横になって一言も口をきかないリンダさんが
「あってもアンタにゃ頼まんわ!フン!」
と、イライラして答えたそうです。

それまでリンダさんの意地悪にじっと耐えてきたヘルパーさんでした。
リンダさんは身体状況の悪いときだから仕方ない、抵抗せずに仕事をするだけだと自分に言い聞かせてやってきた彼女でした。

しかし
この瞬間、ヘルパーさんの中で何かが
ブチッ
と音を立てて切れてしまったそうです。

彼女は黙ってそこを立ち去り、自宅に戻りました。
しかし冷静になって考えてみると、リンダさんの言動行動態度すべてが理不尽に思えて怒りがこみ上げてきたのです。

そしてこのヘルパーさんは、ある行動に出ました。

なんと

リンダさんの息子に電話をかけて
それまで抑えてきた自分の怒りすべてをぶつけまくり、息子に謝らせたんです。





そのつぎの訪問の日、リンダさんは、ヘルパーに謝りこそしませんでしたが、もう2度とヘルパーに当り散らしたり意地悪をしたりしなかったそうです。

この事実を翌日目くそに聞かされた私は怒りのあまりひとことも発することが出来ませんでした。

もちろんこのままにはしておきませんし、このヘルパーには私が直接ナシをつけます。
ただ、慎重にやらなきゃならない理由がひとつあるんです。
それは---------------------このヘルパーというのが
私の宿敵・メアリーだってことです。

訪問介護員2級課程では、障害者心理や障害形態別援助技術の講義を受けます。
バイステックだって習います。
なのにこの有様です。

介護保険法には色んな間違いやアナがあり、そのおかげで利用者やケアマネが苦労していることは皆さんご承知と思います。
でもあえて言わせてもらいたい。

包括設置と
2ヘルの大量生産は
制度最大の愚策だ

と。